2010年12月6日月曜日

今年のMEMSセンサー出荷数、自動車向け6.6億個、最高に

20101206 日経産業新聞 4面
 2010年のMEMSセンサーの自動車用出荷数量が過去最高になるとの見通しを米アイサプライが発表した。自動車生産の回復と、1台当たりの搭載数が増えており、09年比32.1%増の6億6230万個。角度変化から自動車の横転や回転を検知するセンサーを使用するESC(横滑り防止装置)、圧力センサーを使用するタイヤ空気圧警報装置などが用途。EUではすべての新車にESCが義務化され、市場が拡大している。独ボッシュが先行するがエプソントヨコム等日本勢も参入している。

胆管作製技術を開発(東大、三菱化学メディエンス)

20101206 日経産業新聞 11面
 東京大学生産技術研究所の酒井康行教授、藤井輝夫教授らと三菱化学メディエンスのチームは、コラーゲンのゲルを使用してバラバラの肝臓細胞から胆管を作成する技術を開発した。作成した直線2㎜程度の胆管の中を消化液の胆汁が流れることを確認した。肝臓細胞を塊にして培養すると細胞の間に胆管ができることは知られていたが、方向がバラバラだったり途中で切れていたりした。「思い通りの方向に制御して人工的につくれた」のは初めてという。新薬開発で安全性を調べる動物実験の代替技術として実用化を目指す。

2010年12月3日金曜日

STMicroelectronics社:圧力センサを海抜高度測定へ応用

2010.12 海外技術動向
http://pr-usa.net/index.php?option=com_content&task=view&id=553215&Itemid=32
 海面からエベレスト山の頂上まで1m以下の精度で海抜高度が測定可能な絶対圧力センサがスマートフォンやその他の携帯機器に搭載されようとしている。STMicro社のLPS001WPは、新たな技術開発により超小型、超高精度で絶対圧力(海抜高度)が検出可能なため、スマートフォン、スポーツウォッチの他、車載気圧計、産業機器用途にも応用可能である。
 STMicroのVigna部長は次のように語った。「MEMS技術は圧力、角速度、方位等の物理量の検出を従来センサより低価格、高精度で実現してきた。しかし顧客ニーズに対していかに対応してきたかは、供給者側の創造力に制限されてきたところもある。」
 従来のGPSは2次元の位置情報しか得られなかったが、このセンサを用いることによって3次元での位置情報が得られる。例えばビル内で火事に合った時、自分が今どの高さにいるかを知って避難することができるし、救助隊員にとっても何階にいるかわかるので有用な情報となる。
 LPS001WPの絶対圧力検出範囲は300~1100ミリバールでこれは海面を基準にして
-750mから+9000mに相当する。新センサの製造はSTMicroのプロセス技術"VENSENS"が用いられており、ウェハtoウェハ接合で高い信頼性を実現している。
 素子の基本構造はピエゾ抵抗が形成されたSiダイアフラムを用い裏面空間をウェハ接合により閉じた構造から成る。温度補償回路を内蔵し、センサ出力は標準デジタル出力形式(12C)に準ずる。性能面での特徴を以下に示す。
・精度0.065mbar(80cmに相当)
・破壊耐圧はフルスケールの20倍
・温度補償回路内蔵
・絶対圧力校正済みで出荷
・標準パッケージ(HCGLA-8L)使用
・2010年12月から1000個注文時、$2.8で供給

スマートフォン用MEMSの動向

2010.12 海外産業動向
http://www.nawbo.biz/mems-mems-sensors-for-smartphones/
 携帯電話へのMEMSデバイスの搭載は2002年から始まり、SiマイクやFBAR RFフィルタが最初に搭載された。最近では加速度センサ(傾き検出)、CMOSイメージセンサが欠かせないものになっている。2010年はさらにMEMSの搭載が加速されようとする分岐点になっている。2009年の携帯電話用MEMS市場は$3.55Bに対し、2015年は$7.91Bに拡大する見通しである。なぜそのように成長するか、ここではその要因を探ってみる。
 2015年にはスマートフォンの占める割合が44%に達すると見込まれており、スマートフォンの機能向上にMEMSが寄与すると予測されている。GPS機能はすでに標準化されつつあるが、スマートフォンでは、加速度、ジャイロ、電子コンパスを搭載する高精度型が採用される。すでにiPhone4で実証されている。
 RF-MEMSに関して、さらなるマルチバンド、マルチモード化が進み、RF-MEMSの採用も増える。特にRFフィルタ、可変キャパシタ、MEMS発振器が劇的に増大することが予測される。
 Siマイクは低コスト化が進みコンデンサマイクに取って代わって主流になるであろう。特にデュアルタイプSiマイクは周辺のノイズキャンセリング機能を持たせられ、今後採用が増えると予測される。 
 MEMSプロジェクタも今後低消費電力化が進み、採用増になるであろう。他にMEMSスピーカや環境センサも有望である。
 携帯は有望市場だけにメーカ間の競争も益々激化するであろう。ここ2年間の間にMEMSのビジネスモデルが随分変化してきた。いわゆる大企業の垂直統合型に対するMEMSベンチャーの水平分業型での挑戦である。ここ数年で成功事例が増えてきており、今後が注目される。

STマイクロ、気圧センサー

20101203 日経産業新聞 4面
 スイスのSTマイクロは気圧測定に使う圧力センサーを発売する。気象観測所や自動車、産業機器への搭載を見込んでいる。携帯情報端末に組み込みGPSと連動させると、2次元の位置に加えて建物の高さや階数を把握できる。

シリコンベースのMEMS発振子、コストや信頼性で有利(米サイタイム)

20101203 電波新聞 2面
 水晶を使わずシリコンベースのMEMS発振子を米サイタイムが開発した。周波数特性として誤差5ppm、32.768kHzの水晶発振子機能をそのまま代替でき、サイズは1/10。リアルタイムクロックや時間管理への応用としては世界初となる。水晶でははんだ付けやリフローなどの工程でも周波数シフトを起こすことが多いという。MEMS発振子の内部では16倍の周波数で発振させ、プログラムで周波数を落としている。このプログラム性や、コスト、信頼性、振動耐性でもシリコンが有利という。

2010年12月1日水曜日

印刷で5マイクロメートル回路、高精細液晶向け(DIC)

20101201 日経産業新聞 1面
 プリンテッド・エレクトロニクスと呼ぶ、インクジェットなどの印刷で電子部品の回路を形成する方法で、5マイクロメートルの微細線を描けるインクをDICが開発した。ナノレベルの銀粒子をペースト状にし、合成樹脂に分散させてインクとすることにより、従来に比べ20分の一の微細加工が可能となった。電子回路の微細化に有効で、液晶テレビの高精細化や太陽電池のエネルギー変換効率向上が期待される。