2010年12月10日金曜日

パナソニックとImec、低電圧駆動で世界最高のQ値を備えるMEMS共振素子を開発

2010.12 海外技術動向
http://www.nanowerk.com/news/newsid=19305.php
 パナソニックとImecは、サンフランシスコで開催されたElectron Decices MeetingでSiGe薄膜プロセスを応用したSOI基板MEMS共振素子を開発したことを発表した。
 この素子は低電圧駆動で世界最高のQ値を備えることを特徴とする。この高いQ値は、ねじり振動モードにおける共振と薄膜による真空封止によって実現された。この素子は、民生機器や車載で用いられている様々なタイミングデバイスにおいて現行製品よりさらなる小型化と低消費電力化を実現できるものである。
 MEMS共振子は、水晶共振子と比べて小型化のメリットが謳われているが、低いQ値と高い駆動電圧が課題となっていた。今回のパナソニックとImecの報告によると、Q値220k(at f=20MHz)と1.8V低電圧駆動を達成している。Q値は気圧の影響を受けるが、真空封止によってそれを防いでいる。薄膜封止は厚さ4μmのSiGe薄膜を用いており、CMOSとの連続プロセスが可能である。振動子と電極のギャップは130nmで低電圧駆動に寄与している。またSiGe薄膜中に設けられたエッチングホールを介しての犠牲層エッチングはチップサイズの小型化に寄与している。
 今回の薄膜真空封止のプロセスはImecのCMOREサービスを活用して開発された。Imecでは、従来のCMOSに新たなマイクロ・ナノデバイスを連続して形成するプロセス技術を保有している。ここでは新規デバイス開発からプロトタイピング、少量量産まで対応が可能である。

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