2011年8月23日火曜日

磁性材料、音で発電、新型素子実現目指す(東北大)

20110823日経産業新聞10

 磁性材料に音を当てて直流電圧を取り出す技術を東北大学の斉藤英治教授と大学院生の内田健一さんが開発した。日本原子力開発機構、ドイツ・カイザースラウテルン工科大学との共同成果。イットリウム・鉄酸化物単結晶の平板試料の表面に超音波発生器を張り付け、周波数5メガヘルツの音で表面が5ナノメートルの振幅で振動し、約100ナノボルトの電圧を取り出した。磁性材料の内部で電子の自転でできる微小磁石(スピン)が動く「スピン流」が生じて発電する。試料の面積を10センチメートル四方に拡大すれば計算では乾電池並みの23ボルトの電圧が発生する。スピン流は音以外にも温度差や光でも生み出せ、壁や屋根に取り付けて複合的に発電できる新型素子が実現する可能性がある。

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