2010年12月3日金曜日

スマートフォン用MEMSの動向

2010.12 海外産業動向
http://www.nawbo.biz/mems-mems-sensors-for-smartphones/
 携帯電話へのMEMSデバイスの搭載は2002年から始まり、SiマイクやFBAR RFフィルタが最初に搭載された。最近では加速度センサ(傾き検出)、CMOSイメージセンサが欠かせないものになっている。2010年はさらにMEMSの搭載が加速されようとする分岐点になっている。2009年の携帯電話用MEMS市場は$3.55Bに対し、2015年は$7.91Bに拡大する見通しである。なぜそのように成長するか、ここではその要因を探ってみる。
 2015年にはスマートフォンの占める割合が44%に達すると見込まれており、スマートフォンの機能向上にMEMSが寄与すると予測されている。GPS機能はすでに標準化されつつあるが、スマートフォンでは、加速度、ジャイロ、電子コンパスを搭載する高精度型が採用される。すでにiPhone4で実証されている。
 RF-MEMSに関して、さらなるマルチバンド、マルチモード化が進み、RF-MEMSの採用も増える。特にRFフィルタ、可変キャパシタ、MEMS発振器が劇的に増大することが予測される。
 Siマイクは低コスト化が進みコンデンサマイクに取って代わって主流になるであろう。特にデュアルタイプSiマイクは周辺のノイズキャンセリング機能を持たせられ、今後採用が増えると予測される。 
 MEMSプロジェクタも今後低消費電力化が進み、採用増になるであろう。他にMEMSスピーカや環境センサも有望である。
 携帯は有望市場だけにメーカ間の競争も益々激化するであろう。ここ2年間の間にMEMSのビジネスモデルが随分変化してきた。いわゆる大企業の垂直統合型に対するMEMSベンチャーの水平分業型での挑戦である。ここ数年で成功事例が増えてきており、今後が注目される。

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