2013年8月30日金曜日

PM2.5も逃がさない、微細な穴多数の薄膜部品、電磁波を照射し検出(村田製作所)

20130830日経産業新聞4面

 1マイクロメーターの微細な穴を多数あけ、直径2.5マイクロメートル以下の粒子状物質(PM2.5)などを簡単に検出できる薄膜部品を村田製作所が開発した。電磁波を照射して微細物質が網に引っ掛かっていないか検査する。屋外で大気汚染状況を調べるといった使い方を想定。微量な花粉やほこり、粉体に加え、インクジェット吐出液の検出、フィルムや薄膜の厚みの計測もできる。特殊な吸着剤を使えば、たんぱく質など特定の分子結合の検出にも使える。

2013年8月15日木曜日

飲み込んで大腸検査、国内初の承認取得、年内にもカプセル内視鏡(ギブン・イメージング)

20130815日経産業新聞5面

 イスラエルの医療機器メーカー、ギブン・イメージは大腸用のカプセル内視鏡が厚生労働省から承認されたため年内にも国内販売をする。「ピルカム コロン2」は長さ31ミリメートルで、カプセル両側に発光ダイオード(LED)とCCDがついており、消化運動にあわせて大腸内を移動しながら、内壁の画像を1秒間に4枚あるいは35枚撮影する。撮影した画像は無線で体外に付けた小型のレシーバーに蓄積し診断に利用される。

2013年8月14日水曜日

HEMS/BEMS市場向け、センサーや無線モジュール提案に力(アルプス電気)

20130814電波新聞3面

 アルプス電気はHEMS/BEMS市場向けにセンサーや無線モジュールの提案を強化する。このうち発電入力&センサーデバイスは、電磁誘導式で発電量140µJ以上をアック帆できる高性能タイプを開発中で、1回の操作で電波送信に十分な電力を発生する。

2013年8月13日火曜日

世界最小の慣性計測ユニット(セイコーエプソン)

20130813電波新聞3面

 セイコーエプソンは世界最小の慣性計測ユニット(IMU)となる「Vシリーズ」を開発した。カメラ・アンテナの安定化システムの制振制御、産業機器の振動・姿勢の計測・制御、医療・リハビリ分野における人体モーション検知に用いる。10x12x4ミリメートルのサイズ、重さ1グラム、消費電流18mAでQMEMSジャイロセンサーを搭載し、高性能も同時に実現した。

2013年8月5日月曜日

インフラ監視センサー、揺れで発電、能力16倍(旭硝子、オムロン、東京大学)

20130805日経産業新聞1面

 トンネルなどのインフラに取り付け、長期間にわたり電源なしで揺れを検知して監視できるセンサーを、旭硝子、オムロン、東京大学が開発した。センサーは3センチメートルの立方体で、トンネル天井、橋、線路などに取り付け、揺れを監視し、異常を検知して補修などの対応に結びつける。組み込んだエレクトレット振動発電機は、電荷を帯びた2センチメートル四方の「エレクトレット」が揺れるとつないだ電線に交流が発生し発電する。発電能力は約50マイクロワット。旭硝子が電荷がたまりやすいフッ素樹脂を開発し、東大の鈴木雄二教授が基礎研究を、オムロンがセンサーを設計した。自動車タイヤの内側に組み込めば揺れのデータ収集が可能、持ち運び型の心拍数計測器などにも取り替え不要の電源となる。

2013年8月1日木曜日

ジャイロセンサー、振動に強く省電力(アルプス電気)

20130801日経産業新聞7面

 アルプス電気は外部からの振動に強く、消費電力も低減できる新たなジャイロセンサーの開発にめどを付けた。ジャイロセンサーの核となるのは「振動材」と呼ぶセンサー素子で、現在主流のクシ歯構造振動材の振動周期は音声や自動車振動に近い20-30キロヘルツのため外部からの振動を受けやすく、精度向上が難しかった。アルプス電気はMEMS加工で円盤型のセンサー素子を採用し、振動周波数を10メガヘルツに高めて周囲の影響を受けにくくした。振動材の振れ幅もクシ歯型の10分の1で消費電力を低減した。同社は米ベンチャー企業クォルトレ(マサチューセッツ州)に300万ドルを出資し、共同開発を進めてきた。2014年から販売を開始する。

パラジウム-コバルト酸化物、磁場で電気抵抗変化、新磁気センサー開発に道(京大)

20130801日刊工業新聞19面

 磁性元素を使わない新たな磁気センサー開発につながるメカニズムを京都大学大学院理学研究科の米沢信吾助教と前野悦照教授らのグループが発見した。非磁性パラジウム-コバルト酸化物(PdCoO2)の単結晶を作成して温度がマイナス271度、磁場が14テスラの条件下で大きな磁気抵抗効果が起きることがわかった。室温でも磁気抵抗効果を確認した。