2011年1月7日金曜日

ハンカチが太陽電池に、電気通す布(産総研、古川電工)

20110107 日経産業新聞夕刊1
 導電性の素材を表面に薄く塗布した糸を織り上げて布とし、微弱な電流を流すと全体がセンサーになる新タイプの布を産業技術総合研究所と古川電気工業、東芝機械などが開発した。シーツに応用すれば寝ている人の位置や様子を感知でき、衣類に応用すればハンカチや洋服の一部が携帯端末の操作ボタンや太陽電池になる。独自の微細加工装置を使い直径0.5㎜の一般的なナイロン糸の表面に導電性の汎用素材と電気を通さないフッ素樹脂を塗布し、電気を通す糸を作った。この糸から1mx3mの布を織り上げた。布に電気を通して手で触れると、手と糸の間の電気量が変化し、触れた位置と力が感知できた。

低炭素社会に貢献する多機能MEMSセンサーモジュール

20110107 電波新聞 31
 オムロンではSSM(Smart Sensing Module)と呼ぶ、センサー・制御・電源・通信の機能を集積化した多機能モジュールを開発中であり、SSMを使用した空調エネルギー最適化システムの実証実験を同社のクリーンルームで行っている。温度、湿度、電流、風速などをリアルタイムでモニターし、最大の省エネ効果を見出すことを目的としている。この中で使われているのがMEMSフローセンサーとMEMSサーマルセンサーである。フローセンサーは熱エネルギー分布の流速による変化を捉える熱式フローセンサーで1.5㎜四方に集積した。サーマルセンサーはベーゼック効果によるサーモパイル方式で赤外線エネルギーを温度に換算し、人を検知している。

オープン型水平分業、LSIとMEMSドッキング(東北大と14社)

20110107 日刊工業新聞 23
 文部科学省の「先端融合領域イノベーション創出拠点の育成」事業採択プロジェクトの一つである東北大学では、LSIMEMS融合プロセス技術について、14社の参加企業がMEMSを使った将来の主力製品を社外との水平分業による実現を目指して取り組んでいる。クローズ型の企業体質をオープン型に変える”場“の役割をプロジェクトは果たしている。水平連携の成果の一つとして、秘密保持のルールを守りながら同一のウエハー上に複数社のLSI試作を実現する「乗り合いウエハシステム」がある。

ナノ粒子、自在に張り付け、ペプチドで接着(東大・Siiなど)

20110107 日経産業新聞10面
 東京大学杉山正和准教授、東北大学梅津光央準教授とセイコーインスツル(Sii)のチームは、特定の物質とくっつくペプチド(タンパク質の短い断片)を接着剤に使い、ナノメートルサイズの超微細材料を張り合わせる技術を開発した。実験では数万種類のペプチドから酸化亜鉛にくっつくものを選び、蛍光物質であるカドミニウムセレンにペプチドを化学物質で付け、シリコン基板上の酸化亜鉛にペプチドを使って蛍光粒子をくっつけた。カドミニウムセレンをカーボンナノチューブに代えても接着でき、針の先につければ原子力間顕微鏡の部品として精度向上が期待できる。

2011年1月5日水曜日

電子産業の豆、MEMSが拓く新規産業

20110105 電波新聞 20面
 MEMS産業は我が国の有望な成長分野である。2010年はコンシューマーエレクトロニクス分野にMEMSが急速に拡大・浸透し、自動車用では過去最大となったが、一方では国際競争が激化してきた。
MEMSの市場規模は2015年で2兆4千億円と急成長が見込まれている。センサーMEMSを中心とした自動車用、情報通信用が7割を占めているが、今後は他分野の増加が見込まれる。
BEANSプロジェクトは、産学コンソーシアムを結成し、バイオ融合プロセス技術、三次元ナノ構造形成プロセス技術、マイクロナノ構造大面積・連続製造プロセス技術の開発を進めている。09年4月からは技術研究組合BEANS研究所が業務を継続している。
研究開発の国際競争激化に対応し、つくばナノテク拠点形成が推進されている。マイクロマシンセンターは拠点のコア領域の一つであるN-MEMS(ナノテクを含むMEMS)の拠点化を進めている。

進捗管理で企業流の開発(技術研究組合BEANS研究所)

20110105 日経産業新聞 7面
 BEANSプロジェクトは大学や研究所、企業など約30機関が参加するが、その研究開発には企業流の方式を取り入れている。進捗管理にガントチャートを使って定期的に確認し、論文発表より特許出願を優先する。その成果はプロジェクト期間の約半分経過した時点で特許約60件の出願に現れている。新たな市場でMEMSの需要を喚起すべく、プロジェクトへの参加企業は基盤技術を国プロで早急に固めたい。しかし、プロジェクト参加企業にとっては難度の高い技術に挑むのが意義としているが、NEDOの中間評価では成果の具体像が見えにくいとの指摘があり、研究体制と評価の両立が求められている。

2011年1月4日火曜日

MEMSを産業の豆に(技術研究組合BEANS研究所)

20110104 日経産業新聞 10面
 BEANS研究所はMEMSが体内や屋外でも使える研究に取り組んでいる。ナノテクノロジーとバイオテクノロジーを融合した新作業創出を目指している。米学術誌「セル」に掲載された東大生産技術研究所の竹内昌治准教授の成果は、蛾の性ホルモンを嗅ぎ取る細胞を生きたままセンサーに仕上げたもの。バイオ研究者とMEMS研究者の協力の賜物であり、生体材料の感度や精度の良さを生かした革新的MEMSを目指す。九州大学は太陽電池や液晶に需要が拡大している有機材料にMEMSとの融合を進めている。MEMSの制御技術により、表面に超微細なおわん型突起(ナノドット)が並んだ有機半導体を作っている。太陽電池に使うとエネルギー変換効率が大幅に上がる。