2011.1 海外技術動向
http://www.azonano.com/news.asp?newsID=21303
Bluechips社(豪)は従来のRFIDタグには無い数々の特徴を備える新しいMEMS-IDタグを開発したIDタグのベンチャーである。新ID-タグの構造は、従来の電子メモリーに識別信号を記憶させるのではなく、チップ内に共振周波数の異なる複数のマイクロ振動子を形成して、その各振動子にデジタル信号を割り振る。これらの複数の振動数を読むことによって、対象物を識別することができる。最大の特徴は動作温度範囲の広さで、液体窒素温度である-196℃~+100℃までの範囲で使用可能である。この広い動作温度範囲を生かした最初の用途としてバイオバンクを予定している。
バイオバンクとは、オーダーメイド医療の実現化に向けた研究を目的として、数十万人のDNAおよび血清試料を集めるプロジェクトのことで、世界各国でプロジェクトが推進されている。集められた遺伝子情報は生活習慣病などの病気と遺伝子の個人差との関係の解明を目的に分析研究されている。ここでDNA等の試料は変質を防ぐため液体窒素中で保管される。この時試料とともに専用ケース中にBluechipのIDタグを埋め込むと、液体窒素中でも情報を読み込むことができる。
今回Bluechips社はSTMicroelectronics(STM)社と提携し、量産、販売をSTM社に委託することになった。STM社もMEMS事業の拡大になるので、両社の提携が合意されるに至った。
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