2010年9月3日金曜日

STMicroelecteronics社 ジャイロセンサへの取組み

2010.07 海外産業動向
http://content.yudu.com/Library/A1oho8/MEMSTrendsJuly2010/resources/6.htm?referrerUrl=http%3A%2F%2Fwww.yudu.com%2Fitem%2Fdetails%2F192941%2FMEMS-Trends--July-2010

(MEMS General Manager Bebedetto Vignaへのインタビュー)

最近の技術トレンドは、MEMS/CMOS集積化だが、STMicroはそれに反し、一貫して独自の厚膜ポリSiプロセスであるTHELMAプロセスをほぼすべてのMEMSウェハプロセスに適用している。この場合、CMOSウェハは別の専用プロセスで作製されるため、異なるチップになる。このプロセスは決してスマートとは言えないが、製造のしやすさでメリットがある。

STMicroのセンサ開発戦略として、加速度の次にジャイロ、マイク、圧力、電子コンパスを考えている。これらはすべてライバルメーカがいるが、STMicroは量産技術で一日の長がある。初めてジャイロを作るのではなく、すでに実績のある加速度と同じプラットフォーム(プロセス)で設計の異なるデバイスが追加されるだけである。ジャイロの次は加速度/ジャイロの複合センサである。(二つのセンサと信号処理を1モジュール化)最初の複合サンサは3軸加速度、3軸ジャイロで5mmx5mmのパッケージに。次のターゲットは電子コンパス、圧力、温度センサ、ASICを加えて6mmx6mmのパッケージに収める。

この分野のライバルであるInvensenseの動向を見ると、あらゆる面でSTとは異なる。Invenは革新的なプロセス技術と生産はファウンダリに委託することにより、モバイル機器向け小型ジャイロから参入してきた。すでに70のカスタマーに60億個のジャイロを出荷するトップ企業である。2009年度の売り上げは79.6M$で前年比174%、純利益率19%である。創立7年で従業員165人、製品の85%は任天堂Wii用である。しかしWiiの売り上げは下降しており、次世代ゲーム機にInvenは採用されていない。そこでスマートフォン市場への参入を計画している。Invenのデバイス構造は、ASICウェハとMEMSウェハをAl/Ge接合により真空封止している。ウェハレベルで検査され最終的に標準ICパッケージを用いる。マスク枚数は6枚で低コストプロセスを構築している。また研究開発投資は盛んで従業員の40%がR&Dに従事している。しかし最近のマルチセンシングによる正確なモーション検出では、彼らのプロセッ機能では課題が大きいと予想される。Invenはファブレスで現在生産をDALSA、TSMC等複数のファンドリーに分けて委託しているが、これを一つに絞ろうとしている。検査、パッケージ行程は現在でも1社に委託しているので、サプライチェーンの見直しを検討しているようである。

0 件のコメント:

コメントを投稿