2013年3月27日水曜日

センサー、エネ関連など新成長市場に注目、20年には5兆8661億円規模、モバイル機器用センサー、MEMS技術を応用

20130327電波新聞3面

 電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめたセンサーの世界需要見通しでは、11年実績の1兆8290億円に対して年平均14%増で推移し、20年には5兆8661億円に達する。モバイル機器用センサーではMEMS技術による超小型センサーが活発化し、温度、湿度、気圧、ガス、色などに加え、電子コンパス用の3軸地磁気センサー、地図・ナビゲーション用の方位と加速度センサーを組み合わせたモジュールセンサー、液晶表示制御用の近接・照度センサーが開発されている。エネルギー関連センサーでは、スマートハウス向けに検知情報をネットに送信するシステムの開発が進むと共に、様々なシーンの温度検知・補償用のサーミスタ、太陽光発電のパワー制御向けの電流センサーの開発が活発化している。自動車向けでは吸気温、燃料噴射、燃焼検知、燃焼圧、油圧、排気温の各センサーに加え、TMR(トンネル磁気抵抗)技術による角度センサーが開発されている。

2013年3月20日水曜日

MicroGen社(米):ピエゾMEMSエネルギーハーベスタの量産移管(X-FAB)完了

海外産業動向
http://www.i-micronews.com/news/MicroGen-X-FAB-completes-piezo-MEMS-vibration-energy,10214.html
 MicroGen社はピエゾMEMSを用いたエネルギーハーベスタを開発しているCornel大学からのファブレスベンチャー企業である。この度、ドイツのMEMSファンドリーX-FABへの生産移管が完了して商品発売の準備が整った。ウェハサイズは8インチである。
このMicro-Power Generator(MPG)の仕様は、容積は1cm3以下、振動周波数は100、120Hzが中心ユーザ仕様にも対応、ウェハレベルパッケージ構造、寿命20年、電力制御ICを内蔵し、出力は~100μWである。
 応用例としてTexas Instsurumentsのワイヤレス温度センサを駆動できるモジュールを開発済である。(http://www.youtube.com/watch?v=V__ktSBpnN4)

2013年3月18日月曜日

露光装置と電子顕微鏡投入、研究開発から量産向けまで(アドバンテスト)

20130318電波新聞4面

 ナノメートル対応の電子ビーム露光装置と測長型電子顕微鏡を半導体検査装置大手のアドバンテストが公開した。電子ビーム露光装置「F7000」は1xナノメートルの高描画精度で、ウエハやナノインプリント用テンプレート、先端LSI、フォトニクス、MEMS、ナノ加工などをサポートする。同社独自のキャラクタ・プロジェクション露光技術により、従来のポイントビームに比べて数百倍のスループットを実現している。多次元観察・測長走査型電子顕微鏡、MVM-SEM「E3310」は1xナノメートルノードプロセス開発と22ナノメートル世代以降の量産デバイス用次世代ウエハー全自動インラインに対応する。

2013年3月14日木曜日

振動発電部品参入、リモコンの補助電源向けなど、出力市販品の4倍(スミダ)

20130314日経産業新聞7面

 振動発電部品にコイルメーカーのスミダコーポレーションが参入する。振動発電部品は巻線状のコイルで磁石を囲んだ構造、磁石が動く事でコイルに電力が発生する。複数のコイルと磁石をつなげることで電気出力を上げ、市販品の4倍程度という。直径14ミリメートル長さ50ミリメートルで単3乾電池と同じ大きさの製品は15ミリワットと、直径50ミリメートル長さ300ミリメートルの製品は15ミリワットの電気が得られる。直径14ミリの製品はテレビのリモコンや懐中電池の補助電源を、50ミリワットの製品は海に浮かべるブイのなど様々な電源の用途を開拓する。

2013年3月13日水曜日

小型地磁気センサー、実装面積60%縮小(アルプス電気)

20130313日刊工業新聞8面

 アルプス電気はサイズが1.6ミリメートル角、高さ0.7ミリメートルと実装面積を従来比60%、地磁気測定のダイナミックレンジを2倍とした3軸地磁気センサーを開発した。サンプル価格は1000円で、1年後には月産500万個を目指す。

2013年3月12日火曜日

ばんそうこう型センサー、高齢者の体調を常時測定、乳幼児にも利用(兵庫県立大)

20130312日経産業新聞8面

 体に貼り付けて体温や心電図などを常時測定できるばんそうこう型のセンサーを兵庫県立大学の前中一介教授らが開発した。縦2.2センチ、横9センチの大きさで、電池と無線送信用素子を内蔵、体の表面温度、心電図、大まかな動作が推定できる加速度、気温、気圧を計測する。計測データを無線で飛ばしコンピュータで計測する。柔らかいポリエチレン樹脂や伸縮性のある配線でセンサー基板を作り、シリコン系素材のポリジメチルシロキサンで覆い、防水性と接着性を確保した。高齢者の見守りに活用し、乳幼児や劣悪環境下作業員の体調管理等で企業と連携した実用化を目指す。

2013年3月7日木曜日

水晶振動子で淡水化監視、膜の目詰まり解明に期待(日立)

20130307日経産業新聞2面

 日立製作所と日立プラントテクノロジーは海水淡水化設備の水処理膜の状態監視に、水晶振動子を使った計測技術「水晶振動子マイクロバランス(QCM)法」の適用に関する研究を行っている。QMC法は一定の振動をしている水晶振動子に、物質が付着した際の周波数変化を検出し、微量な物質の質量を測定する。半導体製造装置内の膜厚センサーで実用化されている技術を水中に応用したもの。

腕時計用方位センサー、大きさ1/20に、電力9割減(カシオ、アルプス電気)

20130307日経産業新聞1面

 腕時計用の高精度方位センサーを、従来品に比べて大きさを1/20に、消費電力を1/10にした製品をカシオ計算機がアルプス電気と共同で開発した。センサーの大きさは1.6ミリメートル角。磁気を検知する精度はスマホ用に比べて4倍。

2013年3月6日水曜日

半導体の超小型生産システム、ミニマルファブまずMEMS、5億円で新ライン、産総研など来月販売

20130306日経産業新聞1面

 半導体の超小型生産システム「ミニマルファブ」が実用化段階に入り、産業技術総合研究所と中小企業で構成する「ミニマルファブ技術研究組合」が4月から装置の受注を始める。「ミニマルファブ」は二分の一インチのウエハーを使い、幅30センチ、奥行き45センチ、高さ144センチの大きさに統一した小型ユニットをつなげて半導体製造ラインを構成する。洗浄、ウエットエッチング、マスクレス露光、CMPなど12種類前後のユニットを受注し、各ユニットの価格は1000~3000万円。まずは少量生産ニーズのMEMSセンサーの需要を開拓する。産総研などはイオン注入器、エッチャー、化学的気相成長法(CDV)炉などのユニットも開発中で、大規模集積回路(LSI)の生産にも対応する。ミニマルファブはウエハーを密封する専用の容器と、ユニット内部の搬送システムを採用し、クリーンルームが不要。5000億円規模の投資が必要なメガファブに比べ、1億~5億円で半導体生産ラインを構築できる。

2013年3月4日月曜日

スマホ向け近接センサー、突然の通話切断を改善(STマイクロ)

20130304電波新聞3面

 スマートフォン向けの新しい近接センサーをSTマイクロエレクトロニクスが開発した。スマホとユーザー間の距離を、光の反射光量ではなく光の往復時間により計測する。Time-of-Flight(TOF)と言われる技術で、光パルスを送出する赤外線エミッター、パルスの送出から反射光の検出までの時間を正確に計測する電子回路の組み合わせによる。さらにTOF測距センサーと広範な動的周辺センサー・ダイを組み込むことで、通話の突然切断を改善できる。

2013年3月3日日曜日

STMicroelectronics:2012年度MEMS売上$1Billionで世界一に(by Yole)

海外産業動向
http://www.electroiq.com/articles/sst/2013/02/stmicroelectronics-is-first--1-billion-mems-company.html
 フランスの調査会社YoleはSTMicroelectronics(ST)の2012年度のMEMS売上が前年より58%増加し$1Billionn(約850億円)になる見通しであることを発表した。一方モバイル機器用主力デバイスである加速度、ジャイロの出荷価格は20-30%下落した。STはモーションセンサが伸び始めた頃8インチの生産ラインを立ち上げ、その後順調に供給数量を延ばせたので、ユーザの要望価格にも対応することができた。自社内の大型量産ラインをフルに活用できたことで、価格競争力を垂直統合型の強みに持って行くことができた。MEMS大手のBoschもMEMSの市場増大の流れを取り込み売上14%増の好結果を得るに至った。
 STは今後モーションセンサだけではなく圧力、マイク、コンパス等スマートフォンに必要なすべてのセンサをラインアップする予定である。しかもオムロン等他社との協業を活用して強力かつ迅速に攻勢をかける。