2013年4月3日水曜日

取り込んだ薬物を光照射で放出、DDSに応用、ナノカプセル開発(北海道大学)

20130403日刊工業新聞19面

 光を当てると中に取り込んだ薬物を放出するナノカプセルを北海道大学の新倉謙一准教授らが開発した。薬を患部の狙ったところに運ぶ薬物送達システムへの応用をめざし、企業との共同研究を進めて、2~3年で材料として提供できるレベルの技術確立を目指す。テトラヒドロフラン溶液に、直径5~20ナノメートルの金ナノ粒子にフッ素化されたポリエチレングリコールを被覆すると、金ナノ粒子が自動で集まり中空のカプセルができる。このカプセルの表面を水に溶ける性質の分子で覆うと、水に分散する外径100ナノメートル、内径50~60ナノメートルのカプセルができる。62.5℃にするとカプセルが少し開き薬物を導入でき、25℃で15時間精製した後は壊れない。カプセルに532ナノメートルのレーザーを当てると中の薬剤が放出される。抗がん剤を入れたカプセルをがん細胞に投与し光を当てて細胞を死滅させることができる。

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