2013年5月28日火曜日

家畜伝染病、半導体で検知、動作異常や体温分析、ルネサスが基礎技術


20130528日本経済新聞15
 
 家畜の背にセンサーを搭載したチップを付け、動作の異常や体温を分析して無線で知らせ、伝染病を検知する基礎技術をルネサスエレクトロニクスが開発した。牛の口蹄疫や鳥インフルエンザなどを早期発見できる。今後、実証実験を行い、2014年度にも発売する。

 開発したチップは1センチメートル四方で、マイコンを搭載し、センサーから得たデータを周波数に変換・分析し、体の傾きや発熱などの異常を検出する。個々の家畜にチップを搭載すれば、病気の家畜を特定して周囲への伝染の予防につながる。

2013年5月15日水曜日

マイクロ流体チップ搭載用小型電動弁を開発(理研など)

20130515日刊工業新聞23面

 理化学研究所、東海ゴム工業、東京大学のグループは、マイクロ流体チップの弁として利用できる、電圧で大きく変形する電動ポリマーを開発した。これまでの空圧利用弁は小型化が困難、ピエゾ素子利用弁は変位が小さいという課題があった。変異率の大きい東海ゴム工業の「スマートラバー アクチュエーター」を使ってバルブを作成し、0.01立方センチメートル以下の超小型で0.7秒の高速応答ができる。

ジャイロセンサー技術開発、IME(シンガポール)と共同研究契約(シキノハイテック)

20130515日刊工業新聞9面

 シキノハイテック(富山県)はシンガポール科学技術研究庁のマイクロエレクトロニクス研究所(IME)と商用携帯型アプリケーション用低電力・高性能ジャイロセンサー「ASIC(特定用途向け)IP(知的財産)ブロック」の開発に関する共同研究契約を結んだ。IMEとの共同研究で新たなアプリケーション向けに革新的なジャイロセンサー技術の開発を目指す。

2013年5月14日火曜日

自動車制御部品に参入、来年にも量産(村田製作所)

20130514日本経済新聞12面

 村田製作所は水晶を金属で封止する独自構造による水晶振動子を開発し、自動車制御部品に参入する。これまで同社は自動車のエアバッグやパワーウインドウなどにセラミック製の振動子を供給してきた。精度が高く、小型化された製品を2014年にも量産を開始する。

低消費電力、初の1チップ屋内GPS、リアルタイム位置システムやワイヤレス・センサーネットワーク向け(仏BlinkSight)

20130514電波新聞3面

 フランスのファブレス半導体企業BlinksSightはリアルタイム位置システムやワイヤレス・センサー・ネットワークアプリケーション用の1チップ屋内GPSチップを発表した。IMECとホルストセンターの技術による超低消費電力インパルス無線技術を適用したチップは、タグ等に組み込まれ、人間や対象物の動きと軌跡のリアルタイム情報を提供する。デジタル処理部とアナログ無線機能を1チップに収容し、3次元位置の性格さは10センチメートル以内。

スマホ用MEMSマイク、月産1000万個に倍増(新日本無線)

20130514日刊工業新聞10面

 新日本無線はスマホ向けMEMSマイクを3月量産開始時の月産500万個を7月から倍増の1000万個に引き上げる。2014年3月期の売上高4億円を目指す。同マイクは音のセンサーと信号を増幅させるアンプで構成する。

2013年5月9日木曜日

産業市場の潜在ニーズを開拓する慣性計測ユニット

20130509電波新聞9-10面

 外部リファレンスを参照することなく3次元で物体の速度変化と角度変化を測定できる装置が慣性計測ユニット(IMU)である。IMUの対象分野がこれまでの航空・宇宙・軍事から産業用市場、特に無人機向け市場に拡大を始めている。米国では無人飛行機(総重量約25kgから約2kg)が2015年から規制が解禁され、ヨーロッパでも無人機の開発が盛んである。IMUは無人機本体の姿勢制御用の運動検知、慣性航法用の運動検知、調査・監視用カメラコントロール及び振動検知、スキャンセンサーコントロール及び振動検知等に活用され、1台の無人機に複数台のIMUが使用される。セイコーエプソンはM-G650-PD11という産業用IMUを市場に投入した。本製品は3軸ジャイロと3軸加速度に対応し、国際武器取引規則(ITAR)に則り輸出が可能である。

カイオニクスの超低消費電力ジャイロ、慣性センサーの新市場開く

20130509電波新聞8面

 ロームグループのカイオニクス(米国)は超低消費電力ジャイロを開発した。KMX61Gは3軸地磁気センサー、3軸加速度センサー、3軸ジャイロセンサー及びセンサーフュージョンアルゴリズムを内蔵し、スタンバイで5µA、フル動作モードで最大550µAという超低消費電力が特徴である。

2013年5月5日日曜日

熱電素子の効率5割向上、排熱発電に応用へ(三井造船)

20130505日経産業新聞2面

 エンジンの排熱利用発電として注目されている熱電素子の効率を5割高めた素材を三井造船が島根大学と共同で開発した。電気エネルギーを取り出す効率が従来の3.4%から5%まで高まった。熱電素子は部品の消耗が無く、設置後の細かいメンテナンスが不要。同社は船舶用エンジンなどに組み合わせると効率を高められが、商業ベースに乗せるには課題があるとみている。

2013年5月3日金曜日

センサーが広げる健康機器の可能性、電子部品各社、次の”柱”に

20130503日刊工業新聞7面

 センサーがヘルスケア機器の可能性を広げており、健康志向や高齢化を背景としたスポーツ・ヘルスケア機器市場の拡大が見込まれ、各社がビジネスの柱へと取り組みを始めている。
 セイコーエプソンは同社の慣性計測ユニット(IMU)を活用したテニスラケットの選択支援を行うシステムを開発した。テニスラケットの持ち手先端に運動解析システム「エムトレーサー」を取り付けスイングすると、センサーがスイングスピードや方向も解析してモニターに表示する。
 村田製作所は心拍数やストレス度合いを計測できる加速度センサー搭載のモジュールや、より安定した脈拍数を測れるバイタルサイン(生体信号)センサーなどを使った用途開発を進めている。アルプス電気も地磁気センサーなど各種センサーや無線通信モジュールを組み合わせたシステムをヘルスケア機器向けに提案する。

2013年5月2日木曜日

検査・診断機器開発競う、患者の負担より軽く、カプセル内視鏡(オリンパス)、低被ばくCT(フィリップス)

20130502日刊工業新聞11面

 オリンパスの小腸用カプセル内視鏡「エンドカプセル10システム」は直径11ミリx長さ26ミリメートルで高画質イメージセンサーを採用し、撮影視野角は145度から160度に拡大した。患者に取り付けるアンテナユニットをベルト型にして、装着を簡便にした。検査は8時間かけて6万枚の写真を撮影し、読影する医師の負担軽減のため、疾患の可能性が低い画像を高速再生する機能を搭載している。富士フィルムはX線感度を向上した乳がん検査用デジタルX線撮影装置(マンモグラフィ)を発売する。シーメンス・ジャパンがふくしま国際医療科学センターに納入した統合型全身MR-PETシステムはMRIとPETを統合したシステムで1回の撮影で両画像を同時撮影できる。

モーター駆動型内視鏡ホルダー、頭の動きで操作自由(東京医科歯科大、東工大)

20130502日刊工業新聞17面

 東京医科歯科大の川嶋健嗣教授と東京工業大学の只野幸太郎助教授らは、頭部に角度センサーをつけ、頭の動きで医療機器を操作できるモーター駆動型内視鏡ホルダーを開発した。医師は両手で手術しながら内視鏡を動かせる。

NISTの新しい測定ツールは急成長のMEMS産業をターゲットに


http://phys.org/news/2013-05-nist-tool-fast-growing-mems-industry.html
 MEMS市場の成長と拡大にともない、米国国立標準技術研究所(NIST)はデバイス設計者、製造者及びユーザにとって待望の、8諸元の測定が可能な測定ツールを導入した。
 NISTが開発したテスト・チップ(基準材料8096と8097)は、さまざまな製造装置で作られたMEMSデバイス間の高精度かつ高信頼の測定値比較を可能とし、プロセスの特性把握、トラブル処理、機材の較正、関係者間のコミュニケーションを容易にする。
 MEMSはかつて半導体産業の継子といわれ、用途はおもに自動車のエアバッグシステムの加速度センサに限定されていた。しかし、コンシューマ向けでは多数のアプリケーションに用いられ、たとえばハイエンドスマートホンではマイク、加速度センサ、ジャイロスコープなど約10個のMEMSデバイスが使われている。MEMSデバイスは、タブレット型コンピューター、ゲーム機、lab-on-a-chip診断システム、表示デバイス、移植型医療デバイスなどの重要な構成要素である。
 技術コンサル会社Yole Développementは、世界のMEMS産業収益は2011年の100億ドルから2017年の210億ドルに増加すると予測している。汎用の基準材料と標準化された測定方法により、MEMSデバイスに要するコストと時間を削減することができ、異なるメーカーによってつくられたMEMSデバイス間の相互接続性をより高めることができる。
 新しいNISTの基準材料は、表面境界層の厚さを測るために微小サイズの片持ち梁、梁、階段状の台、及び表面層の厚さを測定する構造を含む。具体的には、段差高さ、長さと同様、弾性(ヤング率)、残留張力(及び応力)、張力(及び応力)勾配を測定し、国際標準との適合チェックに使うことができる。
(調査研究・標準部 出井敏夫)

2013年5月1日水曜日

床発電のセンサー装置、電子看板や見守り向け、今秋メド商用化(NEC)

20130501日経産業新聞5面

 床を踏込むたびに発電する床発電装置よりセンサーに電力を供給し、この動きを検知した制御装置が電子機器を制御するシステムをNECが開発した。オフィスの照明の点灯や高齢者の見守りなどの需要を開拓する。