2010年9月6日月曜日

サムソン ナノテクノロジへの取組み

2010.08 海外技術動向
 
 ナノテク展示会 NanoKorea 2010(8月18日~20日in ソウル)より2大エレクトロニクス企業である サムソン、LG のナノテクノロジへの取組みを紹介します。

 ここでは、エナジハーベスティングデバイスとして、ナノコンポジット熱電変換材料を用いた熱発電及びペルチェ冷却デバイス、圧電性ZnOナノワイヤを用いた振動発電デバイスが展示されていました。
①Bi-Sb-Te/Au-Cuナノコンポジット熱電変換素子
・メカニカルアロイング法を用いて従来のBi-Sb-Te熱電材料中にナノサイズのAu、Cu粒子を分散化。これにより熱電性能指数ZT=1.35(従来材料では約1)、高電気電導率、低熱伝導率を実現。
  
          
・これを用いたペルチェ冷却素子を開発。
②In4Se3-x熱電変換素子
・In4Se3-xの結晶構造の制御により、n型熱電材料として世界最高のZT=1.48を実現。(Nature掲載済)
・これを用いた熱発電素子を開発。
       
③ZnOナノワイヤ振動発電素子
・基板上に形成されたGaN下部電極上にZnOナノワイヤを形成。それをPdAu上部電極が形成されたPES基板でサンドイッチにした素子構造を備える。PES基板に生じた振動を電圧に変換する。高感度構造であるため、音響による振動で発電することが可能。
・例えば防音壁に装着して発電することが可能。
・同構造を衣服に装着することによって、人の動きで発電することも可能。

④ポリマー/カーボンナノチューブコンポジット材料
・電導性付与、静電気防止、優れた対環境性等の特徴を備え、自動車、ハードディスク。プリンター、ATM等の構造材、静電防止フィルム、燃料タンク扉に応用。
⑤Quantum Dot 応用ディスプレイ
・有機ELのさらに次世代のディスプレイとして、やはり印刷工法で製造可能なQuantum Dot 応用ディスプレイを紹介。
⑥その他:20nmピッチの凹凸構造が形成できるナノインプリント技術、印刷工法によるフレキシブル2次電池を展示。
       
 

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