2012年1月5日木曜日

MEMS産業の動向と世界に対抗できる最先端研究施設(MNOIC)の設立、省エネ推進する革新的技術開発・・GSNプロジェクト

20120105電波新聞第24
 MEMS産業を比較すると、わが国は大企業が研究開発から事業化までを垂直統合的に行っているのに対し、海外ではアイデア立案・研究開発・量産試作・量産まで専門施設で行うバリューチェーンの中で行う水平統合型事業を行っている。専門施設とはヨーロッパIMECLETI、米国Albany、台湾ITRIという大口径ウエハーを処理できるMEMS設備で、研究開発から少量生産も可能である。日本には対抗する施設がなかったが、マイクロマシンセンターのMEMS協議会はMNOIC(マイクロナノオープンイノベーションセンター)114月に設立した。

 MNOICTIA(つくばイノベーションアリーナ)に属する産総研が所有する最先端研究施設を広く産業界の利活用を推進する。【Myラボ】自分の研究所のように使い、【Myファブ】自分の試作装置のように使ってもらうのが基本方針。人材教育やコンサルタントも含む。

 GSNプロジェクトは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募テーマ「グリーンセンサー・ネットワークシステム技術開発プロジェクト」で、11年度から4年計画で開始した。プロジェクトの推進母体は技術研究組合NMEMS技術開発機構である。

 プロジェクトの目的は、省エネに寄与する普及型無線センサーネットワークの開発である。節電や空調・換気制御に有用な電流・磁界センサー、塵芥量センサー、ガス濃度センサーの、MEMS技術による無線化、小型化、低コスト化、低消費電力化と、センサーと信号処理デバイスの機能集積化技術を開発する。また、グリーンセンサー端末に安定的に電力を供給する光電変換・熱電変換デバイスを開発する。さらにユーザー企業が参画し実用化のための実証実験を行う。

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