2012年11月1日木曜日

北大の化学物質検査チップ、毒性判定時間三分の一に、細菌の遺伝子変異を活用

20121101日経産業新聞11面

 北海道大学の谷博文教授らは細菌の遺伝子変異を活用し、化学物質の毒性を判定する小型チップを開発した。3センチメーター角のシリコーン板やゴムに700マイクロメートル角の穴や溝を刻み、穴の底に大腸菌を取り付け、溝から流し込んだ化学物質の液体との反応を検知する。大腸菌は遺伝子操作により、化学物質が作用して遺伝子が変化すると発光するようにしており、光の検出で遺伝子変異の程度を分析する。従来法では試験官などで菌を培養し、化学物質を加えて反応を見ていた。開発チップでは穴や溝の狭い隙間で反応させるので化学物質が少なくて済み、反応結果が出る時間も半分から三分の一になる。医薬品原料などの安全性試験、河川の汚染物質検出に活用できる。

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