2010年9月17日金曜日

SiTime社:低周波数領域(kHz)のMEMS発振器発売

2010.09 海外産業動向

 SiMEMS発振器はその特徴を生かしてオーディオや高信頼性産業機器への採用が増えている。SiTimeはSiMEMS発振器のリーダで新商品としてSiT8503を発表した。SiTimeはこれまで周波数がMHzオーダの発振器を開発してきたが、さらに周波数レンジを広げ、新たにkHzオーダの発振器を開発した。SiT8503はSiMEMS技術の集大成とも言えるもので、水晶発振器では実現不可能な多くの特徴を持つ。周波数や電圧の選択範囲の広さの他、小型、低消費電力、高信頼性等である。

それらの特徴を具体的に示す。

・200kHz-1000kHzまで任意に周波数を設定できる。用途に応じて最適の周波数が選択できる。

・動作電圧は1.8V,2.5V,2.8V,3.3Vに設定できる。これによって外部動作回路の負担を減らすことができる。

・水晶発振器に比べて堅牢性に優れ、50,000Gの衝撃と70Gの振動に耐える。

・発振周波数のばらつきが少なく±20PPM~±50PPMである。

・標準的なパッケージに収められているので、水晶型からの置換えが100%可能である。

・消費電流は10μA以下でバッテリの長寿命化に貢献できる。現在量産供給準備中で価格は$1.05/1万個オーダーである。SiTimeはMEMS発振器のトップメーカでこれまでベンチャーキャピタル(NEA、Greylock、Jafco、Bosch)より投資を受けている。