20140612日刊工業新聞19面
既存の水晶発振器に匹敵する精度のシリコン半導体発振器を東芝が開発した。水晶発振器に比べて約3分の一の小型化が見込め、他の部品との一体集積化が可能となる。開発したのは既存の半導体プロセスで作れるCMOS半導体発振器で、温度による周波数特性変動に対応するため、出荷時に素子の温度をテストするためのオンチップヒーター、温度計、周波数特性を補正するためのそれぞれの回路を構成した。温度領域毎に細かく特性を補正する事で水晶発振器並みの100ppm以下の周波数精度を持ち、2メガから40メガヘルツの周波数領域に対応し、40ヘルツ刻みで周波数を設定できる。現在発振機市場は年3400億円規模で水晶発振器が90%以上を占める。水晶発振器は水晶の物理的な大きさで発信朱端数が決まり、5立方ミリメートル程度が小型化の限界とされている。MEMS発振器やセラミック発振器も小型化の要求を満たしきれていない。CMOS発振器は1平方ミリメートル以下の小型化が見込める。
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