2012年6月28日木曜日

MEMS非接触温度センサー、高感度、幅広い用途(オムロン)

20120628電波新聞3面

 MEMS技術を用い赤外線を検出する高感度非接触温度センサーをオムロンが開発した。n型ポリシリコン、p型ポリシリコンとアルミニウムを材料とする熱電対を直列につないで熱電対列(サーモパイル)を形成、熱絶縁性の高い誘電体薄膜上に温接点、熱伝導率の高いシリコン上に冷接点を形成した。静止人物や、FA設備の異常温度を検出でき、省エネ家電や省エネビル・オフィスなど幅広い用途を見込んでいる。

2012年6月21日木曜日

MEMSマイクでケース樹脂化の新技術(STマイクロ)

20120621日経産業新聞7面

 MEMSマイクロフォンのケースを樹脂化する技術を開発したとSTマイクロエレクトロニクス日本法人が発表した。これまでは金属製ケースだったが、樹脂内部に金属の雑音防護層を設けることで樹脂化を可能とした。製造コストの低下と小型化が実現できる。

2012年6月20日水曜日

自社初の細胞分析装置(ソニー)

20120620日経産業新聞11面

 ソニーはフローサイトメーターと呼ばれる、細胞をマイクロ流路に流して大きさや構造を分析仕分けする装置を発売する。再生医療や免疫などの研究に使う。フローサイトメーターは、チップを流れる細胞に波長の異なる数種類のレーザーを照射し、細胞に結びついた試薬が反射する光を検出器で読み取る。これまで実績のある光ディスクの成形機をそのまま使って製品化すると言う。フローサイトメーターの市場は米国の2社による寡占状態で、ソニーの製品が研究開発用から臨床現場まで展開できるかが課題である。

2012年6月19日火曜日

地図なしで道案内、位置情報から握り部傾く、手すり感覚で誘導(慶応大学)

20120619日刊工業新聞27面

 人の位置情報を元に、手すりを伝う感覚で道案内してくれるツール「ハップマップ」を慶應義塾大学の舘暲教授らが開発した。「ハップマップ」を握ると、持ち手の部分がシーソーの様に傾いて進む方向を示し、傾きの大きさでカーブの角度を調整できる。地図を見なくてもよく、周りの風景などを見ながら目的の場所まで行ける。現在は室内で人の位置をカメラで認識しているが、GPSの誤差が1メートルほどになれば利用できるという。

カプセル内視鏡開発、特定部位撮影・生体採取可能に、16年めどに試作機(ワークス)

20120619日刊工業新聞14面

 ワークス(福岡県)は九州工業大学の伊藤高廣教授らと共同で、磁気振動で移動できるカプセル内視鏡を開発する。「消化管内走行カプセル」は全長12ミリx直径11ミリメートルの円筒形でカメラ・電池を搭載する。特定部位に到着すると無線で位置を知らせ、内蔵カメラを遠隔操作して撮影する。細胞採取や投薬は、別のカプセルを連結させ、歯間ブラシのような形状のアームを使う。

2012年6月17日日曜日

首に巻くエアバッグ開発、ヘルメット不要に by Hövding & STMicro

 海外産業動向
http://www.eeherald.com/section/news/nws2012061005.html
 Hövding社(スェーデン) とSTMicroelectronicsは、首に巻くタイプのエアバッグを開発した。
バイクを乗る時に使うヘルメットの代わりになるもので、これを使うと、ヘルメットが不要になるという画期的なものである。
何らかの衝撃が加わると、首周りのエアバッグが作動して頭全体を包むように保護する。
センサ部はSTMicroのモーションセンサが用いられている。
首巻エアバッグ

動作後

2012年6月15日金曜日

MEMS3軸センサー量産にめど、ロボ手足向け市場開拓(タッチエンス)

20120615日刊工業新聞6面

 MEMS技術を応用し、3軸方向の力を検知する触覚センサー「ショッカクチップ」の量産にタッチエンス(東京都台東区)がめどをつけた。月産1万個の場合は1個2000円で販売できるという。新モデルは直径8ミリメートルx厚さ1ミリメートルと小さくて薄く、温度ドリフトも解消した。人型ロボットの足裏や、手の指先に組み込むセンサーとして市場を見込んでいる。

2012年6月11日月曜日

MEMS市場予測~2017年 by Yole

海外産業動向調査
http://www.i-micronews.com/news/MEMS-market-continue-double-digit-growth-double-by-2017,8765.html
 2017年までのMEMS市場予測がフランスの調査会社Yole Developpememtより発表された。
これによると、2017年までの売上予測は年平均+13%の伸びで、2017年には21B$に拡大するとした。
伸び率は、徐々に減少すると予測される。これはスマートフォン用慣性センサの価格下落、インクジェットヘッドの伸びの減少が考えられるからである。また医療用マイクロフルイディクスが圧力センサやジャイロセンサに匹敵する位までの伸びが期待される。
MEMS市場をけん引するアプリはスマートフォンで今後3年の間に出荷数量は倍増する見込みである。これに対応する慣性センサは、数量アップとともに小型化や性能向上がなされるであろう。
 これからのスマートフォンには2個のジャイロセンサが搭載されるであろう。慣性系とカメラの手振れ防止用である。Invensenseが携帯カメラ用のジャイロセンサを一早く開発中で、STmicroelectronicsも手振れ防止とゲーム用に新製品を開発中である。
 電子コンパスに関してはAKMが高いシェアを保持すると考えられる。しかしSTM、Bosch、MEMSICは、精度、低消費電力化に優れる電子コンパスを開発しており、今後競争の激化が予測される。
 ASIC含めた複合センサの出荷が2011年に始まった。6軸の加速度/電子コンパス複合センサ、6軸の加速度/ジャイロ複合センサである。単独のセンサが今後も支配的を考えられるが、いくつかの企業は複合センサへ移行すると考えられる。複合センサの現在の売上げは100M$だが、2017年には1.7B$に成長すると予測する。
 マイクロフルイディクスは現在年率23%の伸びで推移しており、2017年には4.8B$に、MEMS全体の20%を占めるに至ると予測される。医療用や食品/水検査、薬検査等の需要が大きく伸びると予測される。
 光MEMSも平均の伸びを上回ることが期待される分野で、年率+16%、2017年2.6B$の市場が見込まれている。MEMSプロジェクタは引き続き伸びが期待できる。特にピコプロジェクタは携帯電話への採用が増大の見通しでプロジェクタ全体の伸びに寄与するであろう。他に光通信や自動焦点レンズの分野でも高い伸びが期待される。
 他にRF-MEMSやMEMS発振器も今後の伸びが期待できる。

2012年6月8日金曜日

2011年自動車用MEMS、Boschが首位キープ(iSuppli)

海外産業動向
http://www.digitimes.com/news/a20120607PR200.html
2011年の自動車用MEMSのサプライヤはBoschが首位をキープした。(iSuppli)
BoschのMEMS全体売上高は2010年524M$から2011年は625M$へ19%増大した。自動車用MEMSに関しては14%増であった。
自動車用MEMSNo.2のDensoは前年比9%増の286M$であった。自動車用MEMSでこれに続くのが、Panasonic、Freescale、Sensata、AnalogDevices、Infineon、VTI、GEsensing、Delphiであり、Top10で全体の91%を占めた。
 2011年の自動車用MEMS全体市場は2.24B$で前年度比14%増で東日本大震災やタイ洪水の影響からの回復が見られた。
Boschの成功要因はドイツ国内マーケットを抑えていることと中国市場におけるエアバッグ用MEMSを抑えたことも寄与している。
 Densoは日本市場におけるトップ企業である。特にトヨタが使用するMEMSの半分はDensoからである。中でもベンチレーションシステム用MEMS、サイドエアバッグ、油圧用MEMSが特に強い。
 自動車用MEMSNo.3のパナソニックの2011年は前年比12%増の202M$であった。パナソニックの売り上げの大半は自動車用ジャイロセンサである。上位2社は自動車用全体に対応しているのに対し、1品に集中しているのが特徴である。カーナビゲーション用ジャイロでは断トツの1位でESC用ジャイロでも1位のBoschをおびやかす位置につけている。

2012年6月7日木曜日

MEMS3軸加速度センサー、消費電流1/5に抑える(米ADI)

20120607電波新聞3面 消費電流を2マイクロAと従来比5分の一に抑えたMEMS3軸加速度センサーを米アナログ・デバイセズ社が発売する。重力や傾き、生体の動き、100ヘルツ以下の低周波振動を検知する。ウエイクアップモード(データ出力せずデータサンプリングのみ)では300nA、スリープ時は10nAとし、数年から10年程度の長期間に電池駆動で常時計測する用途を目指している。ユーザーが設定した閾値に対してのみホスト側に割り込みを発生させる機能があり、モーションスイッチとして利用できる。温度センサーを内蔵し、128個の加速度・温度データを保持するデータバッファーを備えている。

2012年6月5日火曜日

2011年MEMSファンドリー世界Top20企業 by Yole

海外産業動向
http://www.i-micronews.com/upload/pdf/IR_avril2012.pdf
 MEMSファンドリーの売上げは、モバイル機器の増大の恩恵を被ったデバイス市場のようには伸びなかった。
ファンドリー全体の売り上げは600M$で前年比5%増であった。
 MEMSファンドリーで最も伸び率が高かったのはソニーである。前年比145%増の49M$を達成した。
ソニーはKnowles社のMEMSマイクを請け負っており、この伸びが貢献した。
 次に伸びが大きかったのはSilexで前年比27%増の47M$であった。MEMSファンドリー専業としては最も大きな企業となる。SilexはTSV技術を得意としており、TSVへのニーズが多かったようである。
 Tekedyne DALSAは23%増の37M$とSilexに近い。DALSAは他のファンドリーと1線を画しており、委託先の将来性を評価して、優良顧客を選択して請け負っている。Top20企業の半数は伸びず、下位企業では減収のところも多い。これはモバイル機器用で伸びた分を、MEMSの大手垂直統合型企業が獲得したからである。
 Silexの好調さを分析すると、プロセスの標準化(ブロック化)があげられる。これによってデバイス試作のスピードアップを図っている。新規デバイスであっても60~80%は標準プロセスを使う。最近のMEMSの勝負のポイントは以下に早く市場に出すかで決まるので、ユーザはスピードを望んでいる。さらにSilexでは積層化集積型センサのプロセスに強みを持つ。集積型磁気センサは大きなニーズがあるが、ユーザは開発段階からSilexに委託している。