2013年4月24日水曜日

MEMSが可能にするエネルギーハーベスティング(DigiTimes社によるMIG会長へのインタビューより)

http://www.digitimes.com/news/a20130422PD217.html
 DigiTimes社は、省エネ型アプリケーションへのMEMS使用について、MEMS Industry Group (MIG)会長Karen Lightmanにインタビューを行った。

Q:エネルギー・アプリケーションでMEMSを使おうとする機会/挑戦は何か?
A:MEMSは石炭や原子力などのエネルギーを代替するのに十分な力を単独でつくることはできないが、エネルギーのスマート化を可能にする。MEMSはすでにエネルギー資源の検知を可能にしている。たとえば、ヒューレット・パッカード社のCentral Nervous System for the Earth (CeNSE)は高度なインテリジェントネットワークが挙げられる。これは世界で何が起きているかを五感で感じる何十億ものナノスケールセンサからなる。エネルギーハーベスティングは、MEMSの大きな機会のひとつである。MEMSベースのエネルギーハーベスターは、低パワー用途においてバッテリーに置き換えられる。MEMSは堅牢かつ低コストのため非常に魅力的である。TPMS(タイヤ圧監視システム)は、MEMSエネルギーハーベスターの最初の市販アプリケーションのひとつである。また、ペースメーカーも用途のひとつである。心臓の動きを発電に使うことができる。ペースメーカーのバッテリーはわずか10年しかもたず、高齢の患者に(電池交換の)手術は大きな危険をともなう。エネルギーハーベスターは無期限に使用することができ、非常に有利である。MEMSエネルギーハーベスターはまた、携帯端末で使われる。

Q:携帯端末のアプリケーションの詳細は何か?
A:MEMSエネルギーハーベスターでバッテリーを補完する。バッテリーサイズを抑える要求に応えることができる。携帯端末メーカーはすでに低消費電力化のためにMEMS技術を使用しているが、これはハードウェアではなくソフトウェアによる革新である。

Q:TPMSの次の市販アプリケーションは何か?近い将来MEMSエネルギーハーベスティングのためにロードマップを示す研究はあるか?
A:何が次に来るかを予測するのは難しい。ひとつはアスリートが着用するハイテクTシャツに縫い込まれた心拍数センサを動かす圧電発電器かもしれない。もう一つの可能性は、ペースメーカー用圧電型エネルギーハーベスターである。

Q:MEMSエネルギーハーベスター製品を開発した会社の例は?
A:SiargoはMEMS流量計を提供している。Analytical Pixels Technologyはナノ・センサー・ベースのガスクロマトグラフィー・システムでMEMSを使っている。家電用ポータブル電源のLiliputian Systemsは、リチウム電池に代わるMEMSの製作方法を導入したソリューションを開発している。

Q:MEMSはエネルギーハーベスティングの将来に、どのような好影響をもたらすか?
A:人々は2005年の時点では2015年までには至る所にエネルギーハーベスティングが使われるようになると予想していたが、まだ大きな希望を持っている。エネルギーハーベスティングは技術パッケージの一部である。生み出されるエネルギーは、そのサイズ/スケールと比例する。他のセンサと相互作用しているセンサシステムの一部としてMEMSを考える時、本当の機会がある。MEMSはスマートメーターなど、システムのより適切な資源配分を可能にする。そして、MEMSはエネルギー資源の探索に重要な役割を果たす。
(調査研究・標準部 出井敏夫)

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