2011年7月29日金曜日

ナビゲーション、ゲーム用MEMSモーションセンサ動向 by Yole

海外産業動向
http://www.eetimes.com/electronics-news/4218330/Consumer-electronics-turn-to-MEMS-for-gesture-control--precision-location-
 iPhoneやWiiにMEMSモーションセンサが採用されるようになって、MEMSのアプリ動向が一気に変わった。つまり車載中心から民生中心へと変わる位の大きな変革をもたらした。ここではその後の動向を探る。
 現時点で携帯電話の約50%に加速度、ジャイロ、電子コンパスが搭載されているし、タブレットに関してはほぼ100%搭載されている。今後この分野の市場は年率24%の伸び、2015年には約4000億円以上になると見込まれる。この分野で今後も成功を収めようとするための条件を述べる。
 まず低コスト化。携帯電話用加速度センサの価格は2010年ですでに$0.7まで下がった。これが2015年には$0.3まで下がると予想される。ただしこれから加速度、ジャイロ、電子コンパス及びASICの1パッケージ化が進み、コストの分析が難しくなるが、特にASIC部は1個にまとめられるので全体の低コスト化に大きく寄与すると考えられる。
 アプリ側でより使いやすくするためのセンサヒュージョンのアルゴリズムが現在STMicroやInvensenseで積極的に開発されている。これらのソフトウェア技術の進歩は、今後のアプリであるエアマウス、TVコントロール、ゲーム用ジェスチャー検出等の分野で使い勝手を向上させて、それらの分野でも大きく市場が拡大することが期待される。
つまりセンサデバイスの集積化技術だけではなく、ソフトウェア技術が今後の競争力向上のキーとなると考えられる。

MEMSが拓くスマート生活の未来-下-、環境・医療で商機を開く

20110729日経産業新聞3面
 MEMS技術により感度を従来の5倍に引き上げたフロー(風量)センサーを開発したオムロンでは、温度センサー、湿度センサーや人感センサーを組み合わせ、室内の状態を監視してエアコン等を制御するシステムを仕上げようとしている。フローセンサーは50cmの距離で蝶の羽ばたきを感知できるという。
 オリンパスがMEMS技術により先端を7ナノメートルに仕上げた針を使った生物顕微鏡は、電子顕微鏡では確認が難しかった超微細な細菌やDNAの動きを観察できる。針を毎秒150万回の速さで細菌やDNAに打ち付け、針の反応や抵抗から物質の有無や形を測定する。0.1ナノメートル単位の物質も検知できるという。
 つくばの産総研の研究センターではNEDOの音頭で17企業・機関の技術者が結集し、11年度から4年間で省エネシステムを開発するプロジェクトが立ち上がった。温度や光、二酸化炭素を検知するセンサーをMEMS技術により小型化し、無線機能も盛り込み“ばんそうこうサイズ”にまとめるのが目標。クリーンルームなどに設置して、人の出入りに応じた空調制御による省エネ化を目指す。
 デジカメや自動車、スマートフォンといった既存の最終製品の小型化・高性能化に貢献してきたMEMSは、これまで考えられなかったシステム開発に道を開き、新領域への進出も可能にしようとしている。

2011年7月28日木曜日

モバイル位置情報サービス向けMEMS技術採用の高精度圧力センサー(米Freescale)

20110728電波新聞22
 MEMS技術をベースとした高度検知に対応した高精度圧力センサーを米フリースケールセミコンダクターが発表した。圧力データと温度データをローカルで処理し、アプリケーションプロセッサーの負荷を軽減する。30㎝の解像度を提供する。携帯電話に搭載した場合、ビルの何階にいるかを検知でき、この情報を活用した位置情報サービスを実現できる。参考価格は10000個ロット時で1.5ドル。

MEMSが築くスマート生活の未来-上-カメラ・車、技術の要

20110728日経産業新聞1
 MEMS技術が電子部品を一足飛びに微細化、高性能化し、デジカメや自動車など様々な製品に組み込まれ、その常識を覆そうとしている。
 デジカメの手振れ防止用に活用されているのがジャイロセンサー、その世界シェアトップのセイコーエプソンのジャイロセンサーには6つの水晶片が組み込まれている。一片が70マイクロメートルの水晶片がカメラのわずかな傾きを検知する。MEMS技術により世界最小レベルに仕上げ、世界シェアトップとした。
 薄膜形成技術とMEMS技術を融合し、新たな市場を切り開こうとしているのがパナソニックの自動車横滑り防止装置(ESC)用の角速度センサー。ESCは欧米では義務化されており、日本でも1210月から義務化される。角速度センサーは車の傾きを検知するもので、シリコン製センサーの上に圧電薄膜を重ねて形成し、感度は圧電薄膜が薄いほど上がる。同社のセンサーはMEMS技術を活用し、厚さ10マイクロメートル以下の圧電薄膜を形成し、感度を他社に比べて10倍とした。
 米ノウルズ・エレクトロニクスの小型マイクチップはMEMS技術により1辺を1ミリメートル以下にした。このため、マイクチップを電話に2個組み込み、話し手の音と周囲の雑音を別に拾い、雑音を振り分けることで明瞭な通話が可能となる。
 MEMSについて日本は技術を持ちながら、的確な時期に的確な規模の投資ができず、欧米勢に出遅れている。例えば、ウエハーサイズで日本は欧米の半分、単純計算ではコストは5割増し。MEMSには微細加工技術に加え深堀技術など独特のノウハウも必要で、中韓勢はなかなか入り込めていない。電子部品市場では台湾や韓国に対し日本は劣勢だが、センサーなどでは世界市場でも存在感は強い。MEMSは日本のものづくり再興の切り札となるかもしれない。

2011年7月26日火曜日

MEMS向け半導体検査、速度2.6倍(モリテックス)

20110726日経産業新聞4  赤外線を使い半導体ウエハーの内部構造を透過検査する新型装置をモリテックスが開発した。MEMSの検査に適しており、ソフトウエアや装置の機構を変更して従来機種に比べ検査速度を2.6倍に高めた。観察倍率は33倍から1760倍まで、ウエハの投入から検査終了まで自動化でき、8インチのウエハまで対応し、1時間当たり12枚まで検査できる。シリコン材料を透過する赤外線を使用し、ウエハ内部の構造を観察できる。MEMSでは封止後のチップの状態で内部形状を観察できる。次世代半導体ではチップを重ね、チップ間を電極でつなぐシリコン貫通電極(TSV)技術が使われており、この検査にも需要があるとみられる。

2011年7月25日月曜日

小型高感度センサー開発、大気中の腐食性物質(富士通研)

20110725日経産業新聞11
 水晶振動子(QMC)を使って大気中の腐食性物質を高感度で測定し、電池内臓で無線でデータを送信するため、設置場所を自由に決められる小型センサーを富士通研究所が開発した。QMCの表面の電極に腐食性物質が付着すると、振動子の質量が変化し共振周波数が変わることにより検出できる。腐食しやすい電極と腐食しにくい電極の周波数差で、付着したのが腐食性物質か単なるゴミかを区別する。温度と湿度も測る機能を搭載する。腐食性物質を極力排除したい工場での実用化を目指す。

マイクロポンプ量産にめど(菊池製作所)

20110725日刊工業新聞33
 ステンレスシートを積層して製作したマイクロバルブとマイクロポンプを菊池製作所(八王子市)が開発した。7ミリメートル角のマイクロポンプで水を6メートルまで持ち上げる力がある。マイクロポンプは最薄10マイクロメートルのステンレスシートを8枚積層し、バルブユニットを内蔵する。携帯電話端末などに搭載する燃料電池の燃料ガス供給ポンプや医療分野で投薬用の使い捨てポンプとして利用できる。

MEMS用の露光装置投入(ニコン)

20110725日刊工業新聞12
 直径200ミリウエハーに対応させたMEMS用新型露光装置をニコンが発売する。処理能力が毎時30枚と60枚の2機種で、価格は12000万円から。

2011年7月22日金曜日

Microvision社(米):車載ヘッドアップディスプレイ用MEMSプロジェクタで自動車メーカと提携

海外産業動向
http://www.i-micronews.com/news/MicroVision-contract-major-automobile-manufacturer-develop,7282.html
 MicroVision社(MV)は1993年設立で、輝度を向上させた第2世代のMEMSプロジェクタ技術及びモバイル機器に対応する携帯プロジェクタ(PicoProjectors)を開発した企業である。今回車載ヘッドアップディスプレイ用MEMSプロジェクタ(Pico-Head Up Display)の開発で有力自動車メーカと提携した。なおどの自動車メーカかは明らかにされていない。
 車載ヘッドアップディスプレイは、車載情報やナビゲーション情報をフロントウィンドウに投影するもので、運転者は視線をそらすことなく前方を見ながら各種情報を確認することができる。
 提携内容はMV社のPicoHUDをテスト車両に搭載して実地評価をすることである。
 

米国:3軸加速度センサを含むローカルエリア内地震検知ネットワーク設置

海外産業動向
http://www.stanforddaily.com/2011/07/21/quake-catcher-network-starts-installations/
 Qake-Catcher-Netwaork(QCN)はサンフランシスコを中心とするローカルエリア内に地震検知ネットワークシステムを設置した。これは一般住宅や学校に3軸加速度センサから成る地震計を設置してネットワークで結ぶもので、地震予知警報を加入者に同時に知らせるものである。ネットワークはインターネットを活用し、地震センサモジュールはネットに繋がっているPC等に接続される。

2011年7月20日水曜日

振動センサー、感度20倍、建物・水道管の劣化把握(NECトーキン)

20110720日経産業新聞1面:
 感度を高め周波数範囲を広げた振動センサーをNECNECトーキンが開発した。圧電素子により振動を電気信号に変換する。建物や水道管に設置し、摩擦やひび割れに伴う微小振動を捉え、劣化状況を把握する。価格は従来の高性能センサーに比べて10分の一以下という。

2011年7月19日火曜日

光で微細模様、樹脂開発、たんぱく質転写(関西大学)

20110719日経産業新聞10面:
 光を当てるだけで済む低コストの微細加工法につながる樹脂素材を関西大学の宮田隆志教授らが開発した。光エネルギーを吸収して収縮する高分子材料で、樹脂に紫外光を当てるとその部分だけ薄くなる。これをスタンプのようにタンパク質溶液につけ、シリコンウエハーに押し付けるとたんぱく質がウエハーに転写された。フォトリソグラフィーに比べて簡便な方法でたんぱく質の微細模様を描くことができる。たんぱく質の粒をチップ状に並べたマイクロチップやマイクロ流路への応用が期待される。

半導体ウエハー450mm先送りへ、東芝・サムスン慎重、投資決断12年以降に

20110719日刊工業新聞1面:
 半導体ウエハーの現行直径300mmから450mmへの大型化が先延ばしになりそう。回路線幅の微細化と大口径ウエハーの導入は低コスト化の切り札と位置付けられており、韓国サムスン電子、台湾TSMCは大口径化を探っており、東芝は大口径への態度を保留していた。サムスンが最近投資縮小に方向転換し、東芝も従う模様。しかし、半導体の微細化は極紫外線(EUV)技術による試作機に苦戦しており、EUVが使えなければウエハーの大型化に向かうしかない。

2011年7月15日金曜日

SonyとAudio Pixel(イスラエル):MEMSスピーカの量産開発で合意

海外産業動向
http://www.i-micronews.com/news/Joint-Development-Agreement-signed-Sony-Corporation-Japan,7200.html
 Audio Pixelsは伝統的なスピーカーメーカで、最近、MEMSを応用したスピーカーシステムを開発した。振動板と回路を内蔵し、厚さ1mmで、デジタル信号を直接受けて、音響へ変換する。狙いの市場はモバイルディスプレイに付属するスピーカで、スマートフォンやタブレットはじめすべての小型映像機器が対象である。そこでは小型、薄型、高性能スピーカーが求められており、MEMSスピーカーはその要求に答えることができる。Audio PixelsはMEMSスピーカーに関する基本パテントを取得している。
 今回のSonyとの合意内容は、SonyがMEMSスピーカー開発へ投資すること。量産技術開発を共同で行うことである。すでにSonyは性能評価用第1バッチの試作を終えてAudio Pixelsへ引き渡している。

2011年7月14日木曜日

産総研が新印刷手法、最高性能の有機素子試作

20110714日刊工業新聞26面:
 有機半導体の単結晶薄膜を作る新しいインクジェット印刷法を産総研が開発した。印刷法による有機トランジスタは、折り曲げ可能で軽量な大面積薄型ディスプレイに欠かせない素子で。今回の素子は従来法による有機薄膜トランジスタに比べて100倍以上の性能を持つ。有機半導体を溶かした液滴と、これを液晶化するための液滴のインクを交互に印刷する。

2011年7月12日火曜日

触覚、形状記憶ワイヤで、電流流すと微小振動発生(香川大)

20110712日経産業新聞10
 触覚を利用した新たなデバイスとして応用できる可能性を持つ技術を、香川大学工学部の沢田英之教授とエスシーイー(香川県丸亀市)が開発した。直径50マイクロメートル、長さ3ミリメートルのアーチ型形状記憶ワイヤに、電流を流すとワイヤが12マイクロメータ縮み、止めると元に戻る。1秒間に30回程度オンオフを繰り返すと、ワイヤの伸縮で指や掌でざらざらした感覚を感じる。この微小振動子を複数個並べ、時間差を作って電流を流すことにより、アルファベットなどの文字を認識できるという。自動車のハンドル表面に振動子を埋め込み、カーナビの指示に従いハンドルを握る手に方向転換を促すような触覚を生じさせる試作を行った。このほか、パソコンのタッチパネルの表面に埋めて触覚を感じるディスプレイや、携帯電話の背面に埋め込み視覚障害者が握ったままでメールを読みとる等の応用ができるとみている。

TSVの次世代半導体向け新露光装置(キャノン)

20110712日経産業新聞4
 シリコン貫通電極(TSV)が形成できる半導体新露光装置をキャノンが発売する。複数の半導体チップを重ねて駆動するために必要な方法で、基板の面積を抑えながら性能向上と低消費電力化を実現できるため、次世代半導体として半導体メーカーが開発を進めている。スマートフォンやタブレット端末等の小型電子機器でTSV技術を使用した半導体の需要が拡大するとみられており、国内外のメーカーに拡販を目指す。

第22回マイクロマシン/MEMS展あす開幕

20110712日刊工業新聞12
 MEMS分野で世界最大欽慕の見本市「マイクロマシン/MEMS展」が明日713日~15日まで東京・有明の東京ビッグサイトで開かれる。展示会ではMEMSデバイス・センサーの他、製造装置、ナノインプリント、計測・検査装置など最新のMEMS技術を一堂に紹介する。「MEMSアウトソーシング」ではファウンドリー企業が集められ、海外で進んでいる製造委託の活用を促す。「クリーンルームゾーン」では低コスト・簡易設置型クリーンルームを展示する。13日の国際シンポジウムは大災害復興・節電に必須なMEMSグリーンイノベーションをテーマに海外の最先端情報が紹介される。14日にはNEDOMEMSやナノテク、バイオ分野の融合を目的として3年前に開始されたBEANSプロジェクトの成果発表が行われる。MEMS協議会は、産総研つくば事業所内に開設したMEMSの技術開発から試作の中核拠点となる「マイクロナノ・オープンイノベーションセンター(MNOIC)」を紹介する。

2011年7月8日金曜日

2010MEMSファンドリー売上げランキング by iSuppli

海外産業動向
http://www.globalsmt.net/smt/index.php?option=com_content&view=article&id=14065&Itemid=396
 MEMSファンドリーには純MEMSファンドリーと自社でMEMSを開発、製造しているが、ファンドリーサービスも行っている兼業MEMSファンドリーがある。ここでは兼業MEMSファンドリーの世界ランキングからその受託状況を見る。 
STMicroelectronics(ST)はMEMSファンドリー売上げランキングで世界一を保った。それも第2位のTexas Instruments(TI)の5倍という圧倒的な差をつけて。STの公開情報によると2010年MEMSファンドリーサービスだけの売上は$228.6M(約190億円)、TIは$47.4M(約40億円)であった。STの売上が何故異様に多いのか。それはHP向けインクジェットヘッドが多くを占めるためである。しかし最近HPからの注文が減っており、STは新たな顧客、KodakのインクジェットヘッドやDebiotechのMEMSインシュリンポンプの受託を始めた。TIも売上げの多くをLexmarkのインクジェットヘッドが占める。
 第3位はノルウェーのSensonor社で$38.0M、4位はSonyの$31.9Mである。Sonyの売上げの多くはKnowlesのMEMSマイクロフォンが占める。

半導体ウエハー工作機械で加工、露光不要、時間5分の1(三菱重工)

20110708日経産業新聞12
 精密加工機による半導体ウエハーの切削加工に三菱重工業が成功した。一般的な人工ダイヤモンド製の工具を使い1マイクロメートル級の溝を加工した。通常の半導体ウエハーの露光・エッチング等の過程を経る製造に比べて5分の1の時間となり、直径10cmのサファイア基盤に深さ5マイクロメートルの回路を作る場合、約11時間で仕上がると言う。少量の試作やサンプル品の生産に向くとみられている。

2011年7月7日木曜日

チャレンジ新製品、慣性計測ユニット、小型・省エネで高精度(セイコーエプソン)

20110707日経産業新聞7
 水晶と半導体技術を組み合わせ、小型・省エネで高精度な産業機械用慣性計測ユニットをセイコーエプソンが開発した。ロボットなどの部位の傾きを検知するもので、他社の従来製品に比べ消費電力を25%、大きさを4割低減し、角速度の誤検知を4分の一に抑えた。半導体を改良して温度補正など必要な機能に特化し、小型で消費電力を抑えた。半導体製造技術を応用して水晶素子を微細加工し、アルファベットのTの文字状で上下対称に配置し、角速度検出の障害となる外部振動をTの字部分が打ち消しあう構造として、高精度を実現した。今後は産業用途以外も視野に入れ、センサーを同社の主要事業に育てるという。

2011年7月6日水曜日

手軽に最先端の開発、オープンな研究拠点設立(MEMS協議会)

20110706電波新聞5
 マイクロマシンセンターのMEMS協議会はマイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)を4月に設置した。8-12インチウエハー対応の最先端MEMS製造ラインを、自社設備のように利用できるオープンな研究拠点を始動する。MEMSデバイスの市場は急速に拡大しているが、国内メーカーは苦戦を強いられている。MEMS協議会は、研究開発から少量量産までを行える専門施設が国内に整備されていないことが要因と分析し、海外MEMS研究拠点に対抗しうる世界最先端の施設設置を目指してきた。この度、産業技術総合研究所つくば事業所に設置された8-12インチ研究施設を管理運営し、研究拠点MNOIC7月より本格始動する。前工程から後工程までカバーしている研究開発設備を、定額料金の年間使用や、時間単位、プロジェクト単位の利用が可能。量産技術の構築、小規模量産の支援も行う。

X,Yの傾斜値を同時出力、2軸傾斜センサー(パシコ貿易)

20110706電波新聞4
 電解液の傾斜による液体の変化で電極間の導電率の変化を捉える2軸傾斜センサーをパシコ貿易が開発・販売する。長期間厳しい環境に絶える防護機構に収納され、耐衝撃性にも優れる。最少分解能0.001度、直線性0.1度、繰り返し性0.05度、感度80V/度。

2011年7月4日月曜日

デジタル傾斜測定システム、測定精度プラスマイナス0.1度(米ADI)

20110704電波新聞3
 MEMS技術による多軸加速度センサーと信号処理機能を集積し、プラスマイナス180度の全方位範囲でピッチ(垂直)とロール(回転)をプラスマイナス0.1度という高精度で計測できるデジタル傾斜計測システムを米アナログデバイセズ社(ADI)が発売した。位置決め装置や安全監視システム、医療機器向けで、出荷時に校正を済ませているのでユーザーによる校正作業は不要。

2011年7月1日金曜日

オバマ大統領:MEMSを含む先端製造技術開発へ重点投資

海外技術動向
http://newscenter.berkeley.edu/2011/06/28/campus-tapped-by-president-obama-to-help-boost-investment-in-manufacturing/  
 オバマ大統領は、カーネギーメロン大学で講演を行い、米国の製造業の復活、強化を目指して、Advanced Manufacturing Partnership (AMP)というプロジェクトを立ち上げることを宣言した。対象となる製造技術分野は、精密加工、MEMS、次世代自動車、次世代ロボット、エネルギ、バイオ、ヘルスケアがあがっている。
 6つの大学が開発拠点として抽出され、Massachusetts Institute of Technology(MIT)、Carnegie Mellon University、Georgia Institute of Technology、Stanford University、University of California-Berkeley、University of Michiganが選ばれた。 また現時点で参加を表明している企業は、Allegheny Technologies、Caterpillar、Corning、Dow Chemical、Ford、Honeywell、Intel、Johnson and Johnson、Northrop Grumman、Procter and Gamble、Strykerである。
 いくつかのプロジェクトの中で次世代ロボットに関しては、介護等人に密接して働くロボットを目指すもので、全米科学財団(NSF)、米航空宇宙局(NASA)を中心に60億円が投資される。

内視鏡の位置を頭の動きで操作、腹腔鏡手術支援ロボ(東工大)

20110701 日刊工業新聞 21面:
 腹腔鏡手術の支援ロボットに頭の動きを検知するセンサーを取り付け、内視鏡の位置を操作するシステムを、東京工業大学の川嶋健嗣准教授らが構築した。ヘッドマウンドディスプレイの角度検出センサーが頭の動きを検知し、これに合わせて内視鏡が移動する。映像は眼前のディスプレイに3次元で映し出され、手術は鉗子を操作して行う。現在の腹腔鏡手術では助手が内視鏡を保持し、医師の指示によりカメラを動かしているが、このシステムでは医師が一人で操作できる。企業などと共同研究を進め数年内の実用化を目指す。

大腸用カプセル内視鏡、日本に初投入(ギブソン・イメージング)

20110701 日経産業新聞 11
 口から飲み込むカプセル内視鏡で大腸用新製品をイスラエルのギブソン・イメージングがわが国でも201314年に発売する。CCDカメラとLED照明を内蔵し、直径11.6mm、長さ31.5mmで、患者の消化運動と共にカプセルが大腸内を移動している間に内壁を撮影する。大腸の内視鏡検査は肛門から内視鏡スコープを挿入する方法が主流だが、精神的・身体的なハードルが高い。大腸がんの患者数は我が国でも増加しており、内視鏡検査の重要性が指摘されている。