2015年12月11日金曜日

触診を数値化、グローブ型センサー(富士通)

20151211日経産業新聞9面

 富士通は漢方医の触診をデータ化するためのグローブ型触感センサーを開発した。指の腹にあたる部分に、厚さ0.1~0.3mmの圧力がかかると電荷状態が変わる誘電体薄膜のセンサーを配置し、医師の触感を数値化する。外部から電流を流さずにセンサーとして利用でき安全性が高い。

2015年12月2日水曜日

電子部品メーカー、超小型気圧センサー強化、モバイル機器向け開発競争が活発化

20151202電波新聞1面

 電子部品業界ではモバイル機器向けに超小型気圧センサーの新製品開発・市場投入を図るメーカーが増加している。気圧センサーは高度情報の検出により、建物の何階にいるかを把握した屋内ナビや、運動中の活動量の高低差検出等が可能となり、スマホへの標準搭載やウエアラブル機器・スポーツ機器での需要増大が見込まれている。アルプス電気、村田製作所、TDK、ローム、ミツミ電機、北陸電気工業がそれぞれ活動を強化している。

2015年11月30日月曜日

額に貼り脳波測定、シート型、自宅での利用OK(大阪大学)

20151130日本経済新聞13面

 大阪大学の関谷毅教授らは、額に貼り付けるシート型の脳波測定装置を開発した。開発した銀と樹脂を混ぜた伸縮する電極は、皮膚にぴったりと張り付き、感度が高く筋肉の信号に紛れた脳波を抽出して計測できる。

2015年11月27日金曜日

血糖値測定、採血いらず、糖尿病患者、腕にセンサー、日本で承認申請(米アボット)

20151127日本経済新聞夕刊1面

 米アボットは腕につけたセンサーで体液を分析・測定し、血糖値を測れる製品「フラッシュ血糖測定器」の承認取得を厚生労働省に申請した。表面に突起が付いたセンサーを上腕につけ、間質液という人の細胞間を満たしている体液から血糖値を割り出す。欧米では8か国で販売されており、無痛で連続的な測定ができる。米アルコンもコンタクトレンズ型機器が、レンズの中に埋め込んだセンサーが涙に含まれるブドウ糖から血糖値を測定する製品の実用化を目指している。

容体変化、ベットで検知、センサーで呼吸を把握(ミネベアなど)

0151127日本経済新聞13面

 ミネベアは日本IBMや千葉大学と共同で、入院中の患者の体に計器類をつけずに呼吸状態を把握できる技術を開発した。ベッドの足の下に敷く形でセンサーを取り付け、微細な重心の変化を捉え、日本IBMの機械学習技術で呼吸状態を割り出す。

2015年11月26日木曜日

路面凍結、タイヤが判別、センサー搭載(ブリヂストン)

20151126日経産業新聞21面

 ブリジストンは、タイヤに加速度センサーを埋め込んで加速度を計測し、変化を無線で車内装置に伝え、路面凍結などの状況を判別する技術を開発した。車内装置の小型化を進め2020年をめどに市販車への搭載を目指す。

2015年11月25日水曜日

電子部品メーカー、MEMSセンサー強化

20151125電波新聞1面

 電子部品メーカーがMEMSセンサー事業への取り組みを強化している。パナソニックAIS社はMEMS技術を応用した静電容量出力タイプの感圧スイッチを開発し、簡易重量測定等を見込んでいる。村田製作所はMEMS加速度センサーを応用した「ワイヤレスベッドセンサー」を開発し、ヘルスケア用途を見込んでいる。TDKは気圧・温度・湿度センサーを組み合わせた3-in-1MEMSセンサー、MEMSマイクロホン、自動車向け圧力センサーを販売している。オムロンはMEMS3軸加速度センサーとSI(スペクトル強度)演算アルゴリズムにより世界最小クラスの感震センサーを開発し、装置・設備の停止用需要を見込んでいる。アルプス電気は産業機器向けのMEMS方式フォースセンサー開発、体積比で従来品の1/10を実現した。ロームは地磁気(MI)センサーと加速度MEMSセンサーを組み合わせた6軸複合センサーをモバイル機器向けに展開する。ミツミ電機はMEMSセンサーとMEMSミラー、気圧センサーを展開する。北陸電気工業は非接触温度センサーを開発し、MEMSセンサー事業を強化している。

2015年11月16日月曜日

MEMS(微小電子機械システム)向けの微細な製造技術(米コトテクノロジー)

20151116日経産業新聞9面

 米コトテクノロジーはごま粒大の超小型スイッチ部品を開発した。磁石を近づけるとオン・オフが切り替わるリードスイッチで、ウエアラブル機器の需要を見込む。開発した製品はMEMS技術を採用し、セラミック基板上に金属膜を形成した後、金属膜を加工して微小な電極を形成している。表面にスイッチを搭載する場所がないほど小さな機器や、デザイン性を重視して表面にスイッチを設置したくない機器などの需要も見込む。ウエアラブル機器向けの電子部品の小型化が加速しており、中古の半導体製造装置を電子部品メーカーが入手し、MEMS技術の応用による対応が進んでいる。

2015年11月12日木曜日

循環血流量、指に巻くだけで測定(エドワーズライフサイエンス)

20151112日刊工業新聞13面

 エドワードライフサイエンスは、患者の指にカフを巻くだけで心拍出量や血圧の連続測定を可能とする「クリアサイトシステム」を発売した。センサーで指動脈の赤外光受光量を測り、指動脈血圧から上腕動脈血圧や心拍出量を算出する。同システムで手術時の循環管理を行い、患者の変化に適切に対応できるという。

2015年11月11日水曜日

高精度に地震検知、世界最小クラスの感震センサー(オムロン)

20151111電波新聞3面

 オムロンはMEMS3軸加速度センサーとSI(スペクトル強度)値演算アルゴリズムにより、表面実装可能な世界最小クラスの感震センサーを開発した。外形寸法11.4x9.8mmで、震度5以上の揺れを高精度に判定でき、装置や設備の停止用に使用できる。同社は内蔵した鋼球が地震により設定値以上の加速度で動くことで検知する鋼球式震度計長年開発・生産している。

2015年11月10日火曜日

プラ温度計印刷作成、生体に貼り付け測定(東大)

20151110日刊工業新聞25面

 東京大学の横田知之特任助教、染谷隆夫教授らは、薄くしなやかなプラスチック製の温度計を印刷プロセスで作成した。グラファイトを添加したポリマーを使い、0.02℃の高い感度、100ミリ秒の応答速度を持つ、印刷可能な温度センサーで、体温付近で抵抗値が変化する。シート型の温度センサーとして医療福祉分野での応用が期待される。

2015年11月6日金曜日

電子発振器、サイズ1/16に(セイコーエプソン)

20151106日経産業新聞6面

 セイコーエプソンは高精度に周波数を発する原子発振器で、従来製品の1/16まで小型化した製品を開発した。サイズは1.8x6x6.8cmで、数百年に1秒の誤差という精度。

2015年10月27日火曜日

網膜走査型ディスプレイ技術、RGBレーザーとMEMSミラー応用(ミツミ電機)

20151027電波新聞3面

 ミツミ電機は網膜走査型ディスプレイをCEATECで展示した。RGBレーザーとMEMSミラーを使用した眼鏡型端末で、装着した人の瞳孔近くに拘束を収束させた後、網膜に照射することで装着者はクリアな映像を視聴できる。「レーザーが直接、人の網膜に絵を描くイメージの技術」

2015年10月22日木曜日

円盤型の小型発電機開発、人体の運動に合わせ発電(北陸電気工業、東大)

20151022電波新聞3

北陸電気工業は東京大学鈴木雄二教授との共同研究で、エレクトレットによる静電誘導発電を用いた円盤型小型発電機を開発した。人体の動きにより円盤が回転して発電し、ウエアラブル端末等、IoT機器への商品化を目指す。発電能力は、直径4㎝の開発品で毎秒1回転の動きで20μワット。

2015年10月21日水曜日

医療向けの高精度バイタルセンサー、開発強化(アルプス電気)

20151021電波新聞3面

 アルプス電気は医療用途向けに、近赤外波長を活用したバイタルセンサー「ウエアラブル近赤外分光センサ」を開発している。軽く体に触れるだけで、脈拍や血流、ヘモグロビン度、血液酸素度など様々な生体情報を同時計測できる。

2015年10月9日金曜日

身に付けるだけで生体データ簡易測定、センサーなど高性能・小型化進む

20151009日刊工業新聞19面

 日立ハイテクノロジーズはヘッドギアタイプの携帯型脳活動計測装置を提供する。微弱な近赤外光を使い血流量の変化をリアルタイムで計測し、脳活動指標や心拍数を取得し、脳活動による認知機構確認、脳トレーニング、ストレスチャックが可能となる。太陽誘電は圧電素子で血管壁の振動を直接検出し、脈拍や血管の硬さを計測するセンサーを開発した。

2015年10月5日月曜日

土壌環境センサー(静岡大、ローム)

20151005電波新聞1面

 ロームは土中の水分量(電気伝導度=EC)、PH値、温度をリアルタイムに長時間継続計測できる土壌環境センサーを静岡大学の二川雅登准教授と共同開発した。土砂崩れ、斜面崩壊などのモニタリングや圃場の土壌モニタリングのためのセンサーとして実用化を目指す。

2015年10月2日金曜日

センサーで血圧測定、動脈の圧力直接検知(藤倉ゴム)

20151002日経産業新聞13面

 藤倉ゴム工業は、血圧を正確に直接測ることが出来るセンサーを開発した。電気を通す炭素を含む高分子材料を電極で挟んだセンサーに、動脈からの圧力が加わるとセンサーの抵抗値が変化する。センサーと電極はアルミ板で挟み、帯のようにして腕に巻き付ける。従来の測定器はゴム製の空気袋を巻き付け、袋の中の圧力から間接的に血圧を測る形式だった。

2015年10月1日木曜日

嗅覚センサー業界標準目指す、アライアンス発足

20151001電波新聞3面

 嗅覚センサーの業界標準を目指すアライアンスが、物質・材料研究機構(NIMS)、京セラ、大阪大学、NEC、住友精化、ナノワールドAGの6機関により9月25日に発足した。商品化を目指すMSS(膜型表面応力センサー)は、におい成分を検知するもので、医療、食品、環境、安全などへの応用が期待される。MSSセンサー素子は、素子表面の感応膜ににおい成分の分子が吸着すると表面応力が生じて電気抵抗が変化することで検知する。においによる肉(牛、豚、鳥)の判別、香水の判別、呼気による患者の識別などが応用例。今後は、大量生産に向けたセンサーチップの最適化、用途に応じた感応膜開発、標準ガス校正やデータ解析などの課題に取り組む。

2015年9月25日金曜日

電流センサー、設置容易に工場など向け(アルプス・グリーンデバイス、ABB)

20150925日経産業新聞6面

 アルプス・グリーンデバイスはスイスのABBと共同で設置が容易な電流センサーを開発した。磁気素子を使い、リング状のコアを不要とした。U字型の電流センサーを配線にはめ込めば測定でき、分電盤への組み込みや脱着が容易となった。

ディーゼル車のすすセンサー、装置故障、高精度に検知(京セラ)

20150925日経産業新聞6面

 京セラはディーゼル車用のすすセンサーを開発した。排ガス中のすすなどの粒子状物質(PM)を検知するセンサーで、PM除去装置近くに設置し、フィルター通過後のすす残量を調べる。櫛歯状の電極にすすがたまると電気が通ることにより検知する。同社のセンサーは白金を使わず、価格低減を実現した。

2015年9月17日木曜日

消費電力8割低減、Co2センサーモジュールNDIR方式採用(フィガロ技研)

20150917日刊工業新聞11面

 フィガロ技研は日分散型赤外線吸収法(NDIR)方式の二酸化炭素(CO2)センサーモジュールを開発した。検知方法を従来の固定電解質からNDIRに変えることにより精度を高め、小型省電力化した。NDIRはCO2が固有の波長帯域の赤外線を吸収する性質を利用し、二つの受光素子で異なる波長帯域の赤外線量を検出し、その差からCO2濃度を検知する。

2015年9月15日火曜日

産業用ロボット向けトルクセンサー量産(第一精工)

20150915日刊工業新聞8面

 第一精工は産業用ロボット向けのトルクセンサーに静電容量の変化を利用した製品を開発した。ひずみゲージを使う従来方式に比べて小型・低コストとなる。

2015年9月12日土曜日

薬にセンサー、服用管理、米で申請(大塚製薬)

20150912日本経済新聞12面

 大塚製薬は薬にセンサーを内包し、服用管理する錠剤の販売を米食品医薬品局(FDA)に申請した。服用すると錠剤が胃で溶けてセンサーが電波を発し、体に貼り付けたパッチが検知しスマートフォンに送信して、医師らが服薬指導や治療に生かす。センサーはシリコン製で利用後はそのまま体外に排出され、副作用はないという。

2015年9月7日月曜日

電子部品、ロボ市場開拓、独自センサー開発攻勢

20150907日刊工業新聞1面

 電子部品メーカー各社がロボット向けセンサー市場の開拓に取り組んでいる。TDKはアームの角度検出用の磁気センサー、村田製作所は指関節の動きを検出するロータリーポジションセンサー、アルプス電気は荷重検知用のフォースセンサー、太陽誘電は変位センサーに取り組んでいる。

MEMSセンサー、アルプス電気が取り組み強化

20150907電波新聞4面

 アルプス電気はMEMS技術を活用したセンサーへの取り組みを強化している。新たなセンサーとしてスタイラスペンなどで使用するフォースセンサーを開発した。同センサーは半導体ひずみ素子を用い、MEMS技術を活用し、高感度で小型化を実現した。同フォースセンサーはロボットや産業機械への展開も見込んでいる。

2015年9月4日金曜日

IoT向けセンサー、19年に9億5600万台、IDCジャパン予測

IoT向けセンサー、19年に9億5600万台、IDCジャパン予測

 調査会社IDCジャパンはIoTに関連したセンサーの国内稼働台数について、2019年に9億5600万台、出荷額も19兆円を超えると予測した。

2015年7月21日火曜日

6軸センサー、自動運転実験用(ZMP)

20150721日経産業新聞9面

 ロボット開発ベンチャーのZMPは自動運転実験用の6軸小型センサーを開発した。400Gの加速度まで測定でき、重さ5グラムと小型化されている。

2015年7月20日月曜日

電流センサー事業拡大、過電流センサー開発進める、新規需要創出へ(アルプス電気)

20150720電波新聞3面

 アルプス電気は電流センサー事業拡大に向け、過電流センサーの開発を進めている。同社は薄膜プロセス技術と磁性材料技術を融合し、コアレス構造により小型化を図っている。電流センサーの市場はエネルギーマネジメント、自動車、電力インフラなどだが、過電流センサーにより測定の高速化が測れるとしている。

2015年7月14日火曜日

気圧センサー、世界最小、20センチの高低差判別(ローム)

20150714日経産業新聞8面

 ロームは世界最小サイズ(2mm角、高さ1mm)で、20cmの高度さを検出できる気圧センサーを開発した。スマートフォンやウエアラブル機器への搭載を見込む。

2015年7月10日金曜日

コンタクトで眼圧把握、緑内障患者向け、データを24時間収集(シード)

20150710日本経済新聞12面

 シードは眼球の膨張を検出するセンサーを内蔵した検査用コンタクトレンズを発売する。レンズはスイスのベンチャー企業、センシメッド社が開発し、シリコン素材のレンズの中に歪みを検知するセンサーとデータを送るアンテナを組み込んでいる。測定データは目の周りに装着したアンテナが受信し、記録装置に転送する。緑内障は眼圧が高くなり、視神経に障害が出る病気で、眼圧を下げる点眼薬を使い治療する。本装置で24時間の継続的な測定が可能となる。

2015年7月9日木曜日

センサー用「ひずみゲージ」、インフラ点検活用期待(ミネベア)

20150709日経産業新聞13面

 ミネベアはセンサー用のひずみゲージを手がけている。構造は薄い樹脂の絶縁体に銅ニッケル合金等の金属線を貼り、外部の力で伸縮する金属線の電気抵抗値変化を捉える。外気温の変化を回避するため、力がかからないひずみゲージと接続し、温度変化分を相殺する構造を取っている。ひずみゲージは、ひずみを発生させる金属部材に接着して使用する。

面的な伸び検知、伸縮性歪みセンサー(バンドー化学)

20150709日刊工業新聞7面

 バンドー化学は面的な伸びの大きさを検知できる伸縮性歪みセンサーを開発した。本体はゴム製、静電容量式で最大震度200%まで検出できる。企業の研究開発への活用を想定している。

2015年6月30日火曜日

”MEMSミラー”開発に注力(ミツミ電機)

20150630電波新聞3面

 ミツミ電機はMEMSミラーの開発に注力している。民生用として網膜走査型ディスプレイ用MEMSミラーの量産を開始する。車載用では自動車用レーザー走査方式ヘッドアップディスプレイ等の開発を進めている。

2015年6月29日月曜日

ものづくりから安全安心な社会構築まで活躍するセンサー、気象・災害分野にも活躍広がる

20150629日経産業新聞12面

 センサーは物理的・化学的な変化を電気信号に変換するデバイス。温度、湿度、濃度、流量、磁気、振動、加速度、位置など多くの変化を検知するセンサーが用いられている。ものづくりのサポートや、センサーネットの構築でスマートシティや安全安心な社会実現に役立っている。

電圧かけて液体流す、小型チップ幅2ミリの溝、ポンプ不要、創薬・医療に一助(慶応義塾大学)

20150629日経産業新聞11面

 慶應義塾大学の竹村研次郎准教授らは、電圧をかけるだけで幅が2mm程度の溝に液体を流すアクチュエーターを開発した。フッ素系の高分子で出来た「電解共役流体」という特殊液状物質を使う。3つの電極に高い電圧をかけ、電極の周囲で局所的に流体が高速で流れる現象。溝を刻んだ分析用チップの様々な場所に電極を置き、チップ内の物質の流れを制御する。2020年頃にチップの実現を目指す。

MEMSセンサー強化、モバイル機器や車、ヘルスケア多様な分野に提案(電子部品メーカー)

20150629電波新聞1面

 電子部品メーカー各社のMEMSセンサーへの取り組みが加速している。村田製作所は加速度センサー、ジャイロセンサー、コンボセンサー、傾斜センサー、気圧センサーを生産し、表面実装型MEMS角加速度センサーを開発した。TDKは気圧・湿度センサーや圧力センサーを販売している。アルプス電気は湿度センサー、弾性波を利用した3軸ジャイロセンサーを開発している。ミツミ電機はセンサーとミラーデバイスを、ロームは気圧センサーと加速度センサーを、北陸電気工業は湿度センサー、日本航空電子工業は高精度加速度センサーを開発している。

2015年6月26日金曜日

導電性インクで電子回路、布に印刷、曲げ伸ばし可(東大)

20150626日経産業新聞13面

 東京大学の染谷隆夫教授らは、布の上に印刷し曲げ伸ばし可能な電子回路を作れる導電性インクを開発した。布の種類を問わず、幅1mm以下の細かい配線を印刷でき、曲げたり元の3倍以上まで引っ張っても配線は切れない。服状のセンサーの実現をめざし、2~3年後の実用化を目指す。

角加速度センサー、1つで機能、薄型に対応(村田製作所)

20150626日経産業新聞6面

 村田製作所はハードディスク駆動装置(HDD)用の角加速度センサーを開発した。これまでは2つの加速度センサーを2か所に搭載していたが、HDDの薄型化に対応し、1つで角速度を検出できるセンサーを開発した。HDD向けには2,3年後に量産を開始する。

環境発電IoTで出番、身近な振動や熱使う(オムロン、旭硝子、竹中工務店)

0150626日経産業新聞1面

 環境発電がIoTの登場で注目が高まっている。「エレクトレット環境発電アライアンス」はオムロン、旭硝子、東京大学(鈴木雄二教授)らにより結成され、エレクトレット(電気を帯びる性質をもった誘電体)と金属板を平行に配置し、振動で発電する。ボタン電池ほどのデバイスを開発しており、サンプル出荷をしているが、コストダウンが課題だ。

2015年6月18日木曜日

小型の水晶加速度計、振動や傾きを高精度測定(セイコーエプソン)

20150618電波新聞4面

 セイコーエプソンは3軸の水晶加速度センサーを内蔵し、3軸の加速度、傾斜角、傾斜角速度を計測できる。建築構造物、土木現場、船舶・大型機械等のモニタリングを用途とする。

2015年6月17日水曜日

地磁気センサー精度7倍、消費電力は20分の1、スマホ屋内ナビ実現に道(ローム)

20150617日経産業新聞6面

 ロームはスマホの方位測定などに使う地磁気センサーの精度を7倍に高め、消費電力を20分の1とした新製品を開発した。ロームは愛知製鋼と提携してアモルファスワイヤをコイルに使い、電流使用時間を10億分の1秒と短縮した。従来品が測定場所によっては1度以上の誤差が生じるのに対し、0.3度以下とした。屋内ナビゲーションでの活用を目指している。

2015年6月12日金曜日

薄型熱流センサー、感度10倍、部品劣化を診断(デンソー)

20150612日経産業新聞6面

 デンソーは従来に比べて感度を10倍に高めた熱流センサーを開発した。熱流は熱の移動量や方向を示すもの。熱流センサーは薄いシート状で、対象物の表面に張り付け、熱がセンサーを通り抜ける際の表裏に生ずる温度差を電圧に変換する。化合物半導体の材料により感度を高め、薄型化により測定誤差を小さくした。熱流測定により機械部品の劣化診断や、建材の断熱性能評価にも利用できる。

2015年6月5日金曜日

MEMS式ジャイロセンサー、振動や温度変化に強く(シリコンセンシングジャパン)

20150605日経産業新聞6面

 シリコンセンシングシステムズジャパンはMEMS式ジャイロセンサーで、機械式や光ファイバー式に比べて安価で振動や温度変化に強い製品を開発した。振動するシリコンの形状を工夫し、周りを真空状態にすることにより、精度を表すバイアス安定度を毎時0.12度と従来製品の10倍以上改善し、機械式・光学式と遜色無いレベルとした。価格は20万円程と機械式・光学式の数分の一と抑えられた。機械式のように定期点検が不要で、光学式より衝撃に強い。MEMS式は従来は携帯電話や自動車などの汎用品が中心だったが、船舶・航空機、石油掘削などの用途を開拓する。

2015年5月21日木曜日

医療関連機器用「マイクロ流路」開発進める(アルプス電気)


20150521電波新聞4面

 アルプス電気は医療関連機器向けに、創薬開発などに使用される分析機器の流路およびカラムをカートリッジ式で実現する「マイクロ流路」の開発を進めている。同社のマイクロ流路は、等価率が高く、自家蛍光が少ない樹脂材料「COP(シクロオレフィンポリマー)」を材料に使用すると共に、接着剤レス、高熱や圧力をかけることなく接合し、高い品質を確保している。

2015年5月18日月曜日

電池交換不要な薄型センサー端末を開発(日立マクセル、リコー、アルティマ)

20150518電波新聞5面

 日立マクセル、アルティマ、リコーの3社は電池交換不要な薄型光発電ワイヤレスセンサーネットワーク端末を共同開発した。温度・湿度・照度など屋内環境をモニタリングでき、二次電池と太陽電池で電池交換不要となる。

2015年5月12日火曜日

”Smart Energy Japan2015” IoT向け実用化間近、振動発電で「電池いらず」、スイッチ設置自由度増す

20150512日経産業新聞2面

 富士電機は無線式モーター故障診断システムの電源として振動発電モジュールを使用している。モーターの振動で発電した電力をキャパシターに蓄電し、送信に必要な電力量に達したところでデータを送る。電池不要で工場のどこにでも設置できる。アルプス電気のスイッチ型発電入力デバイスでは、スイッチを押すことで発電し信号を無線送信する。スイッチ配線が不要で、15年夏には量産を開始する見込み。ムネタカの樹脂系圧電素子は、溶液をスプレーコーティングして圧電素子を形成するもので、曲げたり振動させると発電する。様々なものを発電デバイスに出来、振動センサーとしても利用できる。

2015年5月5日火曜日

圧電圧力波センサー開発、脈波センシングなど、医療分野に提案(太陽誘電)

20150505電波新聞3面

 太陽誘電は圧電セラミックの材料を用いた圧電圧力波センサーを開発した。応用例として血管壁の振動を直接検出する脈波センサーの実証を行っており、ヘルスケア分野での展開を目指している。

2015年5月1日金曜日

ピンクダイヤをセンサーにMRI小型化などに道

20150501日経産業新聞7面

 磁気共鳴画像装置(MRI)の小型化が見込める微弱な磁気のセンサー実現に結びつく可能性があるピンクダイヤが注目されている。炭素原子で構成するダイヤの結晶に窒素原子が入り炭素原子と窒素原子がペアを組む構造を「NV中心」と呼ぶ。NV中心は負の電荷を帯び、電子の磁石の性質(スピン)を持ち、この性質を利用して局所的な磁気を測定できると期待されている。JSTでは2013年から2019年にかけダイヤを用いる新しい生体磁気計測システムの開発を進めている。目標は現在のセンサーの100倍以上の分解能。

高精度バイタルセンサー開発強化、近赤外の波長活用(アルプス電気)



20150501電波新聞3面

 アルプス電気は医療関連用途向けに、近赤外の波長を活用した高精度なバイタルセンサー「ウエアラブル近赤外分光センサ」の開発を強化する。同センサーは体に触れるだけで、脈動や血流、ヘモグロビン度、血液酸素度などを計測可能。16年度上期からの量産開始を目指しており、腕時計型機器や衣服などへの搭載を目指す。

2015年4月22日水曜日

MEMS方式採用、6軸慣性計測装置製品化(シリコンセンシングシステムジャパン)

20150422日刊工業新聞6面

 シリコンセンシングシステムズジャパンは6軸の慣性計測装置を製品化した。MEMSジャイロセンサーにより光ファイバージャイロと同等の性能で価格は半分以下。誤差精度は毎時0.1度。

2015年4月4日土曜日

皮膚のガス分析、ウエアラブル、脂肪燃焼量を測定(ドコモ)

20150404日本経済新聞夕刊1面

 NTTドコモは皮膚から出る微量のガスを捉えて運動量を測定できるウエアラブル端末を開発し、2-3年以内の実用化を目指す。体を動かしたときに脂肪が燃えると皮膚から出てくるアセトンというガスを測定する。表面にナノサイズの穴を多数あけてアセトンを効率よく吸着できる材料を考案した。

2015年4月1日水曜日

最高水準の圧電素子、低温形成(アルバック)

20150401日経産業新聞6面

 アルバックは圧電材料のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)薄膜を500℃以下の低温で形成できる技術を開発した。これまでは困難だった、PZT薄膜を使った圧電MEMSと半導体回路の同時形成が可能となった。

2015年3月25日水曜日

手首で心臓微細動感知、腕時計型センサーに圧電素子(日本バルカーと関大)

20150225日経産業新聞15面

 日本バルカー工業は関西大学と共同で、手首に取り付ける事で心臓の微細な動きを感知できるセンサーを開発した。腕時計型デバイスに厚さ50-60マイクロメートルのフッ素樹脂製圧電素子シートを組込み、血管の動きを計測する。この圧電素子は上下方向のみを検知し、体温の影響も受けないため心臓の微細な動きを拾い、心臓の血流の動きを表す脈波を捉えられる。24時間脈波を計測でき、通信機能を持たせてデーアをスマホに蓄積し、健康管理に利用できる。2016年度に実用化を目指す。

2015年3月6日金曜日

世界最小級半導体ガスセンサー、ウエアラブルに搭載期待(フィガロ技研)


20150306日経産業新聞6

 フィガロ技研は消費電力が世界最小クラスの半導体式空気汚れ検知用ガスセンサーを開発した。ガスセンサーは感ガス部を300-400℃に加熱し、水素を検知する。感ガス部を高温に保つのに電力を消費する。同社はMEMS技術を活用して小型化し、体積を65分の一、消費電力は15ミリワットと従来より92%削減した。これまでガスセンサーは空気清浄器などに搭載してきたが、今後はスマホが期待されている。

2015年2月24日火曜日

腕章型体温計を開発、室内光で発電、音で発熱報知(東大)

20150224日刊工業新聞23面

 東京大学の桜井貴康教授、染井隆夫教授らは室内照明で発電し、音で発熱を知らせる有機集積回路を使った腕章型の体温計を開発した。有機集積回路と温度センサー、フレキシブルな太陽電池、圧電素子と樹脂フィルムを組み合わせた音響デバイスのピエゾフイルムスピーカーで構成する。

2015年2月20日金曜日

量産用モジュール化、COセンサー、暖房器具向け、機器組み込み簡単に中毒事故の発生防止(フィガロ技研)

20150220日刊工業新聞9面

 フィガロ技研は一酸化炭素検知用の量産用センサーモジュールを開発した。電気化学式のCOセンサーを搭載し、0-800ppmのCO濃度を測定する。暖房器具やCOを扱う産業機器メーカー向けを目指す。

2015年2月19日木曜日

液体1滴で粘度計測、数マイクロの水滴、極小の針状で揺らす、東大がセンサー

20150219日経産業新聞10面

 東京大学の下山勲教授らは、わずか1滴で液体の年度を計測できるセンサーを開発した。センサーは5ミリ角の測定器に13本のカンチレバーと呼ぶ微小針を13本組込み、この上に水滴を載せ、センサーの板に振動を加えて水滴を揺らせ、水滴の振動が針に伝わり、年度によって変わる振動パターンから粘度を計測する。血液の粘度測定キットや、研究機関向けの少量の液体計測機器して製品化を目指す。

2015年1月29日木曜日

ウエアラブル、体温・脈拍など装着するだけで管理、繊維メーカー新素材開発(東レ、NTT、帝人など)

20150129電波新聞1面

 ウエアラブルセンサーとして繊維メーカーは新素材を開発している。東レとNTTは、ナノファイバーで作られた生地に導電性樹脂をコーティングし、生体情報の計測に適した繊維素材を実用化した。帝人と関西大はポリ乳酸と炭素繊維を用いた圧電素子の生地を開発し、着るだけで動きを検出する素材を開発した。ヤマハはカーボンナノチューブを利用した人体モーションセンサー手袋を試作し、ピアニストの指の動きを「見える化」した。グンゼは信州大と共同で洗濯耐久性のあるウエアラブル素材となる有機導電性ニットを開発した。

2015年1月28日水曜日

センサー事業強化へ、ジャイロセンサー、米クォルトレと販売契約(アルプス電気)

20150128電波新聞1面

 アルプス電気はジャイロセンサーの共同開発を進める米国クォルトレ社と販売契約を締結した。両社のジャイロセンサーは弾性波を利用したMEMSセンサー技術を用い、数メガヘルツの高周波数により外来ノイズへの耐性に優れた衝撃特性や低消費電流、コスト競争力を実現している。15年中に量産を開始する。

2015年1月9日金曜日

着た人の動き感知、帝人が生地開発、遠隔地のロボ操作に応用も

20150109日本経済新聞13面

 帝人は服を着ている人の動きを感知できる生地を開発した。関西大学の田実佳郎教授と共同で開発したポリ乳酸繊維を使い、記事を曲げたりねじったりすると電気を発生する。炭素繊維を電極として記事に織り込み、この生地で仕立てた衣服や手袋等の動きを把握できる。ポリ乳酸繊維は電圧を加えると変形するため、スピーカーや医療用の超音波検査装置としても使える。

2015年1月6日火曜日

人の脈拍も捉える、高感度圧電振動センサー(NECトーキン)

20150106電波新聞7面

 NECトーキンは圧電振動センサーの用途拡大に取り組んでいる。高感度で幅広い周波数(10-15キロヘルツ)を検知でき、人の脈拍も捉えられる。無線振動センサーモジュールも開発し、インフラモニタリング用途を目指している。

2015年1月5日月曜日

高分子ゲルでポンプ、定期的に薬を放出、体内で使用(芝浦工大)

20150105日経産業新聞10面

 芝浦工業大学の前田真吾准教授は高分子ゲルが生き物のように動くポンプを開発した。ゲルはアクリルアミドと金属錯体などを混ぜて作り、内部で周期的な化学反応が起きて膨張と収縮を繰り返す。実験では細管にゲルを詰め管内の物質を送り出した。薬を詰めた小型カプセルに内蔵し、始動時間を自由に調整できる。飲み込んだカプセルから数時間おきに胃の中に薬を放出し、飲み忘れを防げる。薬を自動で送るDDS向けに10年後の実用化を目指す。