2012年2月24日金曜日

poLight社:MEMS自動焦点レンズ量産化でTexas Instruments社と提携

海外産業動向
http://optics.org/press/1292  
  poLight社は、圧電駆動によりポリマーレンズを変形させ、ウェハプロセスで作製可能なMEMS自動焦点レンズ(TLens)を開発したベンチャーである。すでに携帯電話用カメラ等、モバイル機器での実証試験が行われている。
従来のボイスコイルモータによるレンズ駆動方式と比較すると小型、低コスト、高速駆動、低消費電力を特徴としているため、特にモバイル機器向けに適する。
 poLight社は量産化に向けてTexas Instruments(TI)と共同開発をすることになった。今後、TIのMEMS量産技術と世界中のマーケティングを活用して、大規模事業化を目指す。

4.3mm×4.3mm 圧電駆動MEMS自動焦点レンズ(TLens)

2012年2月23日木曜日

3D形状、高精度に測定、1兆分の1メートル単位で(マグネスケール)

20120223日経産業新聞15
 森精機製作所の子会社マグネスケールは、レーザー光により8.4ピコメートルの分解能を持つ、物体の3次元形状を測定する非接触変位計を開発した。半導体製造・検査装置の制御や半導体ウェハの計測、工作機械の精度調整などへの応用が期待される。

自力発電型製品、省電力需要取り込む(東京エレクトロンデバイス)

20120223日経産業新聞7
 電子機器の発生する電波や熱を利用して発電し、消費電力の削減が可能な電子部品の販売を東京エレクトロンデバイスが強化している。温度差を利用して発電する製品はドイツのマイクロペルト社が開発したもので、1度の温度差で最大110ミリボルトを発電できる。無線通信用ICを搭載しており、外部電源なしで離れた場所から一元管理できる。工場の電力供給監視用途などに引き合いがある。米パワーキャスト社と共同開発した電波を電気に変換する半導体は、携帯電話通話時の800メガヘルツ帯の電波から数ミリアンペアの電力を生み出す。タブレット端末に搭載すれば主電源が切れてもデータ保存やメールの送受信程度は続けられる。米インフィニットパワーソリューションズが開発した蓄電池は厚さが0.17ミリメートルで、微弱な電気の利用に有効だ。

2012年2月22日水曜日

熱電変換素子、安価で安く(米ウェークフォレスト大学)

20120222日経産業新聞7
 モバイル機器の素子から発生する熱を電気に変換した再利用につながる、フェルトのように柔らかい熱電変換素子を米ウォークフォレスト大などが開発した。多層カーボンナノチューブとポリフッ化ビニリデンを積層したシートを重ねる。35枚重ねた時に1度の温度差で250マイクロボルトの電圧を発生した。

MemsONEコンソーシアム、解析用ソフトを販売、MEMS設計用に特化

20120222電波新聞2
 マイクロマシンセンター、みずほ情報総研、数理システムで構成するMemsONEコンソーシアムはMEMS用設計・解析ソフトウェア「MemsONEVersion 5.0の販売を開始した。MemsONEMEMS設計に特化した国内初の統合型シミュレーションシステムで、機構解析シミュレータ、プロセス解析ツール、プロセス逆問題解析ソフト、MEMS回路シミュレーター、知識データベースなどで構成される。Version5では機構解析と回路解析の連携を強化した。MemsONE082月のリリース以来、これまでに85機関で採用され、出荷ライセンスは約250.

2012年2月20日月曜日

「DLP」展開強化、超小型高輝度WVGA対応チップ投入(米TI)

20120220電波新聞3
 MEMS技術による極小ミラーで構成するデバイス「DLP」を累計出荷実績で11年に3000万個という米テキサス・インスツルメンツ(TI)は、今後はデジタルカメラやモバイル機器などの小型市場が拡大するとみている。同社は0.3インチサイズアレイに608684の微小ミラーを配したWVGA(854480画素)対応チップを発売する。プリント版やICのマスクレス露光、3次元スキャナの構造化光の生成という用途を想定する。

高精度ジャイロセンサー、世界最小クラス(ボッシュセンサーテック)

20120220電波新聞3
3ミリメートル角のデジタル出力式3軸角速度センサーをボッシュセンサーテックが発売した。高精度のセンシングを実現するため、最適なソフトウェアも提供する。

工業用インクジェットヘッド、1ピコリットルの液滴噴射(コニカミノルタIJ)

20120220日経産業新聞4
 1ピコリットルのインクの液滴を噴射し半導体回路を形成できる工業用インクジェットヘッドをコニカミノルタIJが開発した。ヘッドはMEMS技術によりシリコンを加工して実現した。有機ELのディスプレイの回路を形成したり、有機EL照明の薄膜層のコーティング、曲げることができるフレキシブルディスプレイへの応用が期待される。

運転席前方にナビ画像表示、矢印で方向・速度警告、13年度量産(JVCケンウッド)

20120220日経産業新聞1
 自動車のフロントガラス前方に方向指示などの画像が見える「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」をJVCケンウッドが開発した。従来のモニター型カーナビに接続し、HUDシステムがカーナビの地図情報からルートや制限速度などの情報を取出し、画像に表示する。13年度に投入する製品は画像をプロジェクターで投影し、鏡に反射させてフロントガラスの前方に映し出す。14年度にはレーザー光線とMEMSによる鏡を使用した製品を量産する。

2012年2月17日金曜日

Texas Instruments(TI)社:非接触MEMS温度センサをモバイル機器へ展開

海外技術動向
http://www.zdnet.com/blog/emergingtech/tis-contact-less-temperature-sensor-opens-up-possibilities/3137  TIは非接触赤外線式MEMS温度センサを開発した。超小型で信号処理ICを内蔵しており、アプリケーションとしてタブレット、スマートフォン、カメラ等のモバイル機器を想定している。
 このセンサの特徴は従来の非接触温度センサと比較して超小型、超低消費電力、低コストを特徴とするため、モバイル機器に適する。
 用途として環境中の温度や、体温、食品などの温度を計測できる。
 具体的な仕様はチップサイズ1.6mm×1.6mmにサーモパイル型の赤外線センサを形成した。測定温度範囲、精度は-40℃~125℃±1℃である。価格は1000個注文時$1.5である。
 この技術は今後、省エネセンサ、ガスセンサなどに展開する予定である。
 
TI 非接触温度センサ

2012年2月10日金曜日

量産性に優れるシリコンNEMSケミカルセンサ:カリフォルニア工科大学

海外技術動向
http://cen.acs.org/articles/90/web/2012/02/Large-Scale-Production-Nanosensors.html
 量産性に優れるシリコンカンチレバー型の高感度ケミカルセンサをカリフォルニア工科大学(Caltech)がMinatecと共同で開発している。このカンチレバー型センサは化学分子をppbの濃度で検出することができる。ガスクロマトグラフや質量分析器への応用が期待されている。
 カンチレバーサイズは幅800nm、長さ2μmである。何らかの分子がカンチレバーに付着すると振動数を減少させる。ここではその分子量まで識別することが可能である。わずか1ppbのガスを2秒で検出することが可能である。
 このケミカルセンサはシリコンプロセスで大量生産することが可能で、将来低価格な分析器、携帯型分析器への応用が期待される。
                カンチレバー型ケミカルセンサアレイ

2012年2月9日木曜日

注目集める環境発電関連技術の動向

20120209電波新聞 エナジー・ハーベスト関連技術が注目されている。発電された数十mVという微小電力をマイコンやセンサー駆動に必要な数Vに昇圧するDC-DCコンバーター、微弱で不安定な電力を蓄積し安定的に供給するためコンデンサとリチウムイオン電池の利点を持つ蓄電デバイス、低消費向けのマイコンやZigBeeなど無線規格に対応したICが開発されている。

ナノドメイン構造を有する圧電薄膜で超高速応答

20120209電波新聞14
 高輝度光科学研究センター(JASRI)、東京工業大学、物質・材料研究機構(NIMS)及び京都大学の研究グループは、「ナノドメイン」と呼ばれる微小領域を有する圧電体薄膜が200nSという超高速でスイッチング可能であることを確認した。圧電体膜を活用し、今後の発展が期待される圧電MEMSでは、どの程度高速に動くか確認されていなかった。研究グループは大型放射光施設Spring-8(兵庫県)の設備を利用し、X線回折測定の”高速ストロボ撮影“により測定し、200nSの高速で微小領域の結晶の向きが変化することを確認した。

2012年2月7日火曜日

DLC膜規格をISOに提案(ナノテックとニューダイヤモンドフォーラム)

20120207日刊工業新聞6
 DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)膜を7種類に分類する国際規格をナノテック(千葉県柏市)とニューダイヤモンドフォーラムがISOに提案する。DLC膜は水素量やダイヤモンド結合の量により物性や用途が異なるが、識別が困難だった。分光エリプソメーターで膜厚と膜表面の光が入る角度を測定し、水素量とダイヤモンド結合量を割り出し、7タイプに分類した。ICF(真性カーボン膜)という新呼称を採用し、DLCを含めた枠組みとして提唱する。

2012年2月3日金曜日

自動車用MEMS市場、2011年も順調に伸張(2010年比16%up)

海外産業動向
http://www.electroiq.com/articles/stm/2012/02/automotive-mems-grew-16-in-2011.html
 2011年の自動車用MEMS市場は、日本の大地震やタイの洪水が自動車産業に影響を及ぼしたが、その後回復基調を取り戻し、2010年B$1.9から16%増加してB$2.2(約1800億円)になった。
2010年は前年比28%の伸びであったから、順調に増大しており、2015年にはB$3.1まで伸びると予測される。タイの洪水に対しては部品を事前に安全な場所へ輸送して影響を少なくしたことも貢献している。
 増大の要因としては電子安定制御システムやタイヤ空気圧センサのような法制化が世界で拡大することが大きい。日本は2012年に電子安定制御システムを義務化する予定である。

防止フィルム開発、スマホなど見やすく、画面、否化の反射1/5に(旭化成)

20120203日経産業新聞1
 旭化成はナノインプリントを活用した光の反射防止フィルムを開発した。フィルムの表面に幅数百ナノメートルの微細な凹凸を形成し、差し込む光の屈折率を徐々に変化させることで急激な屈折を抑え、反射を防止する。反射防止対策なしのカバーグラスでは光の4%を反射し、コーティング剤塗布によっても1~2%にしか抑えられないが、新フィルムでは0.4%以下に下げられる。

導電性高分子を線維化、布状センサー実現へ(信州大)

20120203日刊工業新聞22
 信州大学繊維学部の木村睦准教授らは、導電性高分子を線維に織り交ぜる技術を開発し、電気を通す糸を織り上げて布状のセンサーを実現した。導電性高分子を連続的に線維化する湿式紡糸プロセスを確立し、1キログラムの糸を約3時間で作成する。従来の編織工程に導電性高分子の糸を設置し、電気を通す布を織り上げる。糸が電極となり、かける力に応じて抵抗力が変化するセンサーとなる。

2012年2月2日木曜日

ニコンが新型露光装置、線幅22ナノ以降に対応、処理枚数1割多く

20120202日経産業新聞7
 ニコンは半導体ウエハーに回路を転写する露光装置の新型として、1時間当たりのウエハー処理枚数を200枚、重ね合わせ精度で2ナノメートルと性能を高めた装置を発売する。光源としてフッ化アルゴンを使用し、液浸で回路を転写する。回路を2回に分けて転写するダブルパターンニングにも対応した。同社は最先端の微細化に対応した露光装置で世界シェアを20%から40%まで高めることを目指している。