2013年9月27日金曜日

室内の微生物料、最短10分で計測(シャープ)

20130927日経産業新聞10面

 空気中にある細菌やカビなど微生物の量を短時間で計測できるセンサーをシャープが発売する。従来は計測に数日から1週間かかっていたが最短10分で計測できる。微生物を抽出した後に特定の光波長を照射し、微生物料を計測する。装置の周辺にある0.5~10マイクロメートル程度の微生物の量を検出できる。

有機半導体を微細加工、露光技術など開発(富士フィルム)

20130927日経産業新聞」9面

 富士フィルムは非フッ素系フォトレジストと露光技術で、有機半導体の線幅を0.5マイクロメートルまで細くできる微細加工技術を開発した。欧州の半導体研究機関IMECとの共同研究。半導体製造で一般的な波長365ナノメートルのi線と呼ばれる光を利用できる。有機半導体は柔らかい樹脂基板を使い、印刷技術で作れるが、印刷では1マイクロメートル以下の回路作成が困難。高精細の有機ELテレビ向けにフォトレジストギジュによる加工の研究が進んでいる。

2013年9月25日水曜日

印刷技術で電子素子、カーボンナノチューブ使用、高速動画再生可能に(NEC)

20130925日経産業新聞6面

 NECはインクジェット方式の印刷技術により、高速動画の再生を可能にする電子素子を開発した。銀粒子やナノチューブが溶けたインクとインクジェット方式の印刷技術によりトランジスタを作り、500キロヘルツの周波数で電流を制御できることを確認した。技術研究組合・単層CNT融合新素材研究開発機構との共同成果。今後は透明プラスチック基板上に作り、柔らかいディスプレー開発を目指す。

2013年9月19日木曜日

MEMSジャイロセンサー、光学手振れ補正機能に最適化(STマイクロ)

20130919電波新聞3面

 STマイクロエレクトロニクスはスマートフォンやデジカメの光学手振れ補正用MEMSジャイロセンサーを発表した。信頼性確保のためセンシング・マスの共振周波数を約20キロヘルツとし、超音波洗浄装置によるダメージへの耐性を高めている。検出範囲は±65~130dps、温度センサー、ローパス/ハイパスフィルターを内蔵している。

数千倍の感度で細胞選別(古河電気工業)

20130919日経産業新聞12面

 古河電気工業は従来の数千倍以上の感度で細胞を選別できる装置を開発した。解析したい細胞を含む溶液を、大きさが10マイクロメートルと30マイクロメートルの2種類のくぼみが多数ある板にたらし、くぼみに落ちた細胞の透過光を解析して、目的の細胞を90%以上の確率で回収する。

非接触センサー、磁場で距離、バネで伸縮検知(テキサス・インスツルメンツ)

20130919日経産業新聞7面

 テキサス・インスツルメンツはコイルとバネを使い、電気を通す導体に対応する非接触新型センサーを発売する。磁場の変化を利用して物体との距離を、バネを使い物体の伸縮や屈曲なども検知できる。ステンレスなどの金属板にセンサーを使った場合、板とセンサーの距離のほか、複数のセンサーを使えば傾きなどをミクロン単位で高精度で検知できる。物体の形状や回転なども検出できる。バネを使えば種類の異なる金属から特定の物体だけを検出できる。抵抗や圧力、超音波や光などを使ったセンサーの代替として使用できる。

2013年9月18日水曜日

光学顕微鏡性能10倍、ナノチューブ活用、乾かさず細胞解析(日立)

20130918日経産業新聞7面

 日立製作所はカーボンナノチューブを部品に使い、近接場光による光学顕微鏡で観察できる性能を10倍に高めた。これまでの同製品の性能は分解能が30ナノメートルだったが、先端部が4ナノメートルのカーボンナノチューブから近接場光を出すことにより3ナノメートルに高めた。ナノレベルの観察装置には電子顕微鏡があるが、真空中に置くため細胞の観察には乾かす必要があった。光学顕微鏡では細胞を生きたまま観察でき、イラク品やバイオの研究に活用できる。

2013年9月13日金曜日

20130913日刊工業新聞19面:探訪先端研究、刺激応答性高分子、電力なしでゲル自立歩行、医療デバイスに応用へ

20130913日刊工業新聞19面

 芝浦工業大学工学部機械機能工学科前田信吾助教は、特定の刺激で膨張や収縮を繰り返す高分子を使い、医療やロボット分野への応用を目指している。「刺激応答性高分子」は温度や圧力など周りの環境に応じて形を変える性質を持つ。再生医療分野で細胞を増やすための培養皿にも、温度により性質が変わる刺激応答性高分子が使われており、薬物送達システム(DDS)やロボットのアクチュエーターへの応用も期待できる。前田助教は「ベローゾフ・ジャポンスキー(BZ)反応」で動く刺激応答性高分子に着目し、高分子をスポンジ状にするなど構造的工夫で変形量を10倍とすることに成功した。現在は自律的に動くゲルを応用し、ポンプとして埋め込み、流路内に液体の流れを作るチップを開発している。チップは縦横1㎝、厚さ2㎜で、チップの中に薬を入れ、内視鏡で胃に設置し、決まった時刻に薬物が胃に送り込むことを想定している。

ロータリーセンサー、非接触で角度検出し長寿命化(アルプス電気)

20130913日刊工業新聞9面

 磁気素子により非接触で角度を検出できるロータリーセンサーをアルプス電気が量産を開始した。産業機器の操作用ペダル向けに開発したもので、摩擦が発生しないため1000万サイクルと長寿命を実現した。

2013年9月11日水曜日

体に貼れるモーションセンサー(ゼットエムピー)

20130911日刊工業新聞7面

 体に貼れるシートタイプの6軸モーションセンサー(MEMSによる3軸加速度センサーと3軸ジャイロセンサーを搭載)をゼットエムピー(東京)が発売した。USBでパソコンに接続できる。

MEMS受託製造メムス・コア、装置内製で競争力発揮、日立OB、東北大と組む

20130911日経産業新聞17面

 仙台市にメムス・コアというMEMSに特化したファウンドリー(受託製造会社)がある。2001年創業の同社はMEMSの試作開発から初期量産までを受託する。MEMSでは用途・目的に合わせてプロセスから考える必要があり、センスが問われ、ノウハウが必要。同社は6インチウェハー対応の半導体製造ラインを有しているが、MEMS特有の装置は内製という特徴を持つ。創業から10年を経て150社以上から開発を受託してきており、昨年度は単年度黒字を達成した。

2013年9月6日金曜日

高精細技術で医療に貢献(オプトニクス精密)

20130906日刊工業新聞26面

 オプトニクス精密はフォトエレクトロフォーミング技術(フォトリソグラフィーと電気鋳造を組み合わせた)を活用して微細な穴を開けたフィルターを開発している。穴の直径が8マイクロメートルで誤差は0.3マイクロメートル以内、開孔率が40%以上のフィルターを開発。インクジェットプリンターのインクフィルター、白血球の除去療法向けフィルター、粉体工業向けの高精度なふるいへの適用を見込んでいる。

2013年9月4日水曜日

電流センサー小型化、エネ管理向け(アルプス・グリーンデバイス)

20130904日経産業新聞1面

 アルプス・グリーンデバイスはHEMSやBEMSの電力管理に使う小型軽量の電流センサーを開発した。記憶装置向けの磁気ヘッドに使うGMS(巨大磁気抵抗)素子を使い、U字の溝に電線を通すだけで電流の強さを測定できる。小型化により分電盤やブレーカー内部に組み込みやすく、設置済みの分電盤にも後から取り付けられる。