2011年8月24日水曜日

クールデバイスの実力(下)永久稼働へ「電源なし」追求、振動や熱、圧力で発電

20110824日経産業新聞1
 東日本高速道路の子会社のネクスコ東日本エンジニアリングはオムロンと共に、振動発電素子を開発し、高速道路に一定間隔でこの発電部品を組み込んだシステムを設置することを目指している。発電部品は電極基盤を2枚対にして仕込み、振動により生じた基盤のズレで静電気を発生させ電気を取り出す。現在のところ発電能力は最大で30マイクロワットで、常時100マイクロワットを目指す。システムは地震の揺れや振動情報を蓄積し、無線で送信し、高架橋や道路の傷み具合を割り出す計画だ。
 村田製作所は温度差で発電する部品の開発に取り組んでいる。ボイラーに部品の片方を取り付け、もう片方を空気にさらして発電する。10度の差で100マイクロワットの発電が可能。工場内の環境監視センサーの電源として需要を見込んでいる。
 エネルギーハーベスティングコンソーシアムはNTTデータ経営研究所が立ち上げた団体で加盟社数は50社を超えそう。電子部品メーカーをはじめ自動車メーカー系研究機関が加わっている。各社は共同で発電部品を活用した車内配線の無線化を目指している。高級車では150以上のセンサーを搭載し、電源ケーブルは長さが1㎞にも達するが、発電部品により自力で電力を賄えればこのケーブルが不要となる。
 「電気を使わない技術」はさらに次の「使う電気は自分で作る技術」に、「永久稼働」の新製品に向かっている。

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