2013年12月25日水曜日

PM2.5,10秒で濃度測定、業界最小センサー(シャープ)

20131225日経産業新聞5面

 シャープは微小粒子状物質「PM2.5」の濃度を測定できるセンサーモジュールを開発した。ファンで吸い込んだ埃から取り出したPM2.5にLEDの光を当て、散乱光をフォトダイオードで検出する。10秒で測定でき、測定範囲は1立方メートル当たり25~500マイクログラム、測定感度は25マイクログラム以上。ファンの動きを切り替えればPM2.5以外の粒径が大きな埃の濃度も検出する。空気清浄器やエアコンへの組み込みを見込んでいる。

2013年12月20日金曜日

指で肌押し機器操作、マウスに替わる入力用装置、赤外線センサーで測定(慶応大学)

20131220日経産業新聞9面

 慶應義塾大学の稲見昌彦教授らは、マウスに替わる入力用装置として、肌を指で押し、その大きさや向きを赤外線センサーで検知し、機器を操作する装置を開発した。押した感覚を自分で得やすく、空中で指を動かすというような手法に比べて高齢者が使いやすいとみている。腕輪の様な機器を5~7㎝の間隔で腕に2本はめ、腕輪の間の皮膚をもう一方の指で押すことにより操作する。ゲーム操作ボタン、ロボット操縦のジョイスティック、ウエラブル端末への実用化を見込んでいる。

2013年12月19日木曜日

STが6軸モーションセンサー、40%低消費電力化

20131219電波新聞13面

 スイスのSTMicroelectoronicsは業界最小クラスの6軸モーションセンサーの新ファミリを発表した。3軸加速度センサーと3軸ジャイロセンサを同一チップに集積し、同期した出力が可能。マイクロプロセッサコア内臓モデル、地磁気センサや環境センサーと連動するセンサーハブ内蔵モデルもある。

2013年12月18日水曜日

音叉型水晶振動子、1桁ミクロン単位で基板加工(大真空)

20131218日経産業新聞4面

 大真空はフォトリソグラフィーにより業界最薄の水晶振動子を開発した。音叉型の水晶振動子を、これまでは機械加工による削りだしを利用してきたが、フォトリソ加工により1ミクロンレベルの寸法精度を実現した。水晶基盤をパッケージに固定する工程では「フリップチップボンディング」を活用し厚みや大きさを抑えた。ウエラブル端末やスマートカードへの搭載を見込む。

3次元細胞培養事業を拡大、SLSと米国ラボ設立(JSR)

20131218電波新聞3面

 JSRは3次元細胞培養事業拡大のためサイヴァクスライフサイエンス(SLS)と米国ラボ設立に合意し、SLSへ投資を行う。3次元細胞培養は細胞を立体的に培養する方法で、細胞の性質が生体に近いことから、病気メカニズムの解明や治療法・新薬の開発に期待されている。SLSは独自の3次元細胞培養技術を有し、ナノインプリント技術により細胞培養器を製品化しており、米国事業展開を加速するためボストン近郊にラボを設立する。

2013年12月10日火曜日

抗原診断ワンチップ開発、英国バイオベンチャーOJ-Bio、日本無線と共同

20131210日刊工業新聞8面

 英国のバイオベンチャー企業OJ-Bioは日本無線と共同で、表面弾性波(SAW)デバイスと抗体を組み合わせ、ワンチップで特定の抗原を診断できるセンサーを開発した。センサーには複数の抗体を生成し、検体をセンサーに滴下し、SAWの電気信号の変化で抗原抗体反応を検出する。日本無線がSAWデバイスを生産し、OJ-Bioが抗体を生成する。2014年度に試験生産する体制を整え、インフルエンザやHIV、歯周病などの診断向けに15年度以降に商品化する。

PCマウスに受光用LED、自然光で発電、待機電力極小に(立命館大とセイコーインスツル)

20131210日経産業新聞8面

 立命館大学の道関隆教授とセイコーインスツルは共同で、発光ダイオード(LED)が微弱な発電をすることを利用して電子機器の待機電力をほぼゼロにする仕組みを考案した。LEDを設置した電子機器を操作すると発電量が変化して機器自体の起動を促す回路により、起動に備えて常時微弱電流を回路に流しておく必要がなくなる。試作したワイヤレスマウスには赤色LEDを2つ装着し、利用者が操作すると1つのLEDが手で隠れて発電量が変化し、機器の起動をする。待機電力は従来の100万分の一になり、マウスの電池が約2倍長持ちした。

気体漏洩100万分の一検知、MEMSセンサー向け(フクダ)

20131210日経産業新聞1面

 MEMSセンサーの長寿命化につながるMEMS内部回路の気密性検査精度を大幅に高める技術を試験装置メーカーフクダが開発した。気密性の目安となるヘリウムの漏洩量が従来の100万分の一でも検出できる。新たな技術は、真空ケースの中にセンサーを入れた真空のカプセル状容器を置く二重構造で、真空ケース内の異種ガスを除去した後にカプセルを開く事で異種ガスの混入量を大幅に抑制した。自動車運転技術の普及で需要増を見込んでおり、まずは研究開発向けに1000万円程度で発売し、製造ライン向け装置も投入する。

2013年12月5日木曜日

電力センサー、小型5ミリ角、車・電子機器に搭載容易、次回から即時計測(大阪市大、北陸電気工業)

20131205日経産業新聞1面:

 大阪市立大学と北陸電気工業は「磁気抵抗効果型磁性薄膜電力センサー」を開発した。電気が流れる導線の周辺磁界を磁性薄膜素子で検知するもので、従来のセンサーの20分の1の大きさ、10分の1のコストとした。電力センサーの大きさは5㎜四方、100kwからミリワット単位まで、ほぼリアルタイムで計測できる。自動車、家電、パソコン、インフラ機器、太陽光発電設備などに利用可能。

「ミニマルファブ」構想広がる、半導体復権、膨らむ期待、小額投資で少量多品種

20131205日経産業新聞7面

 大規模な設備投資で半導体を量産するという従来手法の真逆、約5億円の小額投資で少量多品種の半導体を生産できるという「ミニマルファブ」構想が現実味を帯びてきた。ミニマルファブは小型の券売機程度の大きさの製造装置を組み合わせて生産する。装置内をクリーンルーム状態としており、クリーンルームの設置は不要、ウエハーサイズも12.5ミリメートルと現在主流の300ミリウエハーの24分の1.」ミニマルファブの生産が向くのは年間数万個程度しか生産しない少量多品種向け半導体。20社以上が参加する技術研究組合が発足し、販売が始まっている。

2013年12月4日水曜日

静電気で動く人工筋肉、ロボット採用目指す(東工大)

20131204日経産業新聞6面

 東京工業大学の実吉敬二准教授らは静電気の力で動く駆動装置を開発した。薄い銅箔をポリエチレンテレフタール(PET)で絶縁した電極素材を使い、電極を上下に二本づつおりこむ構造で、上下に並んだ電極に交互に電圧を加えると、静電気が発生し装置が伸び縮みする。

2013年12月2日月曜日

微振動を増幅し発電、センサー電源開発(竹中工務店)

20131202日刊工業新聞14面

 竹中工務店は空調ダクトの気流が起こす微振動から発電し、温湿度計等のセンサー電源とし屋内環境を把握するワイヤレスセンサーネットシステムを開発した。周波数12-41ヘルツの広範囲にわたり効率よく発電する。発電ユニットはマグネット式。