2010年10月15日金曜日

水ビジネスに対応した新しい水質センサの開発

2010.10 海外技術動向
http://www.kansascity.com/2010/10/15/2317017/research-and-markets-water-quality.html
 水をめぐって現代の世界には様々問題が現れている。水不足、水テロ、環境汚染問題等である。そのために新しい水質センシング技術の開発が求められている。水の値段が上がるにつれて、地球規模での水の危機管理が叫ばれている。水関連企業は既に水処理プラントの展開を始めており、その場合、配水経路毎にリアルタイムでの水質モニターを設置する必要がある。
 様々な分野のセンシング技術の発展は目覚しいものがあるが、こと水質センサに関しては蚊帳の外である。しかしながら最近になって水質センサの技術の開発の動きが、水処理企業や水消費企業において活発になってきた。これはMEMSデバイス技術、ラボオンチップ技術の発展が、水処理や水質センサを最新テクノロジー開発の舞台に引き上げた。
 これまでの水質分析は、サンプリングした水を分析室に送り、分析装置を用いていたため長い時間と高いコストが必要であった。しかしMEMS技術を用いることによって、これをリアルタイムで迅速に水質分析することが可能になる。ただしこれを実用化するためには、飲料水、工業水どちらにおいても信頼性が必要となる。現在開発者は、水に対する安定性、小型、マルチセンシングを備える水質センサの開発に取り組んでおり、徐々に成果が現れている。
 このような新しい技術開発は、こまでの水質分析システムやそれを扱う企業と競合状態に陥るだろう。彼らは現在すべてのシェアを握っており、新たに開発された新概念のセンサに対して抵抗を示すと考えられる。しかし水質センサの開発は進めなければならない。新しいセンシングテクノロジーのインパクトは大きく、水の管理における法制改正や価格に大きな影響を与えることになるであろう。
 現在、進展している例として韓国のソウルでの開発状況を紹介する。新規に開発された水質センサを配水経路に設置してすべてリアルタイムでモニターを行っている。得られたデータはオンラインで解析される。韓国でこのように発展した背景として隣国の脅威の影響も考えられる。商用的に成功するための要因としては、低エネルギー消費と環境にやさしいことがあげられる。現在の技術開発が進展すれば、これらの課題をクリアすること可能であろう。

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