2011年6月24日金曜日

MicroGen社(米):エネルギーハーベスタを用いたワイヤレスセンサネットワーク開発

海外技術動向
http://www.i-micronews.com/news/MEMS-energy-harvester-combines-THINERGY-create-self-powered,7143.html
 MicroGen SystemsとInfinite Power Solutionsは共同でエネルギーハーベスタを用いたワイヤレスセンサネットワーク開発したことを6月に米国で開催されたSensorExpoで発表した。エネルギーハーベスタの仕様は、圧電材料を用いた振動発電方式で周波数60Hz、加速度0.7G、チップサイズ1cm2で出力は200μWである。これは量産レベルでは最高の性能を誇る。蓄電部も小型高効率な全固体型薄膜の2次電池を新たに開発した。サイズは切手サイズであり、振動発電素子との相性が良い。
 今回展示されたのは、ワイヤレス温度センサで、センサ素子はTexas Instrumentの新温度センサ素子、それに無線部、全体の制御回路が含まれている。

2011年6月21日火曜日

泳ぐ内視鏡 大腸パチリ、胃にも到達(龍谷大など)

20110621 日本経済新聞夕刊 18
 体内を遠隔操作で泳ぐカプセル内視鏡を龍谷大理工学部や大阪医科大などのチームが開発した。従来型のカプセル内視鏡に尾びれの駆動装置を付けたもので、体外装置の電磁石で尾びれを動かす。胃と大腸の撮影に成功した。

2011年6月20日月曜日

高感度気圧センサー、1センチの上下運動検知(東大)

20110620 日経産業新聞 11
 MEMS技術を活用して、気圧変化に敏感に反応し、1cmの上下運動を検知するセンサーを東京大学の下山勲教授らが開発した。従来の気圧センサーは「ダイヤフラム型」と呼ばれ、トランポリン状の薄膜の形状変化により気圧を測るが、最小で510パスカル(1パスカルは10万分の1気圧)程度の精度が限度だった。東大のセンサーはカンチレバーを使用し、カンチレバーのたわみにより1cmの上下に相当する0.1パスカルの圧力変化を測れる。新センサーはカーナビに組み込み道路の高低差を計測したり、歩数計に組み込んで平地と階段のエネルギー消費量を分けて算出するという使い方ができる。

MEMSデバイス事業、高性能製品の開発強化(米ADI)

20110620 電波新聞 4
 MEMSデバイス事業で世界有数のシェアを誇る米アナログ・デバイセズ社(ADI は、高性能製品の開発を加速化している。このほど、175℃という超高温下でも安定動作する小型加速度センサーを発売した。これまで150℃を上回る加速度センサーはMEMS製品では例がなく、実現していたピエゾ素子によるデバイスに比べ性能・サイズ・金額で大幅な改善が行われた。超高音動作対応の加速度センサーは石油掘削や地質調査など産業用ニーズに応える製品で、動作温度範囲の拡大と低ノイズによる高精度化を実現した。

2011年6月18日土曜日

次世代半導体、共同で開発、目指すは線幅10ナノ台(東芝、サムスン等結集)

20110618 日本経済新聞 9
  線幅10ナノメートル台の半導体量産技術開発を目指す国際プロジェクトが、経済産業省の支援によりつくばで始まった。東芝、旭硝子、HOYA、凸版印刷、JSRなど国内11社が共同出資でEUVL基盤開発センター(EIDEC を設立した。海外からサムスン、韓国ハイニックス半導体、米インテル、台湾積体電路製造(TSMC) 4社が参加する。波長の短い極紫外線(EUV)を使う極微細化半導体の製造技術が対象で、回路形成の中核材料、フォトマスクやレジストの検査などが中心テーマとなる。

2011年6月17日金曜日

Epson (America)社:産業機器向け高精度QMEMSモーションセンサ開発

海外技術動向
http://www.i-micronews.com/news/Inertial-measurement-unit-targets-industrial-applications,7109.html
 Epsonは低価格、高精度、低消費電力、小型を兼ね備え、QMEMS技術を応用した新しいモーションセンサを開発した。現在、民生用に用いられている汎用モーションセンサと比較して100倍の精度を誇る。一方、価格は超高精度で定評があり宇宙、軍事用で用いられている光ファイバ型と比較して数分の1になる見通しである。パッケージサイズは2.5×2.5×1cmで、3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサを含む。特にジャイロセンサは低ドリフトが特徴で、6°/hrを誇る。この製品は低価格(数ドル)/低精度の民生用MEMSモーションセンサと高価格(2万ドル)/超高精度光ファイバジャイロの間の価格、精度を求めるニーズに適する。例えば耕作機器、建設機器、医療、エレベータ、軍事機器等に適する。

海外製の製造装置拡充、MEMS分野を強化(キャノンMJ)

20110617 電波新聞 5
 MEMS市場の成長を見込み、海外製のMEMS製造装置の取り扱いをキャノンマーケティングジャパンが強化している。これまでの海外半導体製造装置輸入販売の実績をもとに非半導体、特にMEMS分野を重点領域としている。犠牲槽ドライエッチング装置メーカーの英memsstar社の製品は非プラズマ式のガス反応式で立体的なナノオーダーのエッチングに対応でき、同社装置は産学官連携のMEMS拠点「マイクロナノオープンイノベーションセンター」(MNOIC に採用、導入されている。この他、ObducatAB社のナノインプリント装置、産業用XCT装置等を扱っている。

2011年6月16日木曜日

センサー、環境・省エネ関連でさらに成長、MEMSセンサーに注目

20110616 電波新聞4面
 各種センサーの需要が伸びているが、センサー開発の加工技術でMEMS技術が注目されている。落下センサーとして3軸加速度センサー、手振れ防止としてジャイロセンサーなどが開発されており、最近は圧力センサーやフォースセンサーなどに展開している。最近は高精度センサーに対応するため、ウエハーとしてシリコンから水晶の利用が増えている。今後も環境・エネルギー分野での応用が期待されている。

温めるほど大きく縮む新材料、温度変形を抑制(東工大など)

20110616 日経産業新聞11面
 温度変形を抑制できる材料を東京工業大学の東正樹教授、京都大学の島川祐一教授、高輝度光科学研究センター、日本原子力研究開発機構、東京大学、広島大学、英エディンバラ大学などの国際共同研究チームが開発した。新材料はランタンを含むビスマス・ニッケル酸化物で温度が1度上がるごとに100万分の82縮む。新材料を粉にして混ぜたり、板にして張り付ける、膜にして覆う等により部品の膨張を抑えられ、熱膨張による故障や精度低下への対応が可能となる。電気回路に組み込めば、加熱により縮んでスイッチが切れる仕組みも作れる。今後の用途開発が期待される。

振動で手を引っ張る、視覚障害者を誘導(NTT研)

20110616 日経産業新聞11面
 手のひらに持った装置の重りを制御することで、手を引かれているような感覚を感じさせる次世代ナビゲーションシステムをNTTコミュニケーション基礎研究所(京都)が試作した。重りをぐっと動かし、ゆっくり元に戻す機構を装置に組み込み振動を起こすことで、引っ張られる可能とした。視覚障害者の道案内に有効で、GPSを活用すれば携帯電話に組み込むほど小型化も可能という。

装置の傾き検知、装置4割小さく(セイコーエプソン)

20110616 日経産業新聞7面
 水晶片をMEMS技術により加工し、従来製品に比べて4割小型化した慣性計測ユニットをセイコーエプソンが開発した。直線的な動きの加速度と回転運動の角速度を立体的に把握し、産業用組立機器のアームなどに適用して動きを正確に測定・補正し、組み立てる製品の歩留まり向上につながる。

TDK、高度センサー参入、体積6分の一に

20110616 日経産業新聞1面
 気圧による高度センサーにTDKが参入する。2008年に買収したドイツ・エプコスのMEMS技術を使い既存製品の6分の一の体積とし、スマートフォンなどの展開を見込んでいる。シリコン製の板が気圧変化でたわむ度合いからICチップが気圧を30㎝単位で測定する。スマートフォン用の気圧センサーは一部端末への搭載にとどまっており国内外シェアの多くをSTマイクロエレクトロニクスが握っている模様だが、TDKはシェア1位を目指す。小型気圧センサーは登山の高度測定用時計等に利用されてきたが、スマートフォンのGPSと併用することにより、立体的な位置を把握でき、建物内の案内アプリケーションや、階段の上り下りを検知した健康管理アプリケーションが開発されつつある。

2011年6月15日水曜日

高感度触覚センサー発売、東大下山勲教授らの技術(東大発VB)

20110615 日本経済新聞 14
 東大の下山勲教授と稲葉雅幸教授らの技術のライセンス供与を受けたベンチャー、タッチエンス(東京・台東)は米粒大のセンサーや柔らかなセンサーを製造、発売する。ロボット、医療用ベッド、さらには玩具や携帯端末、自動車などの応用を目指す。2ミリメートル角の「ショッカクチップ」は表面に触れると人の皮膚と同じく圧力と摩擦の大きさを検出し、センサーの組み合わせで1gから1tまで測れる。ロボットの手やタイヤへの応用が見込まれ、量産すれば1個数十円の見通し。「ショッカクキューブ」は2センチの立方体で電子回路をウレタンで包んだもの。変形しやすく手触りも自然で、介護や家事支援ロボットや医療用ベッド、自動車シートなどの応用を見込む。14000円以下を目指す。

2011年6月14日火曜日

銀に磁気蓄積、高感度センサーに応用(理研、東大、原研、東北大)

20110614 日刊工業新聞 22 磁性を持たない銀に巨大な磁気を持たせることに、理化学研究所、東京大学物性研究所、日本原子力開発機構、東北大学金属材料研究所の共同チームが成功した。高感度な磁気センサーや大容量の不揮発性メモリー素子、スピン演算素子などへ応用できる。磁性体のパーマロイ(鉄とニッケルの合金)と非磁性体の銀との間に、厚さ数ナノメートルの酸化マグネシウム層を挟んだ「磁気蓄積素子」を作成し、熱処理することにより磁気を銀の中に注入でき、蓄積できた。

新赤外線センサー、5つの機能を1チップに搭載(TI)

20110614 日経産業新聞 4
 MEMS技術を使い5つの機能を1チップに搭載した温度センサーをテキサス・インスツルメントが開発した。16ビットAD変換器、温度センサー、電圧調整等を1チップに集積した。従来品に比べて95%の小型化を実現し、消費電流も90%近く低減した。マイナス40125℃と広い計測範囲を持ち、スマートフォン等の小型電子機器での需要を見込んでいる。

2011年6月10日金曜日

Analog Devices社:10軸(3軸加速度、3軸ジャイロ、3軸コンパス、圧力)モーションセンサ発売

海外産業動向
http://www.sys-con.com/node/1863106
 Analog Devices Inc.(AD)は10軸のモーションセンサを発売した。3軸加速度、3軸ジャイロ、3軸電子コンパス、圧力センサ、信号処理ICを一つのパッケージの中に集積化した。それぞれのセンサはADの実績あるセンサ素子を用いており、全体で小型化、高精度化を達成した。主な用途はナビゲーションを想定しており、自動車の他に、工場や鉱山での人の位置検出にも適しているとする。パッケージの大きさは23×23×23mmの立方体状、価格は1000個発注時、$444である。
 

Texas Instrument社 MEMS赤外線温度センサ開発

海外技術動向
http://voicendata.ciol.com/content/news1/111060903.asp
Texas Instrument(TI)は、赤外線方式のMEMS非接触温度センサをTIとして初めて開発した。新たに携帯電話を使って物の温度を測りたいというニーズが生まれており、それに適しているとしている。チップ構成はサーモパイルを用いたMEMS赤外線検出部と信号処理ICが一体化された超小型を特徴とする。チップサイズは1.6×1.6mmでパッケージの大きさはこれまでのMEMS赤外線の2分の1である。IC部は16ビットのAD変換、キャリブレーション機能を含み、高精度である。

MEMS式小型ジャイロコンパス開発、低価格化(住友精密)

20110610 日刊工業新聞 9
 MEMSジャイロセンサーを活用して小型・高性能・低価格化した、地下や海中の調査向け掘削機等に搭載する小型ジャイロコンパスを、住友精密工業が開発した。機械式や光学式のジャイロコンパスは数百万~数千万円と高価。GPSコンパスは海底や地下、室内では使えない。同コンパスは自動車の横滑り防止向け量産タイプを応用し、制御回路等の改良により精度を高め、低価格(300万円)を実現した。海底や地下、室内でも使用でき、磁性体や磁気の影響も受けない。計測時間200秒で方位角は±1.5度、姿勢角は同1度、緯度は同1.5度の精度で計測できる。

2011年6月9日木曜日

環境にやさしい柔軟なフィルム状赤外線センサー開発(神戸大)

20110609 電波新聞 7面:
 科学技術振興機構(JTS)が神戸大に研究委託して、鉛を含まず環境にやさしく、小型・薄膜の柔軟なフィルム状赤外センサーを開発した。環境低負荷物質である有機強誘電体により、ナノ構造制御された強誘電素子作成技術を確立し、フィルム基板へのセンサー形成を可能とした。さらに、真空蒸着を応用したパターンニングと構造制御により、均質な量産化技術を確立した。デバイスとしてはフィルム上に10個の素子を配した曲げられるアレイモジュール、人やモノの動く方向を検知できるレンズ一体型のアレイモジュールを開発した。開発品はEU規制のRoHS指令に適合し、住宅・店舗や家電・健康器具に組み込む人感センサーとして期待される。また、非接触の機器操作など、携帯端末やAV機器への搭載も期待される。

高性能慣性計測ユニット、高精度で最少クラス(セイコーエプソン)

20110609 電波新聞 4面:
 世界最小クラス、低消費電力、高精度、高安定な慣性計測ユニットをセイコーエプソンが商品化した。水晶微細加工技術(QMEMS)を用いて開発した水晶ジャイロや半導体技術を組み合わせたもの。3軸ジャイロ(±300deg/s)3軸加速度センサー(±3G)を搭載している。

ゴムの”しわ”から微細模様、センサー開発に応用(東京理科大)

20110609 日経産業新聞 11面:
 センサー開発に応用が期待される、低コストの分子制御技術を東京理科大の物質・材料研究機構のチームが開発した。ゴム状素材を引き伸ばし、縮んだ時にできる表面の“しわ”が規則正しい模様になることを利用するもの。ポリジメチルシロキサンというゴムシートの一種を引き伸ばし、酸素プラズマで処理してからゆっくり元の形に戻すと、様々な模様ができた。引き延ばす向きや大きさ、プラズマ処理の長さにより縞模様や縞の幅などは調節できる。窪みの部分に直径500ナノメートルの休場粒子を並べることができた。微細パターンをリソグラフィー等の装置を使わずに安価に構築できる。導電性や光に反応する物質をパターンに沿って並べることによるセンサー開発につながると期待している。

2011年6月8日水曜日

光を当てると磁石に、新磁気材料を開発、フレキシブルメモリーに道(東大)

20110608 日経産業新聞 8
 フレキシブルメモリーの開発につながる、光が当たると磁石になる新しい光磁気材料を東京大学の大越真一教授らが開発した。ディスプレーや演算回路も柔軟な材料を使った開発委が進められており、曲げられるパソコンの実現につながる。
 材料は鉄イオンが有機分子の間に入り込んだ構造で、青い光が当たると鉄イオンの向きがそろい磁石の性質をもつ。別の光を当てることにより磁性を失えば光磁気メモリーが実現できる。新材料は粉状の物質で、直径10ナノメートル程度の粒として並べることを想定しており、一粒ごとに光磁気メモリーとなる。

2011年6月7日火曜日

体内のpH測定、挿入できる小型センサー(早大と堀場製作所)

20110607 日刊工業新聞 1
 有機薄膜をセンサーに適用し、生体に直接挿入して酸性やアルカリ性などの性質を示す水素イオン濃度(pH)を測れる小型センサーを、早稲田大学理工学術院の逢坂哲彌教授と堀場製作所が実用化した。1mm5mmpHセンサーチップは、電界効果トランジスタ(FET)に溶液中の水素イオンを検知するセンサーと、検知した水素イオンと比較するための基準電位を計測する部分を集積したもの。このチップを使い、既存のpHメーターに接続できるセンサーを試作した。今回の開発はNEDOの研究の一環。生体に挿入してpHを測定し、正常な部位とと違いから病巣を検出するなど、医療分野の基礎研究への利用が期待される。

2011年6月3日金曜日

オムロン絶対圧圧力センサ、赤外線アレイセンサ他Sensors Expo(米)に出展

海外技術動向
http://www.sys-con.com/node/1857277
 オムロンは6月7日から開催されるSensor Expo(米)に絶対圧圧力センサと赤外線アレイセンサを出展すると発表した。絶対圧圧力センサはパーソナルナビゲーション用で高度検出に用いられ、分解能は1mの高さの差を識別できる。これよりビルの何階にいるかを示すことができる。
 赤外線アレイセンサはビルのエネルギーマネジメントシステムに用いられる。出展品は1×8個のアレイから成り、人体の位置検出が可能で、エアコンディショナーをきめ細かにコントロールすることができる。4×4のアレイセンサも開発中である。
 他に流量センサやマイクロ光センサも出展予定である。

2010年度MEMSファンドリー世界ランキング by Yole Development

海外産業動向
http://www.i-micronews.com/news/Top-20-MEMS-foundries-lags-market-IDMs-capture-volume,6829.html
 2010年度のMEMS全体市場は前年度比で25%と大きく成長した。しかしMEMSファンドリー全体の売上増加率は10%であった。これは大きく売上を伸ばした民生、自動車用MEMSの多くが垂直統合型企業で内製化されていることを示す。
 企業別では相変わらずSTMicroelectronics(STM)が圧倒的な売上の大きさを示したが、その他は近い売上規模で多くの企業が並んでいる。注目される企業をあげると、Silexは純MEMSファンドリーながら売上は前年度比85%増でNo.2に成長した。この成長要因として得意としているTSV技術のニーズが増加したことがあげられる。Asia Pacific Microsystem(台)は60%伸びて第4位になった。
 デバイス売上を業種別で見た場合、デバイスを内製している垂直統合型企業の伸びが大きい。特に自動車用MEMSの成長分の多くは垂直統合型企業の8インチラインで内製されたものである。
 CMOSファンドリーのMEMSの売上が増加している。TSMCは2倍に、他にXFab、Jazz Semiconductor、UMC等がMEMSファンドリーの売上比率を伸ばしている。
 ランキングには現れていないがニッチデバイスを請け負う中小MEMSファンドリーの存在は見逃せない。デバイス分野は光MEMS、通信、バイオメディカル等で絶対額は小さいが、確実に成長していることと利益率が高いことが特徴である。

MEMS事業を加速、300mmで貫通電極(大日本印刷)

20110603 日刊工業新聞 8
 MEMS受託加工事業を行っている大日本印刷(DNP)300㎜ウエハーでシリコン貫通電極(TSV)技術を採用した生産に乗り出す。ウエハーの大口径化による生産性向上を求める顧客要望に対応するもの。TSVは基盤とチップやチップ間を接続する方法で、従来法に比べ小型化や気密性保持が図られる。DNPは産総研つくば東事業所でMEMSの産学官連携プロジェクトに参画し、300㎜ウエハーでのTSV加工製造に取り組む。DNPMEMS受託加工は千葉県柏市の研究開発拠点で手掛けているが、新たなラインの設置場所を検討している。