20140629日本経済新聞19面
半導体技術が医療を変えようとしている。わずかな電気信号の変化から病気の原因物質を捉える研究、体に貼ったチップで日々の健康状態をチェックする構想が進んでいる。豊橋技術科学大学の沢田和明教授は半導体センサーを使って、簡単に自宅で血液からアルツハイマー病の原因物質を検出できる技術を開発している。早稲田大学の逢坂哲哉教授らも半導体センサーを使って同様な検知やインフルエンザの検知を研究している。酸性・アルカリ性を示す水素イオン濃度(PH)を測るセンサーも開発し、歯に貼って虫歯の治療に生かす計画もある。皮膚に半導体を貼り、無線装置との組み合わせで、血圧や脈拍、血糖値などのデータをスマホに送信すれば、インターネットを通じて病院に送り主治医の指示を仰げる。医療機関の期待は高いが、実用化には血液の成分を流れやすくするほか、病気の原因物質と結びつきやすい抗体の開発が必要である。
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