2011年5月23日月曜日

表面形状自在に変わるフィルム、微細加工簡単に(関西大学)

20110523 日刊工業新聞 24

 マイクロデバイスの分野で簡単な微細加工法として期待できそうなフィルムを、関西大学の宮田隆志教授らが開発した。シリコーン系のポリマーフィルムにフォトマスクを通して紫外線を当てると、当たった部分の体積が減少し凹みができる。
 応用例として、凹凸状のフィルム表面にたんぱく質を吸着させ、シリコンウエハに押し付けることにより、たんぱく質分子を基板上に狙い通りのパターンで並べることができた。ハンコのようにタンパク質分子を転写することができた。

2011年5月20日金曜日

2010年MEMSデバイス売上世界Top30 by Yole Development

海外産業動向
http://www.electroiq.com/index/display/nanotech-article-display/4024818780/articles/small-times/nanotechmems/mems/industry-news/2011/4/top-4_mems_suppliers.html  
 Yoleは2010年MEMSデバイス売上世界Top30を発表した。全体で前年比25%増。Top4企業(TI、HP、Bosch、ST)の伸びが大きく売上は全体の1/3を占める。
トップはTIでDLPが好調で前年比25%増。STは前年比63%増でモバイル用MEMSセンサが大幅増。Boschも自動車、モバイルが伸び前年比46%増。
 日本勢では旭化成マイクロエレクトロニクスが電子コンパスでいきなりTop30入り(12位)したのが注目される。またソニーもモーションセンサで初のTop30入りを果たした。


©Yole Development

Point of Care(POT)診断用マイクロデバイス開発動向 by IBM、ローザンヌ工科大学

海外技術動向
http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=21383.php
 Point of Care(POT)は患者のすぐ横で検査結果を出すことで、近年そのニーズが高まっている。
IBMとスイスイス連邦工科大学ローザンヌの研究者は、POT用の免疫診断チェッカーの開発見通しを述べた。要望として患者の負担を少なくするために体液のサンプリング量を少なくする。一度に多くの成分を検出する。例えばわずかな血液中(1μl)のプロテインを即時に計測できるようにすることが求められている。ここではマイクロフルイディクス技術が用いられており、上記要望が実現されつつある。
狙いのPOC用マイクロヘルスチェッカー (Source : Advanced Material ©2010 IBM Corporation)
わずか1マイクロリットルのサンプル(血液等)に含まれる複数のフェムトモルの対象成分を1分で検出する。紫色のパーツは、マイクロフルイディクスとセンシング部で使い捨てになる。全体のコストを$1を目指す。

2011年5月13日金曜日

STMicrolectronics社:音響特性、耐ノイズ性を向上させたMEMSマイクロフォン開発

海外技術動向
http://www.azonano.com/news.aspx?newsID=22398
 STMicroelectronics(ST)は2種類のデジタルMEMSマイクロフォンを開発した。これらのマイクはすぐれた音響性能、耐ノイズ性、堅牢性と低価格を兼ね備え、モバイル機器に適している。iSuppli社によると民生機器用MEMSの売上は2014年まで年率24%の伸びを示し、MEMSマイクは伸びが著しいデバイスの一つと予想されている。STのMEMSマイクは、オムロンと共同で開発されたもので信頼性が高い。ノイズ源となる外部振動、温度変化、電磁波があっても正確に音響を再現する。低消費電力制御回路が組込まれているのでバッテリーの寿命を延ばす。一つの素子に複数個のマイクを備えノイズ成分やエコーのキャンセリング機能も持つ。高温耐性があるためにリフローはんだ工程も可能である。パッケージサイズは3x4x1mmと薄く、携帯電話に適している。さらにノイズ性能を抑えた機種はPCやタブレットに適する。

Yole:2016年に向けたMEMS市場、企業動向見通し

海外産業動向
http://www.ecnmag.com/News/Feeds/2011/05/applications-medical-electronics-mems-market-outlook-yole-d%C3%A9veloppement-ups-its-fo/
 2010年MEMS市場は前年度比二桁伸びで約8000億円強と急速に回復した。これは自動車市場の回復、スマートフォン、タブレットの爆発的ブームによるところが大きい。デバイスとしては民生用光MEMS、モーション系センサ、RF-MEMSの伸びが著しい。今後の市場予測だが2016年には約1.8兆円に伸びる見通しである。この成長の内訳は民生電子機器用が8割、自動車が2割である。 
 企業動向の予測だが、ビジネスモデルが変化していくことが予測される。ボリュームゾーンと言われている民生機器用に現在は多数の企業がひしめき合っているが、膨大な数量増加に対応できるのは数社と考えられる。技術動向として例えばスマートフォンには加速度、ジャイロ、電子コンパスの3個のセンサが必ず搭載されるようになったが、将来は一つのパッケージに集積化できた企業が生き残るであろう。その点STMicroが優位と考えられる。技術開発戦略だけではなく、例えば加速度センサのメーカが電子コンパスのメーカを買収するといった事業化加速のための再編も起こるであろう。
 

2011年5月6日金曜日

STMicroelectronics:小型高精度ナビゲーションセンサ開発

2011.5 海外産業動向
http://www.i-micronews.com/lectureArticle.asp?id=6875
 STMicroelectronicsは、正確に位置を示す小型高精度ナビゲーションセンサを開発した。これによると自分が建物のどの位置(何階)にいるのか、どちらを向いているのか等をGPSの届かない建物の中でも正確に知ることができる。このナビゲーションセンサは、STが開発した圧力センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサから成り、10軸の動きを捉える。各センサの出力信号を新規に開発したソフトウェアが計算して動きを割り出す。今後スマートフォン搭載に向けて評価のためのサンプル出荷を行う。価格は10万個購入時、$5.9の予定である。

ナノアンテナを用いた赤外光太陽電池 by Rice 大学

2011.5 海外技術動向
http://www.solarnovus.com/index.php?option=com_content&view=article&id=2763:nanoantennas-hold-promise-for-infrared-photovoltaics&catid=52:applications-tech-research&Itemid=247
 Rice 大学は赤外光を電気に変換するナノアンテナを開発した。太陽光は紫外、可視、近赤外、赤外光を含む広い波長からなる光である。通常のシリコンの太陽電池は光エネルギーで励起された電子を収集するタイプで、紫外から近赤外までを電気に変換することができるが、赤外光は吸収されないのでエネルギーロスとして捨てられていた。そこでRice大学は電波をアンテナで捉えるのと同様にナノアンテナで赤外光を捉えることに成功した。
 ナノアンテナは厚さ30nmの金のナノロッドから成り、赤外光を受けると金属中の電子と光が相互作用を起こして(表面プラズモン共鳴)ホットエレクトロンが発生し、それをSi基板側で収集しようとするものである。これをシリコン太陽電池に組込むことによって、太陽光の全波長範囲を捉える高効率な太陽電池ができる可能性がある。