2013年1月14日月曜日

MIT:新原理エネルギーハーベスタ開発、空気中の水蒸気からエネルギーを

海外技術動向
http://www.tgdaily.com/trendwatch-brief/68682-new-polymer-harvests-energy-from-water-vapor
 MITの研究者は、空気中の水蒸気からエネルギーを取り出す新原理のエネルギーハーベスタを開発した。
キー技術は水分の吸着、脱離で変形する新しいポリマーフィルムの開発である。このポリマーフィルムは水分によってカールしたりまた元の形状に復元したりする。これに圧電フィルムを貼り付けることによって発電がなされる。同研究者はすでに発電能力を評価し、ロボットのアクチュエータやワイヤレス機器、ウェアラブル機器の電源になり得ると発表している。
 動作原理を説明する。このフィルムは2種の異なるフィルムの組合わせから成る。ポリピロール(polypyrrole)をフレキシブルな母材とする。ポリオルブレート(polyol-borate)はソフトゲルタイプで水分を吸収しやすい特性を持つ。これらの2層フィルムが空気中の水蒸気濃度の変化にさらされると、カールしたり元に戻ったりする。フィルムの厚みは20ミクロンである。このようにして水分の変化を機械エネルギーに変換することができる。このアクチュエータ(自重25mg)は、スライドガラスを持ち上げたり、金属ワイヤを運んだりすることができる。まさに水蒸気変化をエネルギーとするトラクターである。
 さらに圧電フィルムを積層することにより、発電デバイスにすることができる。試作品ではまだエネルギーは小さいが(5.6nW)発電動作をすることが確認できた。
このデバイスは特に水分の変化の多い場所で高い効率で動作することが期待できる。例えば河川、海岸での環境センサ、体からの水蒸気の変化を捉えるウェアラブル機器などがそうである。
           

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