20130913日刊工業新聞19面
芝浦工業大学工学部機械機能工学科前田信吾助教は、特定の刺激で膨張や収縮を繰り返す高分子を使い、医療やロボット分野への応用を目指している。「刺激応答性高分子」は温度や圧力など周りの環境に応じて形を変える性質を持つ。再生医療分野で細胞を増やすための培養皿にも、温度により性質が変わる刺激応答性高分子が使われており、薬物送達システム(DDS)やロボットのアクチュエーターへの応用も期待できる。前田助教は「ベローゾフ・ジャポンスキー(BZ)反応」で動く刺激応答性高分子に着目し、高分子をスポンジ状にするなど構造的工夫で変形量を10倍とすることに成功した。現在は自律的に動くゲルを応用し、ポンプとして埋め込み、流路内に液体の流れを作るチップを開発している。チップは縦横1㎝、厚さ2㎜で、チップの中に薬を入れ、内視鏡で胃に設置し、決まった時刻に薬物が胃に送り込むことを想定している。
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