2010年10月8日金曜日

テルアビブ大学:光式ナノジャイロスコープ開発

2010.10 海外技術動向
http://www.gizmag.com/nano-gyroscope/16581/
 テルアビブ大学は、ピンの先端に装着できるほど極小サイズの光式ナノジャイロスコープを開発した。
 旧来の機械式ジャイロスコープは回転機構を備え、船舶、航空機のナビで用いられているように非常に高精度だが、15-20cmとサイズが大きいという欠点があった。iPhone4はMEMSジャイロスコープを搭載した最初のスマートフォンとして知られている。ジャイロの他に加速度、近接センサ、外光センサも含まれている。ジャイロと加速度の組合せはゲーム機Wiiのように6軸を活用してきめ細かな動きを検出することができる。iPhone4の3軸MEMSジャイロは振動式ジャイロでナビゲーションシステムにも幅広く用いられている。このように現行の小型ジャイロはMEMS式だが、開発中の光式ジャイロは、ピンの先端に装着できるほどの極小サイズでかつ、MEMS式より高精度な動きの検出を可能にする。
 テルアビブ大学の研究者は、イスラエル防衛省のサポートでMEMSジャイロを上回る極小サイズと高精度を兼ね備える半導体レーザジャイロスコープを開発した。原理は半導体レーザの光の強度と波長が、回転力によって変化することを活用している。ここで用いられるレーザの直径はわずか数十ミクロンである。ジャイロセンサとしてのチップサイズも1mm×1mmで信号処理ICチップの上に容易に積層可能である。
 このデバイスのアプリケーションの見通しを次に述べる。まず現行MEMSジャイロと同様、スマートフォンとゲーム機、GPSナビゲーションでさらなる小型化が可能になる。特に持ち主の正確な位置までGPSで割り出せるようになる。また極小サイズとういう特徴を生かすと、医療機器への応用が考えられる。例えば内視鏡の先端に装着して動きを制御する。人体埋め込みチップにも装着可能である。テルアビブ大学の研究者は、現在はまだ実験中で、2-3年で検証は完了すると言っている。

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