2010年9月10日金曜日

STMicroelectronics社のMEMSマイクで会話がクリスタルのように鮮明に

2010.9 海外産業動向


驚異のコストでクリアな音質を備えるこのマイクは、MEMSマイクの普及時代をもたらすであろう。

民生機器用MEMSデバイスのリーダであるSTMicroelectronicsは、高品質、高信頼性、小型のMEMSステレオマイクロフォンを開発した。STの目指すアプリケーションは、携帯電話の他に、iPad等の携帯情報端末、デジタルカメラ、セキュリティシステム、視聴覚学習機器等である。これらの機器では、小型、高音質で手ごろな価格が求められる。

STのデジタルアウトプットステレオマイクは、無指向性の高感度タイプで、バックグラウンドノイズの除去により音質面での進歩に注目すべきものがある。携帯機器では雑音の多い過酷な環境で用いられることが多く、その中で高音質が確保できる機能が求められている。STのマイクは伝統的なエレクトレットコンデンサマイクと同程度の価格でそれを可能にした。

STのマイクは音響センシング技術をオムロンから導入している。それは機械的振動や温度ドリフト、電磁気の干渉を低減する技術である。

STの戦略の特徴は、サプライチェーン全体を自社で管理する垂直統合スタイルである。これによって開発期間が短縮され、コスト競争力に優れるMEMS音響デバイスが生み出されるのである。この手法はMEMS加速度センサの普及に成功をもたらしたと同様に、MEMSマイクの普及を加速させるであろう。

その要因として新しいアプリケーションの広がりが予測されており、例えば声認識のゲーム、声認識自動車運転システム、産業機器、セキュリティシステム、医療診断における音解析等に広がっていくものと考えられる。

2009年9月のiSuppliの市場予測によると民生機器用MEMS音響デバイスの売上伸び率は2013年にかけて年18%の成長が見込まれ、年間100万個以上の市場に成長すると予測されている。現在サンプル出荷が始まったところで価格は1万個オーダで注文すると単価1$とのことである。

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