2010年10月29日金曜日

MEMSジャイロ:新たな戦いへ

2010.10 海外産業動向
http://www.i-micronews.com/lectureArticle.asp?id=5711
 MEMSモーションセンサは、民生機器用を中心に急速に需要を拡大している。特にMEMSジャイロスコープが伸びており、競合する企業に変化が見え始めている。
 スマートフォン用3軸ジャイロスコープの競争は今始まったばかりであり、現在の主な用途はやはりゲーム機用である。Yoleによると2010年のMEMSジャイロの市場は$418Mで、そのうちゲーム機用が$162Mを占める。すでに5千万個以上のWiiモーションプラスが販売された。この中には、Invensense、エプソントヨコムのジャイロが搭載されている。だがこれは始まりにすぎない。本年9月にはソニーがモーション機能を付けた新製品PS3の販売を開始した。ソニーは計9軸のモーションセンサ(加速度、ジャイロ、電子コンパス)を搭載した。ここでは、9軸に対応した信号処理アルゴリズムが開発され、人間の動きをより詳細に再現している。任天堂は携帯ゲーム機DSにモーションセンシング機能を付けた新DSを2011年2月に発売予定である。
 Yoleは次の2社の動きに注目している。ソニーはこれまで2軸のMEMSジャイロを開発し、既にソニーのゲーム機や小型のデジタルカメラに搭載されている。ソニーはMEMSジャイロでは新顔であるが、他社のデジタルカメラにも搭載されている模様である。これはすでにソニーがMEMSジャイロの大きな供給元になっていることを意味する。一方すでにMEMSジャイロでは大手のパナソニックが、ゲーム機や携帯電話への搭載を目指して積極的に攻勢をしかけてきた。Yoleの予測では、来年発売の任天堂モーションセンシング付DSに採用される見通しである。
 MEMSジャイロのこれまでの主要メーカは、STMicro、エプソントヨコム、Invensenseであったが、最近Kionix、Boschも参入しており、さらにソニー、パナソニックも加わり、競争が激化する模様である。これらの情報は来月Yoleから発刊する報告書に詳細が述べられる予定である。

0 件のコメント:

コメントを投稿