2015年6月30日火曜日

”MEMSミラー”開発に注力(ミツミ電機)

20150630電波新聞3面

 ミツミ電機はMEMSミラーの開発に注力している。民生用として網膜走査型ディスプレイ用MEMSミラーの量産を開始する。車載用では自動車用レーザー走査方式ヘッドアップディスプレイ等の開発を進めている。

2015年6月29日月曜日

ものづくりから安全安心な社会構築まで活躍するセンサー、気象・災害分野にも活躍広がる

20150629日経産業新聞12面

 センサーは物理的・化学的な変化を電気信号に変換するデバイス。温度、湿度、濃度、流量、磁気、振動、加速度、位置など多くの変化を検知するセンサーが用いられている。ものづくりのサポートや、センサーネットの構築でスマートシティや安全安心な社会実現に役立っている。

電圧かけて液体流す、小型チップ幅2ミリの溝、ポンプ不要、創薬・医療に一助(慶応義塾大学)

20150629日経産業新聞11面

 慶應義塾大学の竹村研次郎准教授らは、電圧をかけるだけで幅が2mm程度の溝に液体を流すアクチュエーターを開発した。フッ素系の高分子で出来た「電解共役流体」という特殊液状物質を使う。3つの電極に高い電圧をかけ、電極の周囲で局所的に流体が高速で流れる現象。溝を刻んだ分析用チップの様々な場所に電極を置き、チップ内の物質の流れを制御する。2020年頃にチップの実現を目指す。

MEMSセンサー強化、モバイル機器や車、ヘルスケア多様な分野に提案(電子部品メーカー)

20150629電波新聞1面

 電子部品メーカー各社のMEMSセンサーへの取り組みが加速している。村田製作所は加速度センサー、ジャイロセンサー、コンボセンサー、傾斜センサー、気圧センサーを生産し、表面実装型MEMS角加速度センサーを開発した。TDKは気圧・湿度センサーや圧力センサーを販売している。アルプス電気は湿度センサー、弾性波を利用した3軸ジャイロセンサーを開発している。ミツミ電機はセンサーとミラーデバイスを、ロームは気圧センサーと加速度センサーを、北陸電気工業は湿度センサー、日本航空電子工業は高精度加速度センサーを開発している。

2015年6月26日金曜日

導電性インクで電子回路、布に印刷、曲げ伸ばし可(東大)

20150626日経産業新聞13面

 東京大学の染谷隆夫教授らは、布の上に印刷し曲げ伸ばし可能な電子回路を作れる導電性インクを開発した。布の種類を問わず、幅1mm以下の細かい配線を印刷でき、曲げたり元の3倍以上まで引っ張っても配線は切れない。服状のセンサーの実現をめざし、2~3年後の実用化を目指す。

角加速度センサー、1つで機能、薄型に対応(村田製作所)

20150626日経産業新聞6面

 村田製作所はハードディスク駆動装置(HDD)用の角加速度センサーを開発した。これまでは2つの加速度センサーを2か所に搭載していたが、HDDの薄型化に対応し、1つで角速度を検出できるセンサーを開発した。HDD向けには2,3年後に量産を開始する。

環境発電IoTで出番、身近な振動や熱使う(オムロン、旭硝子、竹中工務店)

0150626日経産業新聞1面

 環境発電がIoTの登場で注目が高まっている。「エレクトレット環境発電アライアンス」はオムロン、旭硝子、東京大学(鈴木雄二教授)らにより結成され、エレクトレット(電気を帯びる性質をもった誘電体)と金属板を平行に配置し、振動で発電する。ボタン電池ほどのデバイスを開発しており、サンプル出荷をしているが、コストダウンが課題だ。

2015年6月18日木曜日

小型の水晶加速度計、振動や傾きを高精度測定(セイコーエプソン)

20150618電波新聞4面

 セイコーエプソンは3軸の水晶加速度センサーを内蔵し、3軸の加速度、傾斜角、傾斜角速度を計測できる。建築構造物、土木現場、船舶・大型機械等のモニタリングを用途とする。

2015年6月17日水曜日

地磁気センサー精度7倍、消費電力は20分の1、スマホ屋内ナビ実現に道(ローム)

20150617日経産業新聞6面

 ロームはスマホの方位測定などに使う地磁気センサーの精度を7倍に高め、消費電力を20分の1とした新製品を開発した。ロームは愛知製鋼と提携してアモルファスワイヤをコイルに使い、電流使用時間を10億分の1秒と短縮した。従来品が測定場所によっては1度以上の誤差が生じるのに対し、0.3度以下とした。屋内ナビゲーションでの活用を目指している。

2015年6月12日金曜日

薄型熱流センサー、感度10倍、部品劣化を診断(デンソー)

20150612日経産業新聞6面

 デンソーは従来に比べて感度を10倍に高めた熱流センサーを開発した。熱流は熱の移動量や方向を示すもの。熱流センサーは薄いシート状で、対象物の表面に張り付け、熱がセンサーを通り抜ける際の表裏に生ずる温度差を電圧に変換する。化合物半導体の材料により感度を高め、薄型化により測定誤差を小さくした。熱流測定により機械部品の劣化診断や、建材の断熱性能評価にも利用できる。

2015年6月5日金曜日

MEMS式ジャイロセンサー、振動や温度変化に強く(シリコンセンシングジャパン)

20150605日経産業新聞6面

 シリコンセンシングシステムズジャパンはMEMS式ジャイロセンサーで、機械式や光ファイバー式に比べて安価で振動や温度変化に強い製品を開発した。振動するシリコンの形状を工夫し、周りを真空状態にすることにより、精度を表すバイアス安定度を毎時0.12度と従来製品の10倍以上改善し、機械式・光学式と遜色無いレベルとした。価格は20万円程と機械式・光学式の数分の一と抑えられた。機械式のように定期点検が不要で、光学式より衝撃に強い。MEMS式は従来は携帯電話や自動車などの汎用品が中心だったが、船舶・航空機、石油掘削などの用途を開拓する。