2010年12月3日金曜日

STMicroelectronics社:圧力センサを海抜高度測定へ応用

2010.12 海外技術動向
http://pr-usa.net/index.php?option=com_content&task=view&id=553215&Itemid=32
 海面からエベレスト山の頂上まで1m以下の精度で海抜高度が測定可能な絶対圧力センサがスマートフォンやその他の携帯機器に搭載されようとしている。STMicro社のLPS001WPは、新たな技術開発により超小型、超高精度で絶対圧力(海抜高度)が検出可能なため、スマートフォン、スポーツウォッチの他、車載気圧計、産業機器用途にも応用可能である。
 STMicroのVigna部長は次のように語った。「MEMS技術は圧力、角速度、方位等の物理量の検出を従来センサより低価格、高精度で実現してきた。しかし顧客ニーズに対していかに対応してきたかは、供給者側の創造力に制限されてきたところもある。」
 従来のGPSは2次元の位置情報しか得られなかったが、このセンサを用いることによって3次元での位置情報が得られる。例えばビル内で火事に合った時、自分が今どの高さにいるかを知って避難することができるし、救助隊員にとっても何階にいるかわかるので有用な情報となる。
 LPS001WPの絶対圧力検出範囲は300~1100ミリバールでこれは海面を基準にして
-750mから+9000mに相当する。新センサの製造はSTMicroのプロセス技術"VENSENS"が用いられており、ウェハtoウェハ接合で高い信頼性を実現している。
 素子の基本構造はピエゾ抵抗が形成されたSiダイアフラムを用い裏面空間をウェハ接合により閉じた構造から成る。温度補償回路を内蔵し、センサ出力は標準デジタル出力形式(12C)に準ずる。性能面での特徴を以下に示す。
・精度0.065mbar(80cmに相当)
・破壊耐圧はフルスケールの20倍
・温度補償回路内蔵
・絶対圧力校正済みで出荷
・標準パッケージ(HCGLA-8L)使用
・2010年12月から1000個注文時、$2.8で供給

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