2012年9月29日土曜日

iPhone5分解

海外産業動向
http://www.eetimes.com/electronics-news/4396862/Teardown--Inside-Apple-s-iPhone-5?pageNumber=0
(以下抜粋)
 iPhone5を分解して、部品の技術動向、企業動向を調べる。
初代より一貫して採用しているICメーカーにはSamsung、TI、STMicro等の大手の他、Dialog Semiconductor、Skyworks Solution、Triquint Semiconductor等の中小企業も含まれている。
調達先を変更したものもあり、注目されるのはベースバンドプロセッサーをInfineonからQualcommへ変更した。iPhone5は通信規格LTEを採用、QualcommはLTE向けIC技術で優位であった。
 3軸加速度センサ及び3軸ジャイロセンサはSTMicroでAppleはこれらのデバイスに満足している。
Flash memoryはSanDisk、Processor memoryはElpida、Bluetooth chipはBroadcomである。
AppleによるプロセッサーAxシリーズには新たにA6が搭載された。Axシリーズの製造は初代からSamsungに委託していたが、最近の特許係争で関係が悪化し、A6はTSMCに委託したとされる。しかし今回分解してみるとA6チップにはSamsungのマークが見え、謎である。
参考:http://eetimes.jp/ee/articles/1209/23/news005.html

2012年9月27日木曜日

2ミリ角の低消費電力・高性能MEMS3軸加速度センサー、米Freescaleがモバイル機器用

20120927電波新聞22面

 米Freescale Semiconductorは2x2ミリメートルの3軸加速度センサーを発表した。スマートフォンやタブレット端末、デジタルカメラ、ナビゲーションシステム、ヘルスケア機器などモバイル機器用。ジェスチャ検知、手振れ補正、タップ制御、盗難防止、転倒・自由落下検知などをサポート。1000個ロット時の単価は0.77ドルと0.66ドルの2種。

MEMS技術、センサー・フュージョンの新技術

20120927電波新聞20面

 ローム子会社カイオニクスは、各種センサーからの情報や信号の交通整理、センサーの消費電力最適制御を行うソフトウエアであるセンサー・フュージョン・ソフトウエアを提供している。加速度センサー、ジャイロスコープ、地磁気センサー、近接センサー、照度センサー、圧力センサー、GPSなどが、スマートフォンやタブレットPCに搭載され、Windows8ではこれらのセンサー搭載が必須となっている。また、画面縦横検知、自由落下検知、歩数計測、タップ/ダブルタップ機能、パワーマネジメント機能を内蔵した加速度センサーを発表した。

村田製作所のMEMSセンサー、高精度と高信頼性を両立

20120927電波新聞18-19面

 村田製作所はフィンランドのMEMS専業メーカーVTI社を買収し、3次元MEMS技術用いたMEMSセンサーを市場に供給している。3次元MEMS技術は可動部を構成するシリコンウエハーと、上下から挟んで接合・封止するCAPウエハーで実現する。MEMS構造部からの引き出し電極にVIAを導入して電極間の高い絶縁抵抗と低い寄生容量を、可動部と蓋の間の2.5マイクロメートルという高精度な空間制御、原子レベルの気密封止により高精度化、高安定性を実現した。加速度センサー、ジャイロスコープ、2つのセンサーを1パッケージに収めたコンボセンサーを提供している。

クワッドコアのMEMSジャイロセンサー、車載用途に最適な高い耐震動性を実現(アナログ・デバイセズ)

20120927電波新聞16-17面

 車両の走行制御システムに使用されるジャイロセンサーは動作時に様々な機械的衝撃や振動にさらされるが、アナログ・デバイセズのマルチコア設計のMEMSジャイロセンサーは外部からの影響を除去できる。横滑り防止装置(ESC:Electronic Stability Control)は2011年以降、米国およびEUで販売される新型乗用車に搭載が義務付けられているが、車両の垂直軸における回転速度と実際のステアリング角度の比較により、危険を判定し車輪のブレーキを制御する。このような安全システムを高い信頼性で動作させるため、アナログ・デバイセズのジャイロセンサーでは、振動や加速度の影響を除外するため、2つの錘を逆位相で駆動する差動センサー方式を採用し、さらにデュアルで作動させるクワッドセンサー構成を実現している。

MEMSデバイス需要が急拡大、自動車、モバイル機器から医療・ヘルスケア分野にも応用進む

20120927電波新聞15面

 MEMSを用いたデバイスの需要が拡大している。応用が進んでいるのがセンサーデバイスで、圧力センサー、加速度センサー、ジャイロ(角速度)センサーなどが実用化されさまざまな機器に搭載されている。自動車には100個程度のセンサーが搭載されていると言われ、エアバッグシステムで加速度センサーが、油圧や空気圧の検知、タイヤやステアリングの角度検知にMEMSセンサーが搭載されている。近年はスマートフォンに加速度・ジャイロセンサー、磁気センサー、気圧センサーが搭載され、MEMSの市場も拡大している。
 マイクロマシンセンターの調べでは、MEMSの国内市場規模は2010年実績で7227億円、2015年には1兆5500億円と倍増の見込み。今後も、マイクや高周波フィルター、スイッチという従来デバイス分野へのMEMS技術の応用が進む。応用分野も医療・ヘルスケアでの圧力センサーや血液等分析チップ、需要増が見込まれている。

光複合センサー開発、非接触モーション・近接・照度の3機能(村田製作所)

20120927電波新聞1面

 複数の受光素子のフォトダイオードとLED系発光素子とを並べ、対象物の反射光を検知して、左右、前後、上下の3軸の動作(モーション)を検知するモーションセンサー、近接センサー、照度センサーの機能を備える光複合センサーを村田製作所が開発した。モバイル機器、デジタルカメラ等家電、カーナビ、アミューズメントなどの用途開拓を進め、5年以内の事業化を目指す。

2012年9月25日火曜日

携帯端末向け電子コンパス用地磁気センサー、日系部品各社が事業拡大、小型・高性能化など重点

20120925電波新聞1面

 電子コンパスは地磁気を検出して方位を求めるセンサーで、2000年代後半から国内携帯端末に搭載され、08年頃からスマホ向け需要が拡大し市場はグローバル化した。電子コンパス市場は7割のシェアを持つ旭化成エレクトロニクスを中心に、アルプス電気、ヤマハ、愛知製鋼の4社でほぼ独占している。各社とも小型化、高性能化、低消費電力化を進めている。

2012年9月24日月曜日

熱や振動から環境発電、センサー向け有望市場、課題はコスト・能力向上

0120924日経産業新聞1-2面

 身の回りにある熱、光、振動、電波というエネルギーを収穫し電気に変えるのが「エネルギーハーベスティング(環境発電)」という技術。環境発電の世界市場規模を2020年でデバイスだけで数千億円と予測している。センサー向け市場が有望で、電気を自給自足できれば、電源配線や電池交換から解放される。センサーを取り付けた産業設備や社会インフラをネットワークで結び、データ交換により高度な制御を実現する「M2M(マシン・ツー・マシン)」のキーデバイスだ。橋梁に揺れやゆがみを監視するセンサーを取り付ければ、事故が起きる前に補強ができる。ヤマハは体温で発電し、センサーで体温や湿度を測定し、データを無線で送るリストバンドを試作したが、課題はコストで、ヤマハの例でもボタン電池に比べればはるかに高額となる。富士通研究所では熱と光のどちらでも発電できるハイブリッド発電素子を開発している。

2012年9月22日土曜日

MEMS Executive Congress 2012 予告:医療・ヘルスケア用MEMS

海外技術動向
http://memsblog.wordpress.com/2012/09/19/preview-of-mems-in-medicalquality-of-life-panel-at-us-mems-executive-congress-us-2012/
 米国MEMS Industry Groupが毎年主催するMEMS Executive Congress (MEMSビジネス会議)は今年も11月7-9日にアリゾナ・フェニックスで開催される。今回のテーマの一つ医療・ヘルスケア用MEMSについて、予定する会議の内容をチェアマンに対する質疑応答方式で紹介する。
・講演者は?
 基調講演はMicroCHIPS社長Robert Farra。同社はドラッグデリバリ、埋め込み型グルコースセンサ、心臓補助システム、人工心臓、腹腔鏡手術機器、内視鏡等を扱う。
 次の講演はMedtronic社の取締役Paul Gerrish。同社は人体埋め込み型医療機器他を扱う。
 次にBodyMedia社の創業者Ivo Stivoric。同社はウェアラブル健康管理機器を扱う。

・MEMSはどのように寄与するか?
対象者の体調管理、医者の診断、モバイル健康管理機器において重要な役割を果たす。一日を通しての常時モニターするには小型センサーが不可欠である。MEMSモーションセンサは人の動きを記録するのに必須となっている。
 高齢化、肥満化に伴う体調管理では血圧計が重要である。ここでも適切な運動量管理のためにMEMSモーションセンサは欠かせない。

・今後5-10年で新たに生まれる医療・ヘルスケア用MEMSは?
 在宅診断用画像センサー、人工すい臓、ドラッグデリバリ用マイクロポンプ、カテーテル用圧力センサ他

・最近スマートフォンのアプリにヘルスケア関連が増加している。今後の動向は?
 健康管理のための様々な体調データがクラウド管理されるであろう。
 アプリの種類も益々増加するであろう。例えばバーチャルナース、医療サポートチームがデータを基に適切な助言を与える。
 以上のような内容が議題になる予定である。

※MEMS Executive Congress への参加にご興味ある方はマイクロマシンセンター 阪井までお問い合わせ下さい。

2012年9月20日木曜日

人感センサー共同開発、空間把握や方向検知、年内評価キット販売(S&Wとプロアシスト)

20120920日刊工業新聞23面

 フィルム上に焦電型赤外線センサーを集積したフレキシブル薄型人感センサーの開発をセンサー・アンド・ワークス(S&W)とプロアシストが開発する。複数の焦電センサーの情報により、人物を特定せずに空間把握や方向検知に活用できる。家電や住宅設備、ウエラブル機器などへの組み込みを念頭に、評価キットを販売し、2014年までに1個数百円の量産を目指す。

2012年9月18日火曜日

日立製作所:監視機能、無線アンテナを備えるパウダー/ダストチップ開発

海外技術動向
http://www.defensereview.com/hitachi-powderdust-%C2%B5-chip-ultra-small-micro-rfid-chip-with-embedded-antenna-for-military-and-clandestine-intelligencesurveillance-applications-u-s-military-law-enforcement-and-inte/  日立の"Powder/Dust"μチップは超小型のマイクロ波RF-IDで人の目につかずに監視できる機能を持つ。
日本の大手電機メーカである日立は、チップサイズ0.15mm×0.15mm、厚さ7.5μmの超小型チップに128bit ROM、マイクロ波RF-ID、38桁の数値を記憶できる機能を備え、見た目は黒い砂粒のチップを開発した。
このマイクロチップはSOI基板設計プロセス技術と各演算部の間隔を短縮化することによって生まれた。同様なチップとして軍需用に開発されたSmartdustがあり、MEMS技術により光、温度、振動を検出する機能を持つ。日立によると"Powder/Dust"の優位点は超小型であること、高信頼性、無線通信機能、インターネット機能を備えることにある。応用分野はセキュリティシステム、輸送、アミューズメント、履歴記録等が考えられる。米国のNASA、CIA、FBIが関心を示している。例えば追跡したい人や物があれば、このチップを活用できる。

血液などから病気診断、センサー感度10倍に(京都工繊大)

20120918日経産業新聞10面

 抗体と呼ぶたんぱく質を使用し、血液などから病気を診断するセンサーの感度を10倍以上向上させる技術を、京都工芸繊維大学の熊田陽一助教と新エネルギー・産業技術総合開発機構が開発した。抗体は病気特有のたんぱく質と結びつくので、血液や尿を流し、その反応を元に診断する。センサーはプラスチック基板の上に抗体を並べるが、抗体を一定方向に高密度に並べる事で感度が向上した。抗体は遺伝子を組み替えた大腸菌を使って作る。

布用プリンター、普及タイプ投入(コニカミノルタIJ)

20120918日経産業新聞4面

 布地に印刷する業務用インクジェットプリンターの普及機を価格1500万円でコニカミノルタIJが発売する。印刷速度は最大で毎時60平方メートル、染色工程に必要な機能を一体化し、中小布地メーカーでも導入しやすい。

スマホに内蔵、高度センサー(STマイクロエレクトロニクス)

20120918日経産業新聞4面

 スマートフォン用に気圧から海抜高度を検知するセンサーの量産をSTマイクロエレクトロニクスが始めた。センサー内のシリコン膜が気圧で収縮する変化を感知し、数十センチメートル単位で高度を把握する。3ミリメートル角のパッケージで1個当たり2.6ドル。

2012年9月14日金曜日

においと加速度、センサーで日常生活記録、高齢者の安否確認に、神戸大がシステム

20120914日経産業新聞10面

 加速度センサーとにおいセンサーを組み合わせ、プライバシーを保護しながら、食事やトイレ、外出などの行動を把握するシステムを神戸大学の寺田努准教授らが開発した。においセンサーはペンダントのように首から下げて使い、空気の汚れ、メタンガス、二酸化炭素を検出することにより、外出、食事、トイレを認識する。加速度センサーはベルトやバンドに組み込み、体の動きを検知する。センサー情報を無線でパソコンに送り、過去の行動パターンと照合して、利用者が室内で何をしているのかリアルタイムで把握できる。警備会社や介護サービスと組み、実用化を目指す。

2012年9月9日日曜日

フラウンホーファ(IMS):非侵襲ワイヤレス&ウェアラブル血糖センサ開発

海外技術動向
http://www.eetimes.com/design/medical-design/4395648/Wireless-glucose-monitor-aims-to-eliminate-blood-tests
 Fraunhofer Institute of Microelectronic Circuit & Systems (IMS)とオランダの医療機器メーカーは共同で 非侵襲ワイヤレス&ウェアラブル血糖センサ開発を開発した。
 糖尿病患者は毎日数回血糖値を測り必要なインシュリンの量を測定している。この手法では患者の皮膚の炎症を引きこすという問題が生じる。非侵襲型はこの問題が起こらない。
 新開発の血糖センサは汗や涙等の体液から血糖を算出し、ワイヤレス無線機能を備えるので、測定した血糖値の値をレシーバーへ送信することができる。
 検出原理は電気化学法で、酵素によってグルコースを過酸化水素に変換し、その濃度をマイクロポテンショスタットで計測する。
 センサチップサイズは0.5×2.0mmでこの中にポテンショスタットとADコンバータを含む。チップの消費電力は100μAで寿命は1週間から1ヶ月連続計測できる。
電源は外部から非接触給電される。
 次の段階としてさらにサイズを小さくして体内埋め込み型の開発を計画している。

2012年9月7日金曜日

印刷法で擬CMOS、電子回路を試作(山形大)

20120907日経産業新聞11面

 インクジェット法やスピンコート法を用いてCMOSと同等の性能を持つ「擬CMOS」のインバーター(電力変換装置)を山形大学が試作した。主流の露光法よりも材料や製造コストを減らせ、プラスチック基板に電子回路を描けば、曲げられる薄型テレビや電子端末につながる。

圧電材、ポリ乳酸2種で開発、効果はPZTの1.3倍(関西大と帝人)

20120907日刊工業新聞24面

 既存のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の1.3倍の圧電効果を示す、2種類の「ポリ乳酸」から作成する圧電材料を関西大学と帝人が開発した。ポリ乳酸とポリD乳酸が同じ方向の電界に正反対の動きをする特性を利用し、双方のフィルムの間に正極と負極を相互に挟み込む構造。積層する数により圧電効果を制御できる。柔軟性があり大型化・ケイ廊下にもつながり、センサーやアクチュエータの実用化研究を進める。

2012年9月4日火曜日

衣料用デジタル印刷機、小型で安く、少量向けや試作用、来年発売(エプソン)

20120904日経産業新聞4面

 衣料の捺染に使うインクジェットのデジタル印刷機で、少量印刷や試作に向けた小型・低価格品をセイコーエプソンが発売する。これまでイタリアの印刷機メーカー、ロブステリにインクジェットヘッドを提供していたが、共同開発した従来製品「モナリザ」に小型・低価格化した。大量生産に向く「モナリザ」と互換性があり、試作受注に使える。

電子コンパス世界トップシェア、1.6ミリ角、高さ0.5ミリ角品開発(旭化成エレクトロニクス)

20120904電波新聞3面

 旭化成エレクトロニクスは03年7月に世界初の携帯機器向け3軸電子コンパスを出荷した。当時は複数の磁気センサーを搭載し、ユーザーは方位を求めるのに端末を水平に保つ必要があったが、同機はこの課題を解決した。さらに地磁気だけを検知するためのキャリブレーションをソフトウエアにより自動化した。同社の電子コンパスは日本の携帯電話市場で高いシェアを確保し、さらに08年以降は世界のスマホ市場拡大の波に乗り、世界トップシェアを誇っている。
 同社の電子コンパスはシリコンモノシリックホール素子と磁気集束板を用い、3軸磁気センサーをワンチップで構成している。シリコンモノシリックホール素子は磁気を検知するホール素子と信号処理回路を1チップに作りこんでいる。磁気集束板は磁力線が通りやすい材料で、チップ表面におき磁力線の向きを変え、3軸の磁気成分を取得する。