2014年1月31日金曜日

赤外線カメラ、製造コスト1/100、東大などが新技術

20140131日経産業新聞15面

 東京大学の下山勲教授らは赤外線カメラの素子をシリコン材料を使って低コストで製造する技術を開発した。シリコン基板に有機材料をふりかけ、その上に金の薄膜を塗布するという方法で、従来法と比べて100分の1以下の製造コスト。赤外線カメラは高感度になると高価な製造装置が必要だったが、本製造技術により低コスト化が期待される。

着るだけで心拍数測定、ウエアラブル端末向け機能素材(東レ・NTT)

20140131日刊工業新聞19面

 東レとNTTは、ナノファイバ生地に高導電性樹脂を特殊コーティングし、耐久性に優れ、心拍数・心電波形などの生体信号を検出する機能素材「hitoe(ヒトエ)」と、ウエアに一体化された配線を通じて小型専用端末からリアルタイムでスマホなどへ無線で転送して連続測定するシステムを開発した。生体情報測定用ウエアとして活用し、スポーツ・健康増進分野などへの展開を行う。

2014年1月30日木曜日

静電容量型高精度MEMS気圧センサー、消費電流、従来の1/4(村田製作所)

20140130電波新聞4面

 村田製作所は静電容量型高精度MEMS気圧センサーを、ナビゲーションシステム、活動モニタリングシステム、ヘルスケア機器、気象データ収集向けに開発した。海抜60m地点で57センチメーターの段差がある階段を検出できる。

2014年1月29日水曜日

圧電MEMS部品の製造、大口径ウエハーで安く(産総研と大日本印刷)

20140129日経産業新聞6面

 産総研は大日本印刷と共同で、圧電薄膜であるチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O2,PZT)薄膜を用いた圧電MEMSデバイスの200mmウエハープロセス技術を開発した。PZT薄膜を用いた圧電MEMSデバイスはインクジェットヘッド、ジャイロセンサーを中心に100mm、150mmウエハープロセスで製造しているが、200mmウエハーでのPZT膜形成により低コスト化に寄与する。

2014年1月27日月曜日

小型圧力センサー、わずかな上下動検知、ヘルスケアー機器・防犯向け(セイコーインスツル)

20140127日経産業新聞4面

 セイコーインスツル(SII)はMEMS技術によりわずかな変化も検知できる圧力センサーを開発した。他社の検出精度は1~2パスカル程度が中心だが、同社製品は0.2パスカル程度のまずかな変化まで検知できる。数センチメートルの上下動の検知ができ、階段昇降の消費カロリー計測ヘルスケア機器などへの応用を目指す。部屋のドア開閉を圧力変化で読み取れるので盗難防止や侵入者検知にも活用できる。SIIはセンサーとその信号を取り出して利用するためのモジュールも提供する。

2014年1月24日金曜日

温度・湿度・圧力を感知、車向け技術を活用、年内量産(独ボッシュ)

20140124日経産業新聞4面

 ドイツ・ボッシュは主力の自動車部品産業から派生したセンサー技術を活用し、スマホや家庭用機器に使う高性能センサーに乗り出す。1つのセンサーで温度と湿度、圧力を検知するセンサーで2.5ミリメートル角。

脈や体温、服の上から感知、システム試作(東洋インキ)

20140124日刊工業新聞17面

 東洋インキSCホールディングスはセンサーフィルムを使って脈拍や体温などを計測するシステムを試作した。センサーフィルムは表面を絶縁性シートで被い、中に導電性シートを挟んでいて、心電図や呼吸、体の動きを検知でき、手で触れたり近づけると感知するタッチセンサーにもなる。自動車のハンドルに組み込むと心電図から運転手の眠気や緊張などを推測できる。ベッドに組み込むと医療機関や在宅医療での需要が見込める。

2014年1月23日木曜日

9軸の動きセンサー、傾きや回転度合検出、携帯機器向け(STマイクロ)

20140123日経産業新聞7面

 スイスのSTマイクロエレクトロニクスは、3軸の加速度、3軸のジャイロ、3軸の地磁気の各センサーを一体化した9軸センサーを開発した。スマートフォン、ウエアラブル端末、テレビリモコン用途を目指している。各センサーを個別に電源オフする事で、従来品に比べて消費電力を20%削減でき、1000個購入時の単かは2.7ドル。

2014年1月17日金曜日

超小型の透析装置開発、体内埋め込み視野((慶応大、東京医科歯科大)

20140117日刊工業新聞1面

 慶應義塾大学の三木則尚准教授と東京医科大学の菅野義彦主任教授らは500円玉程度の大きさの小型人工透析システムを開発した。システムは1辺24ミリメートル、高さ4ミリメートルで、高分子膜とマイクロ流路が交互に複数枚、積層されている。これを一辺48ミリメートルの立方体にすると透析機能を持つ。マイクロ流路は厚さ0.2mmのチタン板を型抜きし、流路幅は最大2mm。流路はポリエステールスルホン(PES)膜で血液が流れる層と透析液が流れる層に区切られ、血液を流すと膜がフィルターとなり、血液中の老廃物が透析液へ移動する。体内埋め込みを視野に、現在はラットを使った動物実験を進めており、10~20年後の製品化を目指す。