2010年7月27日火曜日

マイクロナノ記事クリッピング2010/7/21-7/27

20100721日経産業新聞 111面:深化する産学官連携、実験場に企業ずらり、市場の息吹、研究室潤す


産学官が技術革新の連携を強めている。東京工業大学はスーパーコンピュータ「
TSUBAME」を企業に開放し活用が進んでいる。東京大学生産技術研究所はスパコンを手軽に使えるソフトを無償公開した。産総研と東北大は半導体の微細加工設備の時間貸しを始め、MEMSの試作に活用してもらう。従来の共同研究では研究成果を囲い込む傾向があったが、知的財産を共有しながら研究する場をつくり、予算も持ち寄る試みが出てきた。

2010年7月20日火曜日

マイクロナノ記事クリッピング2010/07/12-07/20

20100712 日経産業新聞 1面:振動で発電、かすかな揺れで100μw(オムロン)、電磁誘導活用し50mw(米VB)
振動で発電する部品開発が進んでいる。オムロンは、向かい合わせた電極基板が振動でずれると発電する仕組みで、2cm角で厚さ4mm、重さ4gの発電部品を開発した。発電部品を工場の機械や自動車など振動する機器に取り付け、蓄電部品、無線通信部品、センサー等と組み合わせ遠隔監視センサーを開発した。
アメリカのベンチャー、エコハーベスター(カリフォルニア州)は磁石とコイルで電磁誘導により50mwの発電をする部品を開発した。1個100~200円で2011年にも実用化を目指す。

20100712 日刊工業新聞 19面:マイクロ非球面レンズ成形型、微細・複雑形状に対応(中部大)
デジタル機器の小型化により、微細で複雑な形状のレンズを必要とする機会が増えている。レンズの成形に型が必要であり、型の微細成形加工技術が求められている。中部大学工学部の鈴木浩文教授は、この分野の専門家として、企業との共同研究により多くの成果を上げている。
型の加工には通常はダイヤモンド砥石を使用するが、フレネルレンズのように複雑な形状では対応できず、ダイヤモンドバイトを使った超精密旋削加工を活用している。研磨も従来の砥石回転では対応できず、超音波で工具を微振動させ表面を研磨する「ナノポリシャ」を開発した。

20100714 日経産業新聞 14面:センサー付き軸受け、回転軸の傾き検出(NTN)
回転軸の傾きを検出するセンサーを組み込んだ軸受けをNTNが開発した。これまでの回転数や回転方向に加え、傾きなど位置情報も検出する。フランス子会社のSNR者が開発した6x7mmの小型センサーを組み込んだ。フォークリフトのステアリングなどへの使用を想定している。

20100714 日刊工業新聞 21面:光照射で電源オン、ナノサイズ素子開発(阪大と物材機構)
光照射でスイッチをオンとし、そのまま保持(記憶)できるナノサイズ素子を大阪大学と物質・材料研究機構の共同研究グループが開発した。集積化できれば人工網膜や学習型画像認識への応用が期待できる。金属電極と固体電解質電極の間に光導電性分子の膜を形成し、光照射により光導電性分子膜に微弱な電流が起こる。この電流で固体電解質電極のイオンが還元され原子として析出され、金属電極との間に金属の原子架橋が形成され、スイッチオンの状態になる。この金属架橋は光照射がなくなっても存在し、不揮発性の記憶が出来る。動作条件の制御により架橋を消滅させ、スイッチオフに出来る。

20100715 日刊工業新聞 8面:水圧センサー開発、高感度と堅牢性両立(ケネック)
高感度と堅牢性を両立させた水圧センサーをケネック(東京都昭島市)が開発した。構造は、発光ダイオードと受光素子の間に隔壁を置き、水圧による隔壁のすき間の変動による光の変化を捉える。高さ1cm程度の波力を計測でき、測定最大値の2倍の波でも壊れない。研究機関や下水道や化学プラントの高圧配管への採用を目指している。

20100718 日本経済新聞 15面:薄くて透明、炭素素材に新顔、グラフェンの仲間と応用分野
炭素が平面に並んだ新素材「グラフェン」への期待が高まっている。グラフェンは炭素が格子状に繋がった材料で、原子1個0.38ナノの厚みしかない。丈夫で柔軟性があり電機を良く通す性質が明らかになってきた。大型ディスプレーや電子デバイスへの応用が期待されている。

20100719 日刊工業新聞18面:MEMS技術情報交換やシンポ開催、独研究機構と協定延長(仙台市).
仙台市はMEMS分野の情報交換等を行ってきたドイツ・フラウエンホーファ研究機構との協定を2013年まで延長した。東北大の江刺正喜教授が仲介する形で締結し、市はMEMS関連の新産業育成を目指している。  

2010年7月9日金曜日

マイクロナノ記事クリッピング2010/6/28-7/9

20100628 日経産業新聞 21面:サービスロボの指など駆動、小型装置、丈夫で安く
サービスロボットの指を動かす小型の駆動装置を、岩手大学発ベンチャーであるアイカムス・ラボ(盛岡市)が開発した。駆動装置は直径12mm、長さ11mm重さ7gでロボットの指を人間並みに出来る大きさとした。「不思議遊星歯車」を活用し小型化した。医療・介護や生活支援のサービスロボット市場を見込んでいる。

20100630 日刊工業新聞 35面:MEMSを産業の柱に、未来を築く地域発イノベーション
仙台市は東北大学と連携してMEMSを産業の柱にするべく活発な活動を進めている。「支店経済」からの脱却を目指し、東北大など知の集積を活かした高付加価値型産業の育成と研究開発型企業の誘致を進める方針で、MEMSを有力分野としている。MEMS開発ディレクター制度、MEMSパークコンソーシアム、ドイツ・フラウエンホーファーとの協力関係構築などを進めている。

20100630 日刊工業新聞 14面:加速度センサーモジュール、防水構造で用途拡大(パナソニック電工)
防水性を高めた高精度の一軸加速度センサーをパナソニック電工が発売する。自動車、農業・建設機械の転倒防止、福祉車両の安全確保、太陽光パネルの太陽光追尾装置などの用途を見込んでいる。外気温の影響を低減し、応答性が高く、高精度に傾斜を検知する。

20100629 日刊工業新聞 10面:比接触式磁気歪位置センサー(エムティエスセンサー)
分解能が1.5マイクロメーターと性能が従来品の2倍の非接触式磁歪式位置センサー(リニアスケール)をエムティエスセンサーテクノロジー(東京都町田市)が発売する。性能向上により、ロボット、工作機械、プレスなどへの用途拡大を見込んでいる。磁歪式センサーは配線しないで読取装置部をシステム構成でき、搭載する装置の設計時自由度がまし、耐久性にも優れる。

20100629 電波新聞 4面:生体分子間相互作用を測定、センサーデバイス(SEGG)
微少量の試料で生体分子間相互作用の測定に適したセンサーデバイス「マイクロフローセル」をセイコー・イージーアンドジー(SEGG、セイコーインスツル関連会社)が発売する。SDカードサイズの流路チップに水晶振動子を組み込み、セルの電極表面に付着する物質の極微量の重量変化を、水晶振動子の共振周波数変化により検知する。SEGGのバイオセンシングシステムに本デバイスを装着して計測する。

20100705 日本経済新聞(夕刊)1面:半導体の微細加工設備、企業に時間貸し(東北大など)
半導体の微細加工設備の時間貸しを東北大学と産業技術総合研究所が始める。東北大は仙台の同大学キャンパスで今秋から、産総研はつくば市の研究所で来年から、それぞれ専用設備を新設して開始する。半導体の開発には数百億円の投資が必要だが、時間貸しにより企業が簡単に設備を利用でき、MEMSを開発・試作できる体制を整備する。

20100709 日刊工業新聞 4面:センサーモジュール活用、工場エネ最適化(オムロン)
MEMS技術を活用した計測・制御・電源・通信機能の一体化センサーモジュールとそのネットワークにより、工場のエネルギー管理を最適化するシステム開発にオムロンが取り組んでいる。モジュールは1cm角を想定し、搭載するセンサー次第で風量、音、温湿度などを計測し、演算処理、通信を行う。個別の状態変化を常時監視しながら全体で最適に制御するシステムを目指す。現在自社工場で実証実験を進めており、既存工場のエネルギー消費量を数割削減することを狙っている。