2012年10月31日水曜日

揮水表面に半導体塗布、新製膜法を開発(産総研)

20121031日刊工業新聞29面

 産業技術総合研究所フレキシブルエレクトロニクス研究センター長谷川達生氏らは液体を強くはじく撥水性の高い表面に有機ポリマー半導体溶液を塗布し、均一に薄膜化する新技術「プッシュコート製膜法」を開発した。薄膜トランジスタ(TFT)を従来より簡単に製造できる。

2012年10月30日火曜日

ナノリング、製作費用百分の一、可視光の屈折率変更、光学顕微鏡に応用(東北大学)

20121030日経産業新聞10面

 ナノメタリアルと呼ばれる、電磁波に対して自然界の物質にはない振る舞いをする人工の材料を作る技術を東北大学の藪浩准教授らが開発した。直径が数十~数百ナノメートルの金属微粒子のリングを材料の中に規則正しく並べたもので、光や電磁波が通り抜けるときの性質を人為的に変更でき、顕微鏡の解像度向上等が期待できる。ポリスチレン樹脂の微粒子と金の微粒子が散らばった水溶液を蒸発させることで造るもので、電子ビームなどを使う従来法に比べてコストを100分の1程度に抑えられる。

2012年10月29日月曜日

非接触の温度センサー、感度3倍に、薄膜技術を応用、家電などに用途(TDK)

20121029日経産業新聞4面

 サーミスタ材料から薄膜を製作し、感度や応答性能を高めた温度センサーをTDKが開発した。応答時間が数ミリ秒と従来の千分の一、わずかな温度変化を検知できるので非接触測定が可能となる。非接触温度測定で現在主流のサーモパイル(多数の熱電対)に比べて感度は3倍で小型化も可能。調理家電、医療機器、産業機器やモーター・バッテリーの温度監視が用途として期待される。

H2Aジャイロ価格千分の一、MEMS活用、機械式を高精度化(住友精密とJAXA)

20121029日刊工業新聞1面

 住友精密工業は宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、MEMS技術を活用し、これまでの光学式に比べて価格は百分の一のジャイロを開発する。機械式ジャイロはこれまで精度の点からロケットには使われてこなかったが、住友精密は温度特性の補正をアナログからデジタルに切り替える等きめ細かく補正し、部品点数を半減して軽量化、精度を現行品の十分の一に当たる毎時0.1度程度にする。

分子放出で高速移動、水面泳ぐナノモーター(京大)

20121029日刊工業新聞20面

 京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)副拠点長の北川進教授と同大学院工学研究科の植村卓史准教授らは微細な穴を持つ物質から疎水性分子を放出することで水面を移動する化学モーターを開発した。金属イオンと有機物で構成しナノサイズの穴を持つ多孔性金属錯体(MOF)に、疎水性ペプチド分子を導入し水面で放出すると、水面とMOFの境界に疎水性領域が形成されて表面張力の不均一状態が生じ、表面張力が低い疎水性領域から高い水面側にMOFが引っ張られる。光や温度の変化に反応して動くモーターや、分子を輸送する分子ロボットなどの応用が期待される。

「エネルギーハーベスト」に期待、リモコンや無線センサーなどに応用「電池レス」実現へ

20121029電波新聞1面

 エネルギーハーベスト(環境発電)関連デバイスの開発が盛んである。電池レスやメンテナンスフリーを実現する技術として期待が高いが、発電量が微小かつ不安定という課題に対応し、より高い発電効率の素子と微量電力の有効活用素子の開発が進んでいる。ロームは室内照明による太陽電池やキャパシター、無線通信モジュール、電源ICなどを開発、次世代無線通信規格推進団体「EnOcean Alliance」の主幹メンバーともなっている。村田製作所は圧電発電デバイスによる照明用無線スイッチを、アルプス電気は電磁発電と無線通信によるヘルスケア向け「見守りセンシング」を、ミツミ電機は空調ダクトの振動で電磁発電する「マイクロ振動デバイス」を、ニチコンは自然エネルギーの発電変動や電力ピークカットに対応する各種システム、太陽誘電はキャパシターを生かしたワイヤレスセンサーネットワーク、富士通セミコンダクターはピエゾ素子による振動発電に対応した電源ICにそれぞれ取り組んでいる。

2012年10月26日金曜日

免疫細胞採取の新チップ、回収率2倍以上に、抗体医薬開発に活用(富山県工技センター)

20121026日経産業新聞9面

 薄膜技術を活用し、がんなど特定の細胞を攻撃する免疫細胞を血液中で特定して回収するチップを富山県工業技術センターと富山大学が開発した。免疫回収率が従来の2~4割が7~9割に向上、1つのチップで約12万個の細胞を採取でき、作業時間も従来の5分から数秒に短縮できる。「透明磁気チップ」と呼び、ガラス基板に10~20マイクロメートル穴が開いた樹脂膜を重ね、穴の底に細胞を吸い寄せる磁性膜を作る構造。透明樹脂の量産は北陸電気工業が担当し、感光性樹脂で穴の開いたチップを生産する。

テクノトレンド、微細な泡で洗浄・浄化、処理費、大幅に削減

20121026日経産業新聞9面

 「マイクロバブル」と呼ばれる微細な気泡を活用した洗浄や水質浄化の開発が進んでいる。直径50マイクロメートル以下のマイクロバブルが消えるときフリーラジカル(水酸基ラジカル)と呼ばれる物質が発生する。これを活用した半導体洗浄装置を瀬戸技研工業が開発した。ノズルから直径20~70マイクロメートルのオゾンの泡を吹き付けフォトレジストを取り除く。通常のオゾン水に比べて除去速度が2倍となった。洗浄工程は半導体製造工程の3~4割を占めるので、新装置により薬液と排水処理費用の大幅な削減が可能となる。マイクロバブルは複写機のトナー工場の排水処理やアオコの発生抑制にも利用されている。

2012年10月25日木曜日

異なる物質水で接着、低温で加熱脱水縮合反応、バイオセンサーに活用(物材機構)

20121025日刊工業新聞21面

 物質・材料研究開発機構・エネルギー材料部門ハイブリッド材料ユニットの重藤暁津主任研究員は、水を接着剤として金属や樹脂など異種材料を接合できる技術を開発した。接合する材料の表面をエッチングにより均一とし、一定量の水蒸気を入れると表面に水分子が結合する。この両面を合わせて加熱し、脱水縮合反応で接合する。銅、ガラス、ポリイミドのどの組み合わせでも可能で、処理温度が低く、ほぼすべての工程を大気圧下で出来る。従来は材料ごとに別のプロセスで接合していたためコストや時間がかかっていた。今後は完全大気圧化と対応材料の拡大を目指す。

センサー事業強化、MEMS応用の高性能品に注力、ガスセンサー新たに開発(北陸電気工業)

0121025電波新聞4面

 北陸電気工業がMEMS技術を活用したセンサー開発に注力している。これまでの3軸加速度センサーに加え、小型気圧センサー、小型フォースセンサー、さらに自社のマイクロヒーターとエフアイエスの半導体ガスセンサーの材料技術を融合した低消費電力のMEMSガスセンサーを開発した。

2012年10月24日水曜日

フロンティア知恵を絞る、1滴でたんぱく質検出(東レ先端融合研究所)

20121024日経産業新聞7面

 東レ先端融合研究所のたんぱく質チップは、名刺大のプラスチックチップで、1滴の血液を入れて専用の装置にかけると20分以内に病気の原因となるたんぱく質の有無が分かる。装置は家庭用プリンターほどの大きさで15kg、200万円以下、チップは使い捨てで1枚数千円を想定しており、来年には製品化される。たんぱく質チップの内側には数十~数百マイクロメートルの溝や窪みがあり、溝に流れ込んだ血液は窪みで血球が分かれ血漿だけが先に進む。次に抗体で覆った樹脂製ビーズと反応させ、抗原抗体反応で粒子に付着したたんぱく質の種類を蛍光分析で調べる。従来の大型機に比べて、小型・安価で中小病院でも導入できる。

2012年10月20日土曜日

カリフォルニア工科大:レーザ干渉型MEMS加速度センサ開発

海外技術動向
http://www.caltech.edu/content/developing-next-generation-microsensors
 カリフォルニア工科大(Caltech)は、レーザ干渉を応用したMEMS加速度センサを開発した。これまでのMEMS加速度センサは、おもりの変位を電気抵抗や容量の変化で検出するタイプであったが、本センサではフォトニック結晶構造中に作製されたおもりの変位を干渉光の強度の変化で検出する。光方式は、高感度、低雑音、温度依存性が小さい等の特徴があり、高精度を必要とする人工衛星等への搭載が検討されてきたが、大型のシステムであった。
 Caltechはマイクロ加工プロセスによりSiチップ内にレーザ干渉型加速度計を作製し、動作させることに成功した。小型であるため、民生用途への展開が期待される。
Nature Photonics (2012) DOI:10.1038/nphoton.2012.245


2012年10月16日火曜日

電機部品各社、医療機器・ヘルスケアに照準、新需要創出めざす、センサーや通信技術活用

20121016電波新聞1面

 電子部品業界では医療機器・ヘルスケア市場の取り組みを強化している。シーテックジャパン2012で出品されたセンサー関連は以下の通り。TDKはMEMS薄膜プロセスを活用した温度変化を検出する薄膜サーミスタ。アルプス電気は紫外線や熱中症など体感環境センシング。パナソニックデバイスは移動、静止、移動方向を検知する赤外線アレイセンサー、半導体圧力センサー。村田製作所は加速度センサー、傾斜センサー、ジャイロセンサー。ミツミ電機は血圧計など向けデジタル出力ゲージ圧センサー。ロームは微量血液検査システム、唾液からストレスを判定するデジタル免疫チップなど。

電源無くても無線通信、ボタン押すと発電、ナースコールなどに応用(アルプス電気)

20121016日経産業新聞4面

 ボタンを押すと磁石の力で発電するスイッチをアルプス電気が開発した。ボタンを押すと磁石が高速回転し、組み込んだコイルが一回で140マイクロジュール程度の電力を発生する。この電力により、組み込んだ小電力に適した近距離無線通信規格「ZigBee」の通信ICを駆動し外部に発信できる。電源コードや電池が不要のため、ナースコールなど医療分野での実用化を目指す。

2012年10月13日土曜日

スマートフォン、タブレット向け複合モーションセンサの需要が急増(iSuppli)

海外産業動向
http://www.eeherald.com/section/news/onws201210101.html
 調査会社のIHS iSuppliはスマートフォン、タブレット向け複合型モーションセンサ(信号処理含めた加速度、ジャイロ、電子コンパス一体型)の市場予測を発表した。それによると2011年に販売が開始され売上げは$23M(約18億円)に対し、2012年は$189M、2016年は$1.4Bと約60倍に成長する見込みである。また全体に占める複合型の割合は71%になる見込みである。
 複合型には様々なタイプがあるが、9軸センサとして機能するものが代表である。(3軸加速度、3軸ジャイロ、3軸コンパスを複合化)Samsungのスマートフォン、タブレットは6軸複合センサを採用している。一方Appleはまだ個別のディスクリート型を採用している。
 センサメーカーの動向としてInvensenseは現在は優れた機能を有する6軸複合センサを主に供給している。最近ではInvensenseについでBosch、Freescale、STMicroelectronics、愛知製鋼が小型高機能な複合センサを開発している。
特にInvensense とSTは9軸複合センサで競っている。パッケージサイズは4×4mmで2013年から本格的に採用される見通しである。
 加速度とジャイロの製造プロセスは似ているため集積化しやすいが、電子コンパスのプロセスはMEMSプロセスとは異なるため、集積型のハードルは高い。MEMSメーカーと電子コンパスメーカーの共同開発が必要ろ考えられる。

2012年10月11日木曜日

特集センサー技術、CEATECに見るMEMSセンサーの製品動向

20121011電波新聞10面

 シーテックでは様々なMEMSセンサーが紹介された。TDKは車載可能で外乱振動に対する出力変動が極めて少ないジャイロセンサーを開発した。村田製作所のジャイロコンボセンサーは1軸ジャイロセンサーと3軸加速度センサーを1パッケージ化した。ロームはグループ会社Kionix社の民生用途ジャイロスコープと3軸加速度センサーを展示した。
 気圧センサーではTDKが温度も測定できる製品を、ミツミ電機は小型と防水タイプを展示した。アルプス電気は8cmの高低差に相当する分解能を有する製品を展示した。
 北陸電気工業はMEMSヒーターと感ガス材料を融合したガスセンサーを展示した。
 太陽誘電はレーザー光を通して光の干渉により光路差を検出する変位センサーを開発した。
 パナソニックはSi基材に開けた穴にSiの梁を置き、梁の上に圧電体を載せた構造のMEMS歪センサーを開発した。圧電体の周波数変化により歪を検知する。
 TDKのMEMSマイクロフォンは、振動膜とICをセラミック基板にパッケージしたもの。アルプス電気はピエゾ抵抗素子を使用したフォースセンサー、パナソニックはサーモパイル型赤外線アレイセンサーを展示した。

特集センサー技術、MEMSヒータの技術

20121011電波新聞8面

 従来の熱源として使われるヒータにはセラミックヒーターやコイル式ヒータがあるが小型化が難しく、消費電力が大きい、熱応答性が大きいという課題があった。北陸電気工業のMEMSヒータはこれらの課題に対応したものでシリコン上に絶縁膜と白金薄膜ヒータを形成している。応用例として半導体式ガスセンサがあり、金属半導体酸化物(感ガス膜)の空気中のガスによる化学反応を電気信号に変換したものである。反応性を高めるためと感ガス膜のクリーニングに熱エネルギーが必要とされる。MEMSヒータは熱応答性が高く低消費電力という特質がある。赤外線吸光式ガスセンサの光源としても活用できる。

センサー、MEMS応用した新製品の開発活発化

20121011電波新聞7面

 MEMS技術を応用したセンサーの開発が盛んだ。村田製作所は自動車用品質基準に適合した加速度センサー、ジャイロセンサー等を販売している。TDKは非接触で温度変化を検出できる薄膜サーミスタを開発した。北陸電気工業はマイクロヒーターと半導体ガスセンサーを融合したガスセンサーを開発した。

チャレンジ新製品、赤外線センサー、静止している人も検知(パナソニック)

20121011日経産業新聞7面

 パナソニックが出荷を始めた赤外線アレイセンサーは室温や体温を読み取り、静止している人の存在を検知できる。これまで照明の自動点灯などに使っている赤外線センサーは、焦電型とよぶ温度(赤外線)の変化を検知するもので、物体が動かなければ検知できない。赤外線アレイセンサーは、異なる金属を張りあわせて赤外線を受けた際に金属同士に生ずる電位差を測る素子を使用し、MEMS技術を活用して3ミリメートル四方に縦横8個、合計64個の画素を形成した。細かな温度分布を検出でき、まずは電子レンジで調理した食物の温度検知に供給し、エアコンや介護ベッドの見守り用途等への展開を想定している。

2012年10月10日水曜日

小型プロジェクター、レーザー光源で試作、携帯端末内臓も視野(パナソニック)

20121010日刊工業新聞9面

 パナソニックはレーザー光源により100ルーメンの明るさを持つ厚さ7.5ミリメートルの小型プロジェクターを試作した。USBでパソコンに接続したり、機器に内蔵プロジェクターとして組み込める。スマートフォンへの内臓を想定するレーザー光源「走査型光学モジュール」はレーザースキャン方式で3原色レーザーやMEMSミラーをモジュール化した。

MEMSマイク事業好調、月産1億個規模に、スマホ・携帯用世界シェア80%(米ノウルズ)

20121010電波新聞3面

 スマホ・携帯用MEMSマイクの世界シェア80%に達するノウルズは02年末から量産を開始し、今年5月に累積出荷30億個に達し、現在は月産1億個規模の生産を行う。同社の「SiSonic」はリフロー対応、X線被ばくの感度劣化なし、ハロゲンフリー、-40~+100℃動作、電圧・温度・湿度変動に安定動作、対落下衝撃性という特徴を持つ。第4世代MEMSマイクはチップサイズ0.9x0.9ミリメートルで様々なタイプ。

2012年10月9日火曜日

バイオチップ使用の微量血液分析、高感度小型免疫測定システム、欧州で販売開始(ローム)

20121009電波新聞1面

 ロームは使い捨てバイオチップ使用の分析システムを国内に続き、欧州でも販売する。微量血液分析システムは、血液をバイオチップに注入し、卓上サイズの検査装置に装てんすると、数分で結果が分かる。感染症、肺炎などの炎症用、動脈硬化などの炎症、糖尿病マーカーのバイオチップを揃えている。高感度小型免疫測定システムもバイオチップに唾液や血液を注入し、チップ上の試薬との免疫反応、発色反応の度合いを光学測定する。医薬研究や化粧品、健康食品の評価などの需要を見込んでいる。

2012年10月8日月曜日

オムロンとSTMicro:ガス流量センサを共同開発

海外技術動向
http://www.electronicsweekly.com/Articles/05/10/2012/54721/omron-and-st-design-smart-mems-gas-sensor.htm
 オムロンとSTMicroelectronics(ST)は、共同で高機能なガスセンサを開発したことを発表した。これは測定するガスの種類を自動補正する機能を有する。
 オムロンは熱型のMEMS流量センサチップの開発を担当し、STはセンサ信号処理ICの開発を担当した。
本センサは、ガスの種類によらず、入荷した状態ですぐに使用できる。使用環境中の温度や圧力の変動を補正するだけではなく、ガス組成が変わっても自動で補正する機能を有する。
「このセンサはスマートガスメータと呼べるもので、ビルの省エネに貢献することができる」と関口事業部長は説明している。オムロンは本センサを2012年11月よりサンプル出荷する。

2012年10月4日木曜日

「シーテック」電子部品、自動車市場取り込み(TDK,アルプス電気、村田製作所、京セラ)

20121004日刊工業新聞8面

 電子部品各社が新たな製品群を開発して自動車市場への参入を加速している。TDKは電気自動車にワイヤレスで給電する装置を、アルプス電気は車内でドライバーの動きを検知して運転をサポートするセンサー、村田製作所はアイドリングストップ向けMEMSセンサーや車体の傾きを検知する傾斜センサー、京セラは液晶ディスプレー内臓バックミラー等を展開している。

2012年10月1日月曜日

3次元実装、本格量産間近か、TSV技術、14-15年頃が濃厚、小型・軽量・低コスト化、デバイスの要求に応える

20121001電波新聞1面

 3次元実装の鍵となるTSV(シリコン貫通電極)の本格量産は14-15年度からとみられる。既に量産されているのはCMOSイメージセンサー、FPGAがあり、多層構造のメモリーモジュールやDRAMが出始めている。仏ヨール社の予測では15年に2200億円としている。

デバイス最前線-自動車、「微小電気機械システム」応用(浜松ホトニクス)

20121001日刊工業新聞12面

 浜松ホトニクスは「電磁式駆動レーザー走査型MEMSミラー」を開発した。自動車のフロントガラスにナビ情報などを投影する車載用ヘッドアップディスプレーに応用可能。

生分解性の電気デバイスを試作(米イリノイ大など)

20121001日刊工業新聞20面

 生体内で分解吸収される電気デバイスを米イリノイ大学、タフツ大学、ソウル大などの研究チームが試作した。多孔性シリコンのシートでトランジスタなど電子素子を、マグネシウムで電極を作成し、絹の層で覆って電子回路とした。設定した期間が過ぎると体液に溶けて消滅するため、手術後の感染症治療に利用すると、取り出す手術が必要ない。環境モニタリングやコンシューマー機器にも応用が可能。

血液・尿の微量物質センサー、人工ダイヤで高精度検出(東京理科大)

20121001日経産業新聞11面

 電極の素材を人工ダイヤモンドに代えて、血液や尿に含まれる微量の物質を高い精度で検出するセンサーを東京理科大学の近藤剛史助教が開発した。炭素原子の一部をホウ素に置き換えて電気が流れるようにした人工ダイヤの粉末を樹脂性フィルムの上にまぶした構造。従来の炭素製電極に比べてノイズ電流が1/3程度に減少した。尿中のショウ酸の濃度から尿路結石のリスクが、血液や尿に含まれる糖分のグルコースから糖尿病の診断に使える。