2010年11月16日火曜日

情報をエネルギーに変換、「マックスウェルの悪魔」再現

20101116 日刊工業新聞 26
 自律的に動くナノマシン等に応用でき、微細加工技術により情報をエネルギーに変換するシステムにつながる実験に東京工業大学の佐野雅巳教授、中央大学の宗行英朗教授らが成功した。熱力学第2法則は温度差があればエネルギーを取り出せるとする基本法則で、マックスウェルの悪魔は測定に応じてシステムを制御する仮想的な「悪魔」がいると、温度差がなくてもエネルギーを取り出せ第2法則を敗れるとするもの。近年、悪魔がが情報を処理するのに必要なエネルギーを含めれば同法則が成り立つことが分かったが、これを実験で示されたことはこれまでなかった。今回の成果で、熱揺らぎを情報として利用すればエネルギーに変換でき、薬を運ぶ生体モーターなど、自律的なナノマシン開発につながると期待されている。

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