豊橋技術科学大学の滝川浩史教授らのグループはダイヤモンドライクカーボン(DLC)による、高硬度で極薄の炭素構造物の製造技術を開発した。シリコン基板にDLC膜を形成し、イオンビームで形状に削った後にシリコンを溶かして、薄膜の構造物を形成する。大きさは3~10マイクロメートル、厚さは400ナノメートルが可能。従来のアルゴンガスや炭化水素ガスを用いるDLCに比べ、黒鉛からプラズマを発生させてDLC膜を作るため、純度が高く微細構造物が構築できる。インクジェットプリンターやカテーテル、血液検査装置向け摺動部品として実用化を目指している。
MEMSの波Ⅱでは、一般財団法人マイクロマシンセンターがマイクロナノ及び関連分野における内外の新聞等記事のタイトルとその分野(ラベル)を随時提供していきます。ブログ内のGoogle検索も設定されています。
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なお、マイクロナノ産業を支援するための一般財団法人マイクロマシンセンターやMEMS協議会の産業交流活動状況については、従来通りMEMSの波(ブログニュース)から情報発信を行っていきます。
2012年4月26日木曜日
2012年4月25日水曜日
原子間力顕微鏡、分解能15ピコメートルを実現、プローブの位置を3次元で制御(日立)
20120425電波新聞5面
原子の大きさ約100-300ピコメートルよりも1桁小さな15ピコメートルの分解能を持つ原子力間顕微鏡(AFM)を日立製作所が開発した。小型で測定感度が10ピコメートルの光干渉変位センサーを顕微鏡に組み込むことにより実現した。AFMは探針を、探針先端と試料表面の原子間に働く力(原子間力)を一定に保つよう制御することにより、試料表面の立体形状を測定する。従来は探針の位置を静電容量型センサーで検知したが、光干渉変位センサーにより感度を飛躍的に高めた。
インクジェットプリントヘッド、京セラが世界最速品、1200x1200dpiで80m分実現
20120425電波新聞1面
商業印刷用の高速高品質なインクジェットプリントヘッドを京セラが開発した。印刷速度は業界従来品の2倍の80m/分、有効印刷幅は圧電方式では世界最大の108ミリメートル(4インチ)。一つのインクノズルから最大64,000滴/秒のインクを吐出、一つのヘッドに5120個のノズルを配置している。
2012年4月20日金曜日
ペーストハンダ開発、半導体チップと基板接合、突起端子40%小さく(タムラ製作所)
20120420日刊工業新聞11面
半導体チップと基板を接合するフリップチップ実装のバンプ(突起)を40%小さくできるペーストのハンダをタムラ製作所が開発した。バンプの直径を80マイクロメートルから50マイクロメートルに微細化した。
2012年4月16日月曜日
貫通電極ビア高速検査、次世代半導体の多層化へ、非破壊で全数に対応(高岳製作所)
20120413日刊工業新聞8面
貫通電極ビア(TSV)の形状を、共焦点法による光学検査でウエハーの表面から3次元に測定する検査ユニットを高岳製作所が開発した。穴の直径5マイクロメートル以上で、直径の10倍の深さまで測定可能で、深さの最大は200マイクロメートル。TSVは多層化した半導体の上下を接続する電極用の穴で、一般にエッチングで窪みを作り、ウエハーを下から削って穴を貫通させる。微細化・高密度化に伴い穴の小径化が求められるが、ひつような窪みができたか検査が難しかった。
2012年4月13日金曜日
STMicro:2011年モバイル用MEMS売り上げ前年比約2倍に
海外産業動向
http://www.electroiq.com/articles/stm/2012/04/st-mems-revenues-nearly-double-with-apple-in-customer-roster.html
iSuppliによると、STMicroelectronics(ST)はモバイル機器用MEMSの2011年の売り上げを、2010年$353Mから$638Mに80%増加させた。これはApple社のiPhone、iPad、iPod用モーションセンサに採用されたことが貢献している。
2011年モバイル機器用MEMSの売り上げ企業ランキングを以下に示す。
トータルで約30%の伸びだが、STは80%と突出しており他を圧倒した。その他ではKnowlesはMEMSマイクで73%の高いシェアを保持し好調であった。Invensenseはモバイル用ジャイロセンサが大きく伸びた。TIはモバイルフォン用MEMSプロジェクタで独占状態で高い売上げをあげている。
全体を通してモバイル用はトップ企業のシェアが大きくなり、寡占状態が進みつつある。
http://www.electroiq.com/articles/stm/2012/04/st-mems-revenues-nearly-double-with-apple-in-customer-roster.html
iSuppliによると、STMicroelectronics(ST)はモバイル機器用MEMSの2011年の売り上げを、2010年$353Mから$638Mに80%増加させた。これはApple社のiPhone、iPad、iPod用モーションセンサに採用されたことが貢献している。
2011年モバイル機器用MEMSの売り上げ企業ランキングを以下に示す。
Rank | Company | 2011 Revenue ($) | 2010 Revenue ($) | Y/Y Growth/Decline (%) |
1 | STMicroelectronics | 638.7 | 353.3 | 80.8% |
2 | Knowles | 270.9 | 191.5 | 41.5% |
3 | Texas Instruments | 204.6 | 161.4 | 26.8% |
4 | Avago | 190.6 | 207.3 | -8.1% |
5 | InvenSense | 142.8 | 92.9 | 53.7% |
6 | Bosch | 127.2 | 118.5 | 7.3% |
7 | TriQuint | 85.2 | 74.7 | 14.1% |
8 | Panasonic | 85 | 86.5 | -1.7% |
9 | Kionix | 74.6 | 63.8 | 16.9% |
10 | Analog Devices | 59 | 50.4 | 17.1% |
Revenue Total from Top 10 | 1878.6 | 1,400.3 | 34.2% | |
Revenue Total from Overall | 2,159.9 | 1,642.5 | 31.5% |
トータルで約30%の伸びだが、STは80%と突出しており他を圧倒した。その他ではKnowlesはMEMSマイクで73%の高いシェアを保持し好調であった。Invensenseはモバイル用ジャイロセンサが大きく伸びた。TIはモバイルフォン用MEMSプロジェクタで独占状態で高い売上げをあげている。
全体を通してモバイル用はトップ企業のシェアが大きくなり、寡占状態が進みつつある。
2012年4月11日水曜日
無鉛の圧電材料、センサーに応用、高温に強く(東工大、キヤノンなど)
20120411日経産業新聞7面
有害な鉛を含まず高温にも耐え、シリコン基板上に薄膜を作成できる、新たな圧電材料を東京工業大学の舟窪浩准教授、上智大学の内田寛准教授、キヤノンなどが開発した。ビスマス・亜鉛・チタン酸化物で電圧1ボルトで200ピコメートル動き、従来の圧電材料と性能の遜色はない。これまで300度が限界だった温度も800度程度まで性能は安定している。厚さ30ナノメートルの薄膜を、塗布と加熱の繰返しで重ねていけば良い。カメラの手振れ防止センサー、スマホの加速度センサー、プリンターのインクジェット部品に応用でき、高温特性を生かした自動車エンジンのガス流量センサーにも使える。
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